下城NYニュース 10 -'19

アメリカでは(今更ですが)夏時間が終了し、アメリカ標準時間になりました。

標準時では日本の朝9時がニューヨーク時間の夜の7時となります。

ニューヨークは東北地方ほどの緯度ですので、11月はじめのこの時期は紅葉もほぼ終わり朝晩は5℃かそれ以下に下がる日があります。

今年のニューヨークは、商圏全体で最新の小売業や商業施設が開店開業しており、ニューヨークのビジネストレンドを視察研修する目的地に事欠く事がありません。

食品スーパーマーケットの業界ではあまりにも有名な「スチューレオナード」が、ニュージャージー州に初めて店舗を開きました。

ニューヨークの郊外であるコネチカット州の農場で絞った牛乳配達を始めたのが1924年の事といいますから、創業95年と言う食品店です。

牛乳を配達し、農場で採れる乳からバターやチーズを作ってそれも配達し、パンやジャムやその他のスプレッド、そしてスープにソースを手作りして配達しました。

その初代を継いだのがスチューレオナード(シニア父親)で、スチューさんのアイデアで小売店を作りその店をどんどん大きくしてスーパーマーケットよりも大きくなったものの、扱い商品は新鮮と手作りに拘って2500品目までの品揃えと言う現在の店の原型が出来上がりました。

店舗展開が始まりましたがそのペースは遅く、二店舗目は長男が継ぎ店長をやり、三店舗目は次男が継ぎ店長をやり、もう息子はそれ以上居ないので、四店舗目は長女の旦那さんが店長をやり店舗展開していきました。

スチュレオナードの店頭には「Our Policyの岩」が置かれています。

Rule 1

The Customer is always right!

Rule 2

If the customer is ever wrong, reread rule 1.

重さ5トンのその岩には上記の様に書いてあり、これは:

ルール1

お客様は常に正しい!

ルール2

もしお客様が間違ってると思ったら、ルール1を読み直せ、という亊になります。

これはスチュー(シニアさん)が商売の経験から得た自分達の心得を、自分と自分のスタッフへ伝え、同じ事をお客にも見せて宣言しているものです。

次男のトムさんはその後独立して、首都ワシントンの郊外に独自の「トム・レオナード」を開いています。

長男のスチュー(ジュニア)がその後ビジネスを引き継ぎ、本店だけでなく全店舗を統括する社長となり各店舗は自分に繋がりのある家族を置くと言う本物の家族経営をしています。

本店からは離れた商圏であるロングアイランドのショッピングモール内にも進出した際には、最初にスチュレオナードのワインショップを開店させて知名度を上げ、時間をタップリ掛けてワインショップからも近い店舗用のスペースを確保してマーケットを開店させました。

マーケット開店の時には既に知名度もあり順調にお客を呼べる店になっていたのです。

そして2019年9月初めてのニュージャージー州パラマス市の店舗を開店させたわけです。

スチューの各店舗と同様に、店内は「One Way Isleという一方通行の売り場」を作ってあります。 お客は流れに沿って全ての売り場を見ながら買い物をしていく事になり、それでも飽きない様な演出がされているのです。

アメリカでは各州ごとの法律で酒類の販売は色々な制限があります。

ニューヨーク州では食品店、コンビニ等の食品小売店ではビールまでの酒類(アルコール度数6%まで)だけを扱う事が出来、それ以上のワインやハードリカーは酒販店でのみ扱う事が出来ます。

この場合酒店では食品を扱う事は出来ません。

ニュージャージー州はまた違った法律で、同州内で2店舗までの酒販免許が認められるので、このスチュレオナードのパラマス店では同チェーンで初めて店内でフルに酒類を扱える事になりました。

スチューレオナードはマーケットのディズニーランドと呼ばれるとおり、店内では歌って踊る牛やウサギなどの家畜、ミルクやバターやブロッコリーなどの食品が各所に配置され、大人も子供も大いに楽しく買物出来る店を作っています。


店内の惣菜バーは初期から作られていて、今日本で名前が上がる「グローサラント」(グロサリーストア+レストラン)の元祖と言える店です。

春から秋まで、店頭にはバーベキューやホットドッグのコーナーが作られ買い物の前(か後)の腹ごしらえにも最適な雰囲気を作ります。

それ以上に人気なのが、店頭のソフトクリームのコーナーです。

牛乳屋から始まったこの店のソフトクリームが美味しくないはずがありません。

私はソフトクリームと共にこの店のフローズンヨーグルトのファンで、本来の甘(過ぎ)さも匂いもなく、大変美味しいフローズンヨーグルトに感心しております。

視察ではご希望に合わせて最新店と共に原型の本店や中間点の他の店を比較しながら進化を見て頂くアレンジをしています。

今年のニューヨーク最新小売業視察では、ウェグマンズの街中型最新店やハドソンヤードなどの最新で最大の商業施設のルートを作ってあります。

加えて小売業がこぞって開発しているアプリを使った販路拡大の視察をします。

アプリをダウンロードし、会員登録すると割引が貰えるショッパーズクラブに入れてポイントも貯める事が出来ます。

アメリカでは当り前であった割引きクーポンはもう不要で、アプリを使って指一本で割引きを貰える操作が出来、アプリを使ってデリバーリーも注文できたり、事前にスタッフさんにそろえて貰った買い物を受け取りに行くサービスも受けられます。

  

商品でいうと今日本でも話題のイミテーションミート「ビヨンド・ミート」「インポッシブルバーガー」「グルテンフリー商品」など視察が可能です。

今年のニューヨークは、盛り沢山の最新視察か所とアイデアが揃っています。

また外食産業では、定番クラシックを徹底的にアップグレード、アップデートさせたり有名カリスマシェフが手を入れた業態などが出てきております。

まだまだグルメブームが続いている事を実感します。

そして今の動きは全米でのフードホールの活躍で、今までのフードコートの業態は郊外のショッピングモールや空港等に一部残るだけになっています。

是非この視察研修プログラムで最新情報をキャッチして、アメリカの優良企業を目の当たりに接し、愛社精神と人間力を培いこの業界をリードするトップになって頂ける事、又、参加されるスタッフさんの感動を引出す事は間違いありません。

ご興味のある方は下城までご連絡下さい。


PSお知らせがあります!

11月28日、大分市のセンチュリーホテルにて「ニューヨークの最新小売り状況」を講演させて頂きます。

豊の国商人塾 令和元年度公開ゼミナールに参加させて頂く事になりました。

今回の日本出張では九州大分から香川県に廻ってから東京へ戻ります。

この講演は私のニューヨークで行うセミナーに準じますが、2019年は沢山の新店舗進出があった事、そして販路拡大策がアプリを使ったハイテク志向になった事が新らしい話題となっていてお話しさせて頂きます。

お近くの方は是非お申し込み下さい。

https://www.pref.oita.jp/soshiki/14300/r1koukaizemi.html

                               

Charlie Chikao Shimojo/チャーリー・下城

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Shimojo NY News Co., Ltd/下城NYニュース

web: shimojoNY.com

SHIMOJO NEW YORK NEWS

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