下城NYニュース、01-'22(NRFビッグショー)
下城NY・ニュース、2022年01月
コロナもどんどん変異して、発生から2年経ったこの冬はオミクロンの蔓延で一気に再拡大した2022年1月ですが、そんな中でも全米最大の小売業のコンベンションがあり取材をしておりました。
ニューヨークの1月中旬といえば、日本なら青森県か秋田県ほどの緯度ですから当然寒いし雪も降る、写真の撮り方が悪いのではなくてやっぱり暗くて寒いジャビッツ・コンベンションセンターです。
初日は快晴だったけど気温はマイナス12℃、その日の夜から雪が降り2日目は真っ白雪模様とニューヨークらしい天候に見舞われました。
最新ニュースとして22年の1月号を書き始めましたが、「どうしてもどうしても」手放せない状況になってしまい、下城NYニュースの1月号の発行を遅らせなければいけない事になってしまいました。
3月初旬のビッグサイトで行われる「リテールテックJAPAN」も予定通り開催されるとの事、そちらでニューヨークの情報が流れる事と思います。
私が書いているこのまんまの事が見られるかも知れません。
富士通さんのリテールテックJAPAN用の動画番組を作り、期間限定でその番組でお話ししています。
このブログと一部重複しますが、少し違う視点でお話ししています。(登録が必要です)
気を取り直して、その「全米小売業協会(NRF)ビッグショー」で行われていた最新情報をお伝えします。
「ACCELERATE=加速する」というのが今回のショーのテーマでした。
アメリカでは2020年初頭に発生した新型コロナの影響で市民生活には大きな影響が出ました。
心理的には、私を含めた多くのアメリカの人たちの生活は「ブレーキを踏んでストップ」してしまいました。
しかし小売業はストップするどころか、早朝から買い物に行ったり買いだめをしたりどんどん変化を迫られ、毎日発表される政府報道や制限・規制に振り回され、小売店はそれに対応してどんどん変化していきました。
途中でデルタやらの変異株で感染数値に波があり、市民生活も対応するエッセンシャルビジネスもワーカーも変化を迫られ、しかし、それを乗り越えて小売業を「加速させる」、というのが主催者のこのテーマの意図だと想像出来ます。
今回日本から多くの参加者を予定しておりましたが、折からのオミクロン感染拡大で各社急遽参加中止となりました。
ニュ−ヨークでは2020年3月01日に私の住む地域の隣町で最初の感染者報告があり、それが教会での集会を原因としたクラスターとなり、結果、全米最初のクラスターでその後世界最大のコロナ感染地域にもなってしまいました。
それを打開する為に、ニューヨークでは州をあげての対策を講じ、数ヶ月後には全米でトップクラスの感染をコントロール出来た街に戻す事が出来ました。
という事で、小売業にとってどんなアクセレレート=加速が出来るのか、ニューヨークのコンベンションセンターから発信します。
毎年入場手続きで大混雑する会場入り口は、今年はユルユル、そしてその一角(一番右側の黄色)にアマゾンのPOP-UP店が出ているのが見えますか?
出口(精算口)の方が見えてます。
そう、全米に展開する予定というこのアマゾンGOのレジレス店ですが、実際の店舗展開はまだまだ地域限定で全米25店舗程度の状態なので、小売業のプロが何万人も集まるはずのこの会場にPOP-UP店舗を作って体験してもらう魂胆です。
今回のコンベンションは参加者も出展企業も少しすくなめにはなりましたが、1万5千人程度の参加者になったと発表され、参加者皆さんの目に止まった事でしょう。
アマゾンGOに類似のシステムは、他社から世界中に出回っていますが、アマゾンGOのシステムそのものが企業向けに販売されていて、このショーもその販売機会でもありますから。 「コンタクトレスの実体験」の一つが入り口にあったという事です。
ニューヨークのビジネス街ではコロナの為にオフィス街がステイホームで無人化した地域もありましたので、展開が遅れましたが現在6〜7店舗のアマゾンGOがあり、ビール等のリカーを扱う店やスターバックスとコラボしてコーヒーや軽食を買える店舗もあります。 この写真の店舗はダウンタウンにあるアマゾンGOのNY一号店です。
写真では緑色のバーが入り口でアプリ確認していて、赤い方は出口です。
買い物客は入り口でアマゾンアプリのQRコードを読み込ませて入店しますが、その際にQRコードと顔認証を紐付けて、店内の買い物中にもカメラとスキャナーで買い物客が選ぶ商品を確認しアプリ上のカゴに入れておき、買い物終了後に店から出た時点で買ったものの代金がセットした支払い方法にチャージされます。
そのアマゾンGOのシステムを買ってコンビニ店として運営している例がニューヨークの空港にもあります。
ラガーディア空港ですが、他の空港にも入っていて、この場合はアマゾンではないので入店と支払いは入店時に確認するクレジットカードとなっています。 それはこのショーで作ってあったPOP-UP店舗でも同様でした。 この写真は今週発表されたニュースの紙面で、ラガーディア空港のWHSmithコンビニ店でアマゾンのシステム「Just Walk Out」を採用して開店した、というものです。
使われているハイテクのカメラはスキャナーと共にA-Iと組み合わされ、売り場の棚には重さを計る秤が付いていて、どのお客が何を何個取ったのかが分かる様になっています。 これがアマゾンGOの原理です。
アマゾンには通常のスーパーマーケットの形をして食品店同様の商品を売るアマゾンFreshという実店舗もあります。
アマゾンはアプリでスーパーにて買い物をする時と全く同様、食品や日用雑貨品をオーダーしてデリバリーして貰う事が出来ます。 またその商品を揃えてパック詰めしておいて貰い、お客自身がそれを店頭で受取る事も出来ます。
コロナ発生以前にショッピングの仕方で取り沙汰されていたお店の営業時間ですが、アメリカのスーパーでは24時間営業も多かったし早朝6時に開店して朝ごはんを提供し、夜も10時か11時頃まで営業する事で遅いシフトの方も買い物が出来る様にと言われました。
コロナ後の今はアプリを使っていつでもどこからでも買い物をし、商品は2時間後に届くなどが普通になっており、これはご存知の方が多いと思いますが「オムニチャンネル・マーケティング」とも呼んでいます。
コロナが発生して人との接触を最小限にしたいと考えた場合に、最も有効なコンタクトレスが色々な形で実践されています。
またアマゾンフレッシュで使われているのはダッシュカートというスマートカートで、日本でも使われている多くのスマートカートを更に高性能化させて、買いたい商品を選んだらカートに入れるだけ、バーコードを読み込む必要はありません。
アマゾンの新店舗の事はすでに数回書きましたが、それに続くスマートカートは今回の大会にも何社かから出ておりましたが多くはタブレットやスキャナーを使ってバーコードを読み取るという、「レジ精算が不要になる」システムでした。
中にはCaper社で出しているバーコード読み取りが不要のカートもあり、これはニューヨーク市内のマーケットチェーンでも実際にそれを実用しています。
この緑色のカートがアマゾンのダッシュカートで、スクリーンが手前に付いておりその右側に四角い(黒い)スキャナーが付いています。 これでお客のスマホアプリのQRコードを読み取ってカートの使用が準備されます。
カートのカゴの淵に四角い白いライトが3つ見えますが、これはバーコードとイメージ画像を読み取るスキャナーでこれは各カートに全部で6個、そしてそのカートには重さを計る秤が付いています。
お客が商品を入れる度にこれが商品を読み取って秤が重さを確認して、個数まで正確に認識して加算していきます。
フルーツや野菜で重さ売りの商品の場合は、まずバーコードで商品を把握した上でカゴに入ったその商品の個別の重さを測って手元の画面上で表示します。
万一不明等が出た時はカートの白いライトがオレンジ色に変わって点滅し係員がヘルプに来てくれます。
買い物中には全ての買い物情報が画面で確認でき、買い物が終わったらダッシュカート専用の出口から出る事でそこに表示される最終金額がアプリでセットした支払い方法にチャージされます。
このシステムはスマートカートでレジ精算のレイバーを省略するだけではなく、データを収集してそれを運営に使う、カレンダーを見て曜日や祝日、天候予測を判断して発注する事で在庫を調整する等大きな役割も持っています。
ちなみに最新のニュースでは、このJ.W.O.のシステムは首都ワシントンで2月23日に開店したホールフーズ・マーケットにて採用されました。
ホールフーズはアマゾン傘下なので、色々な面で技術や情報が共有されています。
天井に設置されている沢山のカメラやスキャナーが見えますか?
店舗入り口で入店の際にアマゾンアプリを確認してゲートを入る時に本人画像(顔と体格のイメージ認証)を撮ってありその人が選んだ商品を追跡しているのです。
精算ミスの有無や万引きの可否とかあるでしょう、でもアメリカ式はそういう細かい事を言うのではなく技術推進を優先させて、ミスが起きたらその都度修正すればいい事なのです。
ミスや失敗の追求をしてるから、イノベーションが出来ない国になってるとしたら、ネガティブ過ぎると思いませんか?
ビッグデータとは別に、各店舗で独自に集めるデータは、食品スーパーの在庫を調整して品切れをしない在庫を持つというのは勿論、在庫過多でロスが出る事を防ぐ等がハイテクを駆使する重要な理由です。
ショーに出展していたスマートカートの一部ですが、Caper社はブースがあったものの出展は辞退した様でした。
これはニューヨーク市内クイーンズ地区で「Caper社のスマートカートが」実際に使われている店舗の模様です。
ここの経営者と私は良いコネがあるので、タイミングや条件が合えばこの店舗訪問アポも可能かも知れません。
多くはカートにタブレットを追加した様な形です。
日本でも最近こういう形は目にすると思います。
新型コロナの発生で買い物の仕方が大きく変わり、如何に人に接する事なく買い物をするのかが重要になりました。
先に述べたスーパーマーケットの買い物の場合は、多くの場合いつも買っているので分かっている日常の商品を揃えて貰って受取るという事ですが、アパレルや洋服、それに付随する商品ではどうでしょうか?
やはり「見て試して買いたいですよね」、と言っていたのは2019年までの話しです。
過去数年間のこのショーでもVRを使った売り方の展示はありましたが、今回はすでに実用しているケースの展示とセールスでした。
並行してこの2年間でSDG’sという考え方が一気に進み、環境配慮する事が重要な課題になりました。 食品の分野でも全ての商品において、環境に配慮して作る事とロスを出さない事など非常に重要になりました。
2年間の進化はその考え方が世界中で広まった事、それに対応するシステムも開発され性能の充実や使う範囲が広がった事もありそうです。
ロスの話しをするならば、アパレル等でも食品と同様に如何にしてロスや廃棄を出さないかという課題があります。
売り場内の顧客の動き、顧客の買い物ヒストリー等データを駆使する事で店舗の在庫を調整するのは勿論、生産量を算出する事が重要だし、顧客のディマンドを読み取って素早い生産も出来る事になり売れ残りの処分を出さない事が重要なのです。
その分野はA-Iカメラを使って売り場の中の色々な部分に使われています。
A-I先進国のイスラエルからの進出企業は多く、このSELECTIKAもその一つ。
店頭に置くタブレットでも自宅でアプリを使っても同じ事が出来るのですが、お客自身の体の特徴やサイズを入れ、洋服の好みや色を入力するとそのブランドのサイトから商品を選び出し同時にマッチ出来る商品やアクセサリーを選び出し、商品を全てモデルに着せて表示させます。 実際にこのシステムを採用した企業は好みの商品がセットで売れる事で売上げを伸ばし、サイズまで入った事で購入後のサイズ関連の返品率も下がったとの事です。
WAIR社は店頭でVRを使い、お客が入力する情報をA-!が処理して商品を選ぶシステムを展示しました。
お客が欲しいと思う任意の商品に一番近いか関連のある契約ブランドの商品を選び出してセールスに結びつけます。 新規スタートアップ企業のエリアに出展ですが、すでに実用化して契約企業があるそうです。
こんな宣伝がGoogleや facebookによく登場します。
今回のこのショーと直接の関係はないのですが、先に出ましたオムニチャンネル・マーケティングに関して、日米で考え方に違いがある様なのでちょっと触れさせて下さい。
オムニチャンネルという言葉や考え方は日本でも10年程前から名前が先行して各社や専門家さんがこぞって話していました。
でも違うんですよ。
英語を日本語に訳そうとしても訳せない場合があると思って頂いた方がいいです。
先に書きました「いつでもどこからでも買い物が出来る」ってのは、オムニチャンネルの一部なのです。
あくまでも一つの例なのですが、
アメリカで考えられている「オムニチャンネルの仕組み」は、単なる発注や流通だけでなく、一つの商品をどうやって売るかを究めて小売業もお客もハッピーになって、ついでに周りの人達も皆ハッピーになるっていう流れです。
文字が小さくてすみませんが、買い物の動きについてこんなイラストがあったので見て下さい。
私が半分作っているシナリオなので、このイラストのままではないです。(そのお客っていうのは私と思って下さい)
*真上のスマホ(時計の12時)ですが、私は仕事の途中でカッコイイGパンの宣伝を見付け、後で調べようとその写真を撮り仕事の休憩時間にネットで商品を見付けて、買おうとしたものの時間切れ、帰ってから家で続きをやります。
*次パソコンと家ですが、家に帰るまでの間にGパンのウェブサイトから空かさず宣伝のメイルが届きました。 オンラインで買うのも良しですが、ちょうど近くに店があり翌日試着したいので店舗に出向きました。(時計の3時)
*試着をして商品を決めたものの、長さなどサイズの在庫が無く翌日ピックアップする事になり支払いも済ませました。 その際にお客の名前、支払いのカード情報、おまけに店内に付いているカメラで顔写真(体格も)が店舗のデータに載っています。 そんな店内用のハイテクカメラが沢山出展していました。(ここ重要)
*翌日お客が商品を取りに来た時には、店員スタッフは前出のデータが入店したお客を認識して名前まで表示して、「やあチャーリーさん、出来上がってますよ!」とオーダーした商品を渡し、ファッションに関するネタで話しを進め他の商品をセールス出来ます。 マッチするシャツをセールスし試着しました。(時計の6時)
*シャツが欲しい、でもサイズの在庫が無いので即日又は翌日無料ロッカーデリバリーのオプションも話し、購入。
*数時間後かその日の終わりにロッカーに届き、それがメイルで通知され商品を取りに行き、受取り。(時計の9時)
*私は欲しかったGパンに加えてそれにマッチするシャツも即日手に入れた事で気分が高揚、嬉しさと、自慢したい為にfacebook とかInstagramに写真を載せ体験談を書いたとします。(時計の10時か11時)
*ということで、オンラインで買い物をしてハッピーになった私は、SNSともだち数百人と無数の読者に対して口コミ宣伝をした事になります。 他にもイベントを組む事も、勿論オムニチャンネル・マーケティングの重要な一部です。
お客との接点や何かのアプローチ全てが販売につながる行動であって、その全てがオムニチャンネルマーケティングの一部なのです。
こういうセールス行為を如何にスムーズに進める事が出来るかというのが「フリクションレスの小売業」という事になります。
皆さんの会社ではこういう事をする為の教育を受けさせて、お客に対して対応出来る販売員を育てておられますか?
やってない???
出来ないんですか、、、だったらコロナが終わったらすぐ、「ニューヨークでの研修プログラム」に参加して下さい。
如何に効率よくビジネスを回すか、目で確かめて体験して貰う事が出来ます。
アメリカの小売業ではアップルなど(日本でもたぶん同じ)のテクニカル系のお店は勿論、例えばNIKEとか若者の店等の店員がそれです。
スーパーマーケットでも行われていて、お客からの質問に対してカスタマーサービスへ回すのでは無く、スタッフ自身が知識を持って商品を説明しレシピを教え、問題にも対処していくのです。 ホールフーズやトレーダージョーズなどではそういうスタッフが多く見られます。
出展企業の中には、ピカチュウの様なARを使った宝さがしのゲームを使ってお客を集めるシステムを作る企業もありました。
小売店の店内外、モールや商業施設の中でスマホを使ってキャラクターや何かを探し、得点によって商品が貰えるなどのセッティングをしてお客の滞店時間を伸ばして売上げを伸ばす事が可能です。
店内監視カメラにもスキルがあり、固定カメラでフロアに液体がこぼれたなど食品店で事故に繋がるトラブルを避ける事ができます。 綺麗な店内、館内というのは非常に重要で、綺麗に保つためのコストが掛かります。
セキュリティーカメラ機能と同時に溢れた液体を知らせるというものです。
無人で障害物を避けて清掃作業をする走行型のロボットも、在庫管理スキャナーと一体になったマルチタスク型の製品も出ています。
アパートの空室でこのアプリを使うと、A-IとVRを使ってお客の好みに合った家具やインテリを入れた状態で見る事が出来ます。
配送センターやスーパーマーケット関連のオートメーションは、ピンからキリまで出ているという程でした。
それでも今回は全体の30%かそれ以上の出展がキャンセルされていたとの事ですから、本来だったらこのコロナがあった2年間の機械化や進歩は全て見ておきたかったです。
コロナの影響を受けて、多くの消費者が買い物へ行かずデリバリーを使ったこの2年間ですから、この分野の進展があり、もっと出るかと期待した割に配送センターやマイクロフルフィルメントセンターで使う組立て型ロボットは一社でした。
出展していたこのオートストア社はノルウェーの企業ですが、この分野はヨーロッパが先進であり、アメリカの多くのスーパーマーケットや小売業の配送センターでも採用しています。 これはオートストア社製品で日本にも進出して(株)オカムラが取扱っています。
実際にMFCの一部をここに組み立ててあり、中のロボットが縦横に動いて更に上下に動く事で商品をピックアップしてきます。
スーパーマーケットの平均的なオンラインオーダーを揃える為に人が作業すると平均45分掛かるところ、このロボットは約7分で出来るそうです。
倉庫で使うロボットで代表的な形は、建築物の中にこの骨組みを組み立てて線路を作り、数社から出ているロボットとソフトウエアを組み合わせる事で自在に動き効率よく商品を揃えていくという仕組みです。
アマゾンをはじめとする通販大手や大手スーパーマーケット等の大きな配送センターは勿論、アメリカではスーパーマーケットやGMSの店舗に隣接して小型の設備を併設するタイプがあり、マイクロフルフィルメントセンター(又はMFC)と呼んでいます。
実際に以下の様な例が見られます。
上はスーパーマーケットのBig Y、
こちらはウォルマートで、これらは実際に東海岸側に建築され実用されていて、2店舗とも右側部分を延長して、MFCを組み入れた部分です。
ウォルマートのMFC側にはカーブサイドピックアップ用の駐車場が並んでいます。
倉庫で使うオートメーションには色々な種類があり、設備に費用と時間が掛かる上記の様なMFC以外にも、既存の倉庫に追加出来るベルトコンベアー式や自走式のロボットもあります。
各々の特徴や利点があります。
仕分けの作業をするだけでなく、データを入力したり収集して必要な処理していき在庫管理や発注を指示出来ます。
自動掃除機のルンバを大きくした様な製品があり、これはご覧の様な棚全部やパレットの様なものを下から持ち上げて運ぶ装置です。
機種によっては1トン以上の重さを持ち上げることから、無人のフォークリストの様な使い方が可能になります。
日本では配膳に使われるサービス・デリバリーロボットや、コーヒーロボットも出展していました。
倉庫や配送センターから、消費者に直接接する小売店やスーパーマーケットへは配送車が使われますが、このショーに展示はなかったものの、今後はEVの大型トレーラートラックがどんどん出てくるし中型の配送車も当然そうなります。
すでに実用されているのがウォルマートで採用されているGatik社の無人配送車です。
これの使われ方は、例えばお客がウォルマートのアプリによって入力したオーダーが配送センターに入り、配送センターではロボットによるMFCでそのオーダーを準備してお客に渡す状態にパックしてこのトラックに積み込みます。
このトラックは配送センターから、決められた店舗に向かって、ほぼ決められたマップルートに沿って無人で走ります。
受け取った店舗では手を掛ける事なくお客に渡す事ができ、そのオーダーがデリバリーを希望するものであれば店舗からデリバリーを出します。
アメリカではテスラなど自動運転装置が認可されている事から、現在は数州のみで許可されている無人運用の認可も、ルートが決まった商業運航である場合の認可も各州で出やすいと期待されています。
次にその店舗から各家庭へのデリバリーですが、現在ウォルマートは通常の2時間デリバリーに加えてインホームデリバリーをやっています。
これは事前にお客の家のドアにスマートキーという配達員も開錠出来る装置を付けておいてデリバリーするもので、常温商品はもちろん、冷蔵品や冷凍品も、指定の冷蔵庫・冷凍庫へ入れていくというサービスです。 その為に3000人の専用スタッフを雇い、専用のEV配送車を用意して2022年内に3千万世帯へのデリバリーを可能にすると発表しました。
更には、スーパーマーケットやGMSで実用が始まった無人の宅配車両も出ていました。
色々なサイズと形が実用で使われていますが、上記はカリフォルニアのスーパーです。
大きさも用途も様々出ており、冷蔵装置が付いたスーパーマーケット用や保温が付いた空港のカフェ用などもあり、空港の待合席等でも座ったままでスマホからオーダーし、無人カーが届けるという事で、各々既に実用されています。
アプリで呼ぶ無人の移動販売車「ロボマート」が出展していました。
カリフォルニア州の会社ですが現在アメリカ内の数州のみで認可されていてそこで実用されています。
メンバーはアプリを使ってオンディマンドで呼ぶ事で、無人販売車が数分で来てくれる様になります。
商品が欲しい時に買い物に行くのではなく、その商品を持った販売車が来てくれるのです。
現時点での扱い商品はスナック菓子やドリンクと一部の医薬品ですが、2022年内に冷凍のアイスクリームとホットのファーストフード商品を扱う様になるそうです。
ここニューヨークでは新型コロナが終息した後も、オンラインオーダーとデリバリーの便利さを体験した多くの消費者の買い物動向は現在のオンライン+デリバリーが残ると想像され、街の混雑状況や人の動きを考えると上記の様な無人電気宅配車両はあまり現実味がありません。
しかし電動の配送車両の必要性は非常に高くそういう需要の為の電気牽引車両が出ていました。 イノベーション・エリアに出展で、確かにこれはコロナが生んだ製品なのだろうと思わされました。
アメリカの買い物事情の中で郊外や地方で多く見られるのが、アプリでオーダーした商品をお客自身がピックアップするカーブサイドピックアップで、デリバリーと共に非常に多く使われる買い物の仕方になっています。
ここでもコンタクトレスは今後も必要になるもので、受渡し方法の一つとしてデジタルロッカーは色々な形で使われる様になると考えられます。
先ほどの配送センターのMFCと同様でこの分野もヨーロッパで多く使われています。 アメリカではあまり使われない理由は明白で、概してこの広いアメリカではスーパーマーケットに付く大きな駐車場で、ゆったりとした受け渡しスペースが作れ、そこで大量のまとめ買い商品を車に詰め込むのが普通だからです。
しかし都市部ではそれが不可能であり、ヨーロッパや日本の様に小さな買い物を手で持てる程に買い、家に持ち帰るという買い物習慣です。
そんな時に役立つのがこのデジタルロッカーで、これは実際にカルフールなどでも使っており、一例として約8畳分の広さで高さ2.5Mのこのロッカーを入れると約100個の荷物を処理出来るそうです。
セッティイングを変えてサイズを伸ばす事で大型スーパーでも効率よく買い物のお渡しを処理出来るというシステムです。
これはポーランドの企業が出展していました。
アメリカではこのデジタルロッカーはヨーロッパの様にはならず、デリバリーとピックアップが中心になると考えます。
その理由は先に述べた郊外や地方では駐車場が広い事と、まとめ買いの量が半端ではなくこんな風になるのです。
私の友人宅では子供3人と夫婦の5人家族で地方に住んでいます。
通常二週に一度くらいで買い物に行くと買い物総額が$1000〜$1500になるそうです。 これがアメリカなのです。
人によっては自分で買い物をせず、アプリでオーダーしてロボットに揃えてもらってピックアップだけに行きたくなる量だというのが分かります。 地方には通常のスーパーを閉鎖してデリバリー拠点とピックアップ専用店にしている場合もあります。 例えばこの写真はオハイオ州のクローガーのピックアップ専用店(ダークストア)です。
沢山のソフトウエアとデータ処理、アプリ用のプラットフォームを組む企業のブースが出展していました。
この2年間は全米のどの地域でも多くの食品店やスーパーがオンラインでのビジネスを始め、セールや宣伝だけでなくショッピングの全てをウェブサイトやスマホでする様になりました。
その為にはプラットフォーム(ソフトウエア)が必要なのです。
このページはターゲットのウェブサイトの最初のページです。
「ピックアップですか、それともデリバリーですか、店内で買い物する為のショッピングリストを作りますか?」、と聞いています。
その下では、その時の曜日やホリデー、天候を計算して今週のセールやシーズナルのページに誘導する事ができます。
先に述べたアマゾン・フレッシュのダッシュカートは小さめに出来ていて、大きな買い物には向きません。
そこで多くのお客は、いつも同じの定番のかさ張る物や重い買い物であるトイレットペーパーやキッチンペーパー、ボトル水や洗剤その他の物はアプリでオーダーして店頭でピックアップし、残りの生鮮の買い物等だけを店内で行うというミックスの買い物の仕方をします。 コロナ後の買い物はお客の動向をよく見て考えていかなければいけません。
ちなみにこれはコロナ後のコストコでのまとめ買い(特にボトル水と紙製品)風景です。
日本から出展の大手企業もあり、東芝やNEC等、金銭処理機のグローリー等も出ていました。
これはNECのブースで、売り場のシェルフモニターで正常の在庫数と発注する数を把握してデータ化する。 リモートサポートシステムはカメラとマイクが一体になった装置で、遠隔地でのトラブル発生時に臨時の処理を指示する様な場合に役立つディバイスです。 またイメージ読み取り精算機等が出展されていました。
小売業関連のブースでは画像認証を使ったコンビニやファーストフードなどのキャッシュレスレジや現金も受取るクイックレジがありました。
アマゾンGOを簡易化させた画像認証ストアもこれからどんどん出るはずです。
長くなって済みません。
沢山の写真をお見せしたいので、それはウェブサイトの方に掲載しておきます。
世界各国ではコロナ関連の移動制限を緩めている傾向にある様で、イギリスなどはそれを実行に映しています。
ニューヨークに関しては、日本でかけている入国制限が緩和される事で日米二国間の行き来は一気に回復するだろうと感じています。 今回コロナが収まっていたら来たよとおっしゃる多くの皆さんの声をお聞きしました。
いっときも早くそういう事になる様に願うばかりです。
アメリカの最新情報を含めた「2021〜22年の小売業オンラインセミナー」、「NRF 2022のハイライト」用にパワーポイント資料を用意しております。
この2つのトピックを中心に、オンラインのセミナーを開催したく準備します。
セミナーは約1時間で、カバーしますのは:
*2年間のニューヨークで起きた事(パンデミックとBLM暴動の影響も含)
コロナ対応で店舗側がしてきた事、お客の購買動向が変化した事
*各チェーンにおけるコンタクトレス、ハイテクを使った店舗運営の取り組み
ステイホームの為にアプリを使って買い物、デリバリー、店頭引取り
*アマゾン・フレッシュの実店舗(シカゴ、ワシントン、ペンシルバニア郊外)
*スーパーマーケット・チェーンによるスモールフォーマット展開
*アルディとリドル(ドイツ発のボックスストアチェーンの展開)
等を予定しています。
下城NYニュースではアメリカのスーパーマーケットと小売業の情報発信として、オンラインのウェブセミナーを行っております。 是非この視察研修プログラムで最新情報をキャッチして、アメリカの優良企業を目の当たりに接し、体験する事で、愛社精神と人間力を培って、この業界をリードするトップになって頂ける事、又、参加されるスタッフさんの感動を引出す事は間違いありません。
このニュースレターに沿った情報のフォロアップと最新情報をお伝えしたくオンラインミーティングを開きたく考えております。
ミーティングとセミナー詳細など後日ウェブサイトにてご案内致します、ご興味のある方は下城までご連絡下さい。
By Charlie Chikao Shimojo -NY @NPPA
チャーリー下城NYC■ 01/31/2022
https://ny-news.amebaownd.com/
ューヨークでは毎日の様に新しい動きがあったり情報が入ったりします、ニューヨークの小売業と外食産業の動くを頻繁にアップ致します。
これからもニューヨークの最新の状況と情報をこのブログにて発信しますので、是非このサイトを「+フォロー」等登録なさって下さい。
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