下城NYニュース、09-'21(ワクチンパス)

下城NY・ニュース、2021年09月

ニューヨーク市では9月13日(月)から正式にワクチンパスポートのルールが施行されました。

「ワクチンパスポート」と通称呼んでいますが、ワクチン接種証明というのが正確な呼び方の様で、ニューヨーク市ではこれを「Key to NYC」と言ってこれを訳すとニューヨークの重要な鍵という意味になると思います。



スマホでもウェブサイトでもテレビも地下鉄の駅でも、あちこちでこれを宣伝して広めています。

細かい文字の解説文を読むと、8月17日から始まったものですが、正式な施行(そして違反には罰金)は9月13日(月曜)からです。  12歳以上の人の入店(入場)には最低でも一度のFDA(アメリカ食品衛生局)かWHOが認可したワクチン接種が済んでいるという証明が必要、となっています。

ですので、レストランではどんな事が行われているか確認に行ってみました。

あちこちのレストランではNYCが作った張り紙がしてありました。 スターバックスなど一部の店では企業独自の張り紙の場合もありました。

自治体というか行政側が用意した発行者が入った張り紙というのは、店舗の判断ではなく行政側が一斉にやっている事と伝える意味があり、それは大きいと思います。

このルールはIndoor Dining向けであり屋内という事が明記されていて、屋外席は除外されている事が分かります。 ケータリングの場、イベント会場、ホテルのバンケットルーム、カフェテリアやスーパーマーケットの中の飲食コーナーやカフェ、ファーストフード店(店内で食事の場合)もこのルールに入ります。

そして重要なのは、そこに来るお客だけでなくて従業員にも適用されるという事です。 ここに来てワクチン接種率の伸び悩みがあるので、それの打開策の一つで接種証明が無い場合の生活の不便さを感じさせる意味もありそうです。

ワクチンを接種した時に毎回紙のカードに接種日、接種場所、ワクチンの種類などが手書きで記載され、二回接種の場合はその都度記載が追加されます。 よく見るとその後にも接種する場合のスペースが付いています。 スマホはその接種証明のアプリ版で、画面には名前、生年月日と有効期限(1年間)が書かれています。 これは2度目の接種(J&Jは1度)が終わってから2週間経過しないと登録が出来ません。 アプリ版のワクチンパスを持っているという事はワクチン接種終了後2週間を経過した完全なワクチン接種完了者という事になります。(私のカードとアプリです)

通常私達は着席するレストランに行く場合、特にコロナ後は習慣として「Open Tableやyelpというアプリ」等も使って予約を入れておきます。  というのも、万一の閉店や席数制限で混んではいないのに満席になる事を避けたいからです。

8月17日にこのルールが先行開始していましたが、多くのレストランは(ウェブサイト等で)予約を受ける時に「ワクチンの接種証明を提示する必要があります」という形で伝えていました。 実際にこの「Drunken Monkey」というレストランにルールの施行数日前に行きましたが、接種証明の提示は求められませんでした。  正式施行前であるのでこれはセーフです。

このKey to NYCルールはレストラン以外でも必要で、スポーツジム、フィットネス(武道の)クラスやダンスのクラス、プール等も含まれます。 更にエンターテイメントもこのルールに入っていて、映画や観劇・音楽の劇場とコンサート、博物館・美術館、水族館と動物園、スポーツ観戦、エキスポ等の展示会や展覧会、ゲームセンターなどが入ります。

細かい事はもっと詳細に渡って書かれていて、ニューヨークはコロナから解放されつつあり自由な行動になってきているという裏には、それなりのやってきた事とこれからもしなければいけない事がギッシリあるのです。

ニューヨークの人達は1年半前の毎日何百人という隣人、州民が亡くなってきた事実と、その後の野戦病院を含む病院の前に並ぶ人の列、こういう厳しい規制を見て体験した事もあって、現在の感染縮小に繋がっていると言えます。

ワクチンパスのルール施行の初日にレストランではどうだったか、ブログにも載せてあります。

先ずは店頭の目立つ所に例のポスターが貼ってありました。 張り紙はワクチン接種証明だけでなく、マスク推奨やオンラインオーダー、デリバリー等もある上にガラスが光ったりすると分かり難かったですが、ほとんどの店の店頭の外から見える所に貼ってありました。(ルールです)

私自身の入店時には、入口の案内係りさんが「接種証明はありますか?」と最初に聞いてきました。 これは想像の通りでした。 

入口が見える場所にテーブルを貰いそこから先に入店するお客とのやり取りを見ましたが、皆さん接種証明のカードではなくてスマホを見せている様子が分かりました。 又、ニューヨークではコロナ発生(20年3月)から少し経った頃から屋外席の設置が認められ、最初は簡単なピクニック用の椅子とテーブル+パラソル等で屋外席を作りましたが、去年の秋からは本格的に小屋を建てて屋根と壁も付いて冷暖房完備の屋外コーナーがどんどん作られていました。 

それでも換気が出来る様な作りになっています。 席に着いてからスマホを出して見せている人もあったし、二人のうちの一人を確認してもう一人は歩きスマホで聞いてないふりをしていたケースもありました。  これはそこにインスペクターが居たら絶対アウトでしょう。 でも初日なので双方がまだ慣れていなかったからかも知れませんね。 

写真は着席してからの接種証明確認、路上に作られた屋外席、スタバ店頭の張り紙です。

ちょうどこのタイミングでニューヨークの現状をお話しする動画がアップされました。  

「上ちゃんも外食産業の皆さんにお伝えしたい」という事だと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=FAE-5J0zw-0&t=25s


ルール開始の初日には、私はスタバの店内とこの夕食のレストランで状況を見ました。 マンハッタン内の住宅街でその周辺のレストランを見たところ混乱や問題発生は見掛けませんでした。 その後3日間(まだ3日ですし)ニュースを見る限りでもニューヨークではこの関連の問題は無いようです。

***ところが、今朝のニュースでこのワクチンパス関連の事件がニューヨークで起きています。 テキサス州からの観光客が店員に対しての暴力事件が起きました。

不快な動画ニュースなので見たくない人はパスして下さい。

https://newyork.cbslocal.com/2021/09/18/carmines-hostess-attacked-indoor-dining-vaccine-mandate/


私からするとこれが全米で理解され実行され、日本も同様にこんなシステムを使って進んで行けるとしたら素晴らしい事と思います。 ワクチンを接種する事で自分自身も自身の周り全体も安全になり、行動がもっと自由になります。

イギリス、フランス等他国や他都市では、ルール開始に関して延期やデモがあったとのニュース聞いています。 そこで言っている事はワクチンを打たない自由を認めよという事ですが、これではパンデミック(世界感染)が終息しません。

ニューヨークではこのシステムの成功で経済を活性化させる事が、コロナ完全終息宣言を出す為の重要なポイントと考えています。

しかし、現時点で類似のシステムは全米の4州のみ(地図の赤い州=カリフォルニア、ルイジアナ、ニューヨーク、ハワイの各州)で採用されていて、幾つかのオレンジ色の州は検討中です。 青い州が一番多い事が分かりますが、それはこのシステムを採用したくなく、これは違法であるとの立場を表明しています。 既に起こっているのはテキサス州を含む南部と中西部のマスクやワクチンをしない自由を求める州で、過激なデモも見られる様です。

これをルール化(実際に施行)して市民とワーカーの安全確保が重要との立場で実行を開始したのは、ニューヨーク市の他サンフランシスコやニューオリンズなど幾つかの市に限定されています。  

今後これがどう変わって行くのかも、アップデートしていきます。


先回の下城NYニュースでも取り上げたアマゾンフレッシュが進めているコロナ後の安全な買い物についてですが、新店舗が開店する度に新しい事が起きているのが分かります。

写真は8月にワシントン郊外で開店した最新店ですが、駐車場には無料の電気自動車用充電設備が付いています。 

買い物の安全と共に環境に配慮する姿勢のアマゾンは多くのフレッシュ店の駐車場に無料充電器が備わっています。


約1年前にカリフォルニア州で第1店舗目のフルサイズのスーパーマーケットを開店させたアマゾンフレッシュですが、シカゴで4店舗を展開して首都ワシントンの周辺での展開に移っています。 実際には更にニューヨークに向かって北上しておりペンシルバニア州でも開店、もうニューヨークまで1時間半というところまで来ています。


「1、」 その首都ワシントンの市内で繁華街を控えたローガンスクエアの店舗では、コンビニタイプのアマゾンGOで採用されている「ジャスト・ウォークアウト」の買い物を実現させています。  これは前回も触れました。 アマゾンフレッシュのジャスト・ウォークアウト店はこのワシントン市内のローガンスクエア店と西海岸のワシントン州にある2店舗のみです。 現在工事中のニューヨーク郊外店もジャストウォークアウト店との予想です。 

アマゾンフレッシュのフルサイズの店舗は多くの場合3000平米を超えますが、街中型のローガンスクエア店では約700平米の売り場面積で扱い商品も絞り、コンビニ店とスーパーの中間の業態で街中に出し易い形をとっています。 扱い品目数は絞られ、精肉鮮魚、デリカや惣菜のサービスカウンターは無くプリパッケージ商品となり、大きなカスタマーサービスのカウンターもありません。 しかしコンビニとの明白な差は生鮮野菜果物の充実で、日々の生活で必要な食材は十分揃える事ができます。

ジャスト・ウォークアウトという店舗ではフルサイズ店の様なハイテクのダッシュカートは使われず、入店する時にアマゾンアプリを使って入店し、その際にシステムが会員のプロファイルと顔(多分体格も)認証し、買い物商品を選んで買い物袋か自身のバッグに入れて(又は手に持って)お店から出る時に自動的に買った分の精算が行われるシステムです。 選んだものは店内の至る所に設置されたカメラとスキャナー、そして棚に内蔵された秤を駆使して正確にお客が選んだものをリストアップしていきます。 気が変わって返したものは正確にマイナスされていきミスは殆ど無い様です。

天井に沢山のスキャナーとカメラが付いているのが分かりますか?

酒類の扱いもあり同様に自由に選ぶ事ができますが、アメリカで酒類を購入する場合は年齢確認が厳しくこのウォークアウトの店舗では酒類を選んだ人だけ出口を通過する時に年齢確認の為のライトがつきます。 出入口にいるスタッフが確認する事で支払いも終了です。


「2、」 アマゾンフレッシュの通常のフルサイズ店舗は現在約20店舗あり、多くは3000平米を超え全く普通のスーパーマーケットのサイズと使われ方が出来ます。 

既にシカゴで展開している店舗等を紹介してきました、ここではニューヨークから一番近いペンシルバニア州で開店したウォリントン店の写真で紹介します。

スーパーマーケットの平均的なサイズというのは地域とタイプによって様々ですが、通常でいうと4000~5000平米とされていて、郊外や地方のまとめ買いをする事が多いスーパーでは7000~10000平米の店舗もよく見ます。 ウォルマート等GMSでは25000平米の巨大な店もあり、アマゾンフレッシュの郊外店舗の平均が3000~3500平米なら平均に近い店舗サイズと言えます。

その特徴は何と言ってもアマゾン・ダッシュカートというハイテクカートが用意されていて、買い物が終わるまで人との接触が不要でレジ精算も不要という買い物スタイルです。  このカートには6個のライトがついていますがそれがスキャナーになっていて商品を入れた時にバーコードとイメージを読み取り商品と個数を特定します。

カートには秤が付いていて買ったものの重さを認識して、その商品の重さが合っているか個数も合っているかを確認します。 又、この時私はばら売りのぶどうをカートに入れましたが、その重さが1.44ポンドで価格は$5.75だという表示も出ています。 同時にその売り場近くのセール商品の宣伝が画面に上がってきています。

もう一つの特徴はアマゾンのプライム会員に対しては、アプリなどを使ったショッピングオーダーのデリバリー(基本的に2時間以内)と店舗でのピックアップは手数料が無料となっている事です。

ダッシュカートの大きさは通常のカートに比べても小さいのではないかという質問がありましたが、実際にまとめ買いが当たり前の当地の使い方を考えれば通常のカートより相当小さいです。 しかし事前に注文した商品のピックアップの手数料は無料なので、使い方として通常の重いもの大きいもの決まったものについては事前に発注して入店前に受け取る事で、ダッシュカートを使っての買い物の時には既にトランクに積み込んだ事になります。 

以下の写真はシカゴのフレッシュ店でのまとめ買いの積み込みです

店舗の横か前にピックアップ用のスペースが用意されていて、ピックアップのお客はそこに車を付けてアプリで到着を告げるとオーダー商品をノーコンタクトでトランクに積み込んでくれます。

そうする事で、店内で購入してカートで持ち歩く必要がなくなり、例えばトイレットペーパーやボトル水、洗剤などの大きく重いものは事前に積み込んでしまえます。 勿論全ての買い物をオーダーして積み込みも出来ますが、精肉鮮魚や総菜など見てから選んで買いたいものもあるでしょうからそういう使い方が非常に便利な買い方と言えます。

店内には精肉鮮魚のカウンターの他、ハムソーセージなどのデリカのコーナー、サンドイッチ、ピザ、スシなどのフードコーナー、そして大きくとったカスタマーサービスのカウンターがあります。 店舗によってイートインスペースのサイズは様々ですが、店内飲食やドリンクと休憩などができる十分なスペースがあります。

カスタマーサービスのカウンター横にはアマゾンロッカーがあり通販でオーダーしたものは早く確実にここで受け取れる事になります。 又万一の返品の場合は、試着したり足に合わせてみた上での返品でも箱や包装に関係なくこのカウンターで返品が出来ます。 アマゾン商品のPB商品や人気商品の一部も販売され、触って試して購入する事も出来ます。 カウンターの奥は広い作業スペースになっていて、アプリ発注の商品を準備するプレップと冷蔵冷凍を含む商品の保管スペースになっている様です。 店内各所にアレクサ(画面付きEcho)が配置されていて、売り場案内は勿論、レシピや商品の栄養分析情報、最新ニュースや天気予報等通常のアレクサ同様に使う事ができます。

アマゾンフレッシュの出店について少し細かい事を申し上げると、多くの店舗の立地は郊外のネイバーフットモールの中にあり、この数年のアマゾン効果の影響で、閉店した「トイザらスやキッザラス」「家電やコンピュータ関連チェーン」「シアーズ、JCペニー、Kマート等百貨店」「ベッドやバス関連、インテリア雑貨」等沢山の倒産や閉店した店舗の居抜きとして入店しています。 コロナ効果も加わって現在の商業不動産の状況はソフトですから、交渉の余地は広くあるはずです。

それらの店舗はキーテナントサイズで各々大きくて、多くは4000平米の2倍以上ある場合もあり、そこにアマゾンフレッシュが居抜きで入る事で広いバックスペース(カスタマーサービスの裏側のプレップと保管)を確保出来る事になります。 

又、この総菜バー写真の床、その他の写真の床を見て下さい、既存の床をそのまま修正して使って内装コストを削っているであろう事も想像出来ます。 安い家賃と内装費で店舗を増やしてお客が密集する地域でラストマイルの拠点をどんどん作っています。 店舗としての売上予測を高く設定するよりも、効率良く配送して外で稼ぎ出す手段を使います。 又この拠点は返品を受け取る機能があり、コロナ後に無料返品の受付を積極的に行っているアマゾンとしては、コストの掛かる返品手段(郵便局やUPS等)ではなく自社でカバー出来る自前の店舗での返品受付にシフト出来るのです。 これがアマゾン効果の一つであり、先に書いた沢山の倒産閉店の様な例がまだまだこれからも出る事で、アマゾンフレッシュの2000店舗構想が現実となってくるはずです。

アマゾンの強みが他にも見えるのですが、出店に関してはアマゾン効果で閉店した立地はアマゾンの潜在顧客がいると考えて差し支えありません。 ましてやアマゾン独自の顧客データその他を駆使する事で、プライム会員が多い地域である事を確認して、その会員の過去の買い物パターンから収入を割り出しフレッシュ商品の顧客になり得るかの判断も可能です。 何よりその顧客リストを生かすとそれまで他店で買い物をしていたアマゾン会員をフレッシュ店へ引き込む事が可能になります。

2000店舗体制となる時の事は分かりませんが、全米の、全世界の(日本を含む)どこの街に出店してもアマゾンの会員が多く購買意欲がある地域に出店していく為のデータがあり、その作戦が使えると想像します。 ちなみに傘下の健康志向で高価格帯のスーパーマーケットチェーンであるホールフーズは全米500店舗を超えています。

(平均的な家族のまとめ買いにおいて)調査を見ると、アマゾンフレッシュの価格設定では一般のスーパーマーケットより安く設定しているものの、安売りと言われるウォルマートやディープディスカウンターとは競合しない価格設定をしています。 

グラフに使われているJewel Osco はシカゴを中心に展開しているメジャーなスーパーで、どの街にもある一般のチェーンです。

アマゾンフレッシュの顧客は安売りのウォルマートやアルディの価格を意識せず、おそらく買い物に行く事も多くはないであろう事を考慮しての価格付けをしていると想像出来ます。

差別発言ではないですが、アマゾンフレッシュに来るお客とウォルマートでは明白に客層が違います。


「3、」 少し話しが飛びましたが、もう一つ今までになかったタイプのアマゾンフレッシュを紹介します。

8月25日に開店したばかりの最新店なのですが、首都ワシントン直近の郊外シェビーチェイスの店舗で電車の駅にも近い街中のフルサイズの店舗です。  基本的に郊外のネイバーフットモール等に出店しているフレッシュ店ですが、このメリーランド州のシェビーチェイスの街中は、東京でいうとイメージとして田園調布の様な優雅な街でアマゾンフレッシュ店のブロックにはティファニーもグッチも出店しています。 店舗の写真は後回しで街並みの写真を先にお見せします。

首都ワシントンはアメリカの首都ではありますが面積は小さく東京都23区の20%くらいしかありません。

人口は70万人程度ですから東京23区の970万人に比べて10%以下と人口も非常に少ないです。 そういう理由でワシントンに働く多くの政府関係やその下請け企業などで高収入の人は、環境が良く便利な郊外に住む事になります。 その一つがこの街と言えます。

この街でいつも困るのが駐車なのですが、アマゾンフレッシュでは30台程度の駐車スペースを持っていて更に付近の有料駐車場と契約し一定時間の駐車を無料にしています。 又、そこには2台分の電気自動車の充電器が用意されています。 更に店舗前には8台分程度のお客用のピックアップ駐車スペースも確保してあります。

この地域で専用駐車場付きのお店はほぼ無いと想像出来ますので、食品店としては絶対に必要な駐車場を確保した事は素晴らしいと思います。 街中の立地というのがこの店舗の最大の特徴ですが、街中だからこその難題が駐車スペースやトイレを含む売り場以外のスペースの確保だと想像出来ます。

トイレは同じビルの下の階になるので一度店舗を出る事になります。 手を洗うのではなく消毒という事なら店内のあちこちに消毒ジェルが用意され、店頭には無料のマスクも用意されています。

店内の総菜とサラダバー、デリーとサンドイッチ等朝食やランチ等に使う商品を買うお客用に「EXPRESS LANE」が用意されています。  これはオフィス街で働く人のランチ需要も見越したこの店舗独自のものと想像出来ます。

店内のダッシュカート置き場や接客販売コーナーも他のフレッシュ店と同様です。 ただし、ここメリーランド州では酒類の販売制限が厳しく食品店では酒類を扱う事が出来ず、この店舗でもビールを含む一切の飲料用のアルコール販売はありません。


店内の写真3枚で、入り口にスタンバイされているダッシュカートはアマゾンのアプリでQRコードを読み込ませる事で使え、店内の買い物では商品をカートに入れた時点で商品が画面に登録され最後に出口ゲートを出る事で精算されます。

ダッシュカートでバラ売りの商品を買う場合、バナナ等購入する個数を入力場合もあり、これは間違えを避ける為の手段の様です。 「バナナ1本=15セントで、何個ですか?」と聞いてきています。  この操作中はカートのスキャナーの色が変わるので分かりますが、迷っていると係りの人がヘルプに来ます。

ダッシュカート用のレジレス出口の他、全く通常と同じカートで買い物をして通常のレジで支払う事も出来るのがフルサイズのアマゾンフレッシュです。


この街はチェビーチェイスですが最寄りの電車駅はFRIENDSHIP HEIGHTSといいます。


アマゾンフレッシュはラストマイルのデリバリー拠点を作る意味でも店舗展開を強力に進めていますが、高収入層が多く購買力もあるこの首都ワシントン周辺には私が掴んでいるだけでも7〜8店舗のフレッシュ店が開店する様です。


ワシントン南側のバージニア州にはアマゾンの第二ヘッドクオーターの建築が進んでいて、現在数千人の新規雇用が進んでいるという事です。 さすがアマゾンの第二ヘッドクオーターで発表されている本社ビルはこんな形です。

又ニュースではデリバリー拠点の一つとしてワシントンの南側のバージニア州内にロボットを導入した宅配用の配送センターを建築中で、ワシントンの食品デリバリービジネスにおいてドミナントさせる計画が見えています。

そして並行して、フレッシュの配送拠点にはなりませんが同時に進めているのはアマゾンの実店舗の展開です。

アマゾン通販の最初の扱い商品を覚えておられますか? 書籍とCDやDVDの音楽映像関連商品でした。 それらは店舗で見て確かめて買うのではなく、誰の何と言う作品が欲しいという事で価格を比較して通販購入出来、街中の大小の書店を閉店させ、大手を含むミュージック店を倒産させました。 そしておもちゃ屋さん、パソコンや黒モノ家電、総合家電店、アパレル店、ベッドリネンにカーテン等のインテリア雑貨、それらを通販で安く早く届けてきたのです。

「4」 そして今アマゾンが実店舗を出店しているのは、そのブックストアであり、ハイテク商品や雑貨の店舗です。

これらの全ての実店舗が、先に触れた返品したいお客から箱無しの商品を受け取り返金する拠点にもなっています。

いずれも店舗面積は限定で扱い品目は書籍や雑貨が中心ですが、アマゾンの通販で人気の商品を集めているのが特徴です。 

アマゾンで商品を購入するとその数日後にアンケートが届く事があるのをご存知でしょうか? そのアンケートは気に入った商品の事を書く事も出来ますが、気に入りの度合いを星マークの数で表す様になっています。 

「4」 このアマゾン4STARの店舗ではお客が4スター以上と評価した商品を、キッチン、子供用、ハイテク、女性用、男性用等とカテゴリ分けした上で売り場を作って見て触ってその場で買えるショップとなっています。 

アマゾンが次に出店する実店舗は何だと思いますか?

閉店や倒産したブックストアや雑貨の店舗は、アマゾン版のブックとアマゾン4スターで出店させました、多くのスーパーマーケットも閉店していきましたが、その実店舗としてアマゾンフレッシュを展開させています。


「5」 シアーズを含む多くの百貨店を閉店させ倒産させましたが、アマゾンは今度はその百貨店の実店舗を出店させるべくカリフォルニア州とアメリカ中央部のオハイオ州で新店舗を着工しています。

アマゾンだけでなく小売業の最新ニュースが沢山ありそれぞれにコロナ中に何をすべきで、その後に何をするかと作戦を使っている様で、アメリカでは何が起きているのか、今後もアップデートして参ります。

引続きアメリカでもデルタ株やその次の変異株が発生し脅威になっていますが、ここまでのところニューヨーク州は対応に健闘しており主要な州の中で、最初のコロナ終息宣言を出せる州になりそうな気配です。

ニューヨーク市で今週から始まったワクチンパスポートのシステムが成功して、ニューヨーカー自身とニューヨークに来る旅行者が安全に過ごせる様になると願うところです。

最新情報を含めた「2021年の小売業オンラインセミナー」用にパワーポイント資料を用意しております。

東京オリンピック・パラリンピックが終了した後でオンラインのセミナーを開催したく準備します。セミナーは約1時間で、カバーしますのは:

*1年半のニューヨークで起きた事(パンデミックとBLM暴動の影響も含)

 コロナ対応で店舗側がしてきた事、お客の購買動向が変化した事

*各チェーンにおけるコンタクトレスの取り組み

  ステイホームの為にアプリを使って買い物、デリバリー、店頭引き取り

*アマゾン・フレッシュの実店舗(シカゴ、ワシントン、ペンシルバニア郊外)

*ショップライト(先月号の郊外型大型SM)

*アルディとリドル(ドイツ発のボックスストアチェーンの展開)

等を予定しています。

下城NYニュースではアメリカのスーパーマーケットと小売業の情報発信として、オンラインのウェブセミナーを行っております。  

是非この視察研修プログラムで最新情報をキャッチして、アメリカの優良企業を目の当たりに接し、体験する事で、愛社精神と人間力を培って、この業界をリードするトップになって頂ける事、又、参加されるスタッフさんの感動を引出す事は間違いありません。

セミナー詳細など後日ウェブサイトにてご案内致します、ご興味のある方は下城までご連絡下さい。                                                           

チャーリー下城NYC■ 09/16/2021

https://ny-news.amebaownd.com/


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SHIMOJO NEW YORK NEWS

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