ニューヨークは今、3月14日(15分デリバー)

ニューヨークの消費者は買い物の仕方が変わって、小売業もそれに対応しどんどん進化している事は、アマゾンフレッシュを含めて多くのスーパーで行われている事等を例に、何度も書きました。

アマゾンGOやフレッシュはコロナ前から始まっていて、その基盤が出来たところでパンデミックが来たわけですから、即対応が出来たと言えます。

多くのスーパーは自社で出来ない事は外部のベンダーやプラットフォームを使い、デリバリーではインスタカートなどの企業と提携して対応しました。


形も様々で、大手が手を出さない街中の密集した地域では、チャンスと見た新規参入の地元の企業や海外からもチェーンが参入してきて

『大手に挑戦していましたが、ここにきて一気に倒産の波が押し寄せてます』

この倒産の裏を見ると、ロシアのウクライナ侵攻の今を取り巻く問題が絡んでいるのです。

このビジネスに投資をするはずだったアメリカの大手デリバリー企業が手を引いた事が最大の要因の様で、今この時にロシアがらみでのリスクを負いたくないのでしょう。

また直接投資をしていた『ロシアの財閥=オリガルヒ』の資金が凍結されて、資金面と人的反発?が原因なのかも知れません。

ロシアだけじゃなくて、目が眩んで中国ビジネスなど盛んだったけど、あの辺のカントリーリスクを考えないと全てを失いますから。 今既に世界の企業がロシアから手を引いて、対抗して、それならその資産は全て没収とか言ってますよね?  リスク以外の何物でもないです。

その『15分でグロサリーのデリバリー』(写真下)

といって宅配するのは1〜2キロの商圏で15分以内ですから、使うのは自転車かスクーターでの宅配でした。

パンデミック発生から少し遅れた2021年始め頃から、ニューヨークを含むアメリカの大都市、中都市の都市部では、さらに違った買い物が行われていて街中に小型倉庫から数キロの範囲だけを商圏とした「ウルトラークイック」とも呼ばれる15分配達のマーケットが一気に始まっておりました。

スタッフの多くは外国人労働者の様でした

企業名はあまり知られませんが、その理由は地元の口コミが大きな宣伝になるから宣伝は地域的なものだけなのかもしれません。

*「Fridge No More」、意味は、冷蔵庫は要りません

*「Jork」

*「Gorillas」

*「Buyk」

*「Go Puff」

などのブランド名で、

ほとんどがコロナで撤退した空き店舗でのスタートアップなので、街中のどこにでもある典型的な店舗用の150平米から250平米程度。(ニューヨークの特徴は細長いうなぎの寝床です)

完全な倉庫型の、内外装も一切無い店からから、

一応店舗の様になってはいて、お客が入店して買い物も出来る場合もありました。

英文ですが、CNNのニュースのリンクです。 

https://www.cnn.com/2022/03/11/tech/ultra-fast-delivery-startups-fridge-no-more-buyk/index.html


今全米では大手スーパーやウォルマートなどの総合小売業、アマゾン等がフレッシュ食品の宅配をやっていて即日配達から2時間以内など、素早い配送に力を入れています。

MFC(ロボット装備の倉庫)や無人の配送車、最後の宅配のラストマイルは無人の電気配送ロボットを実用しています。

そんな中で、「差別化が15分配達という便利さ」になると、小品目の少額商品の買い物なら価格はあまり関係なく、今すぐ必要なものを、自分が店へ出向くのではなく持って来て貰う、という需要があったわけです。

しかしこの15分ビジネスは続かないと先回のNRFビッグショーでも話題に上がっており、

https://ny-news.amebaownd.com/posts/32517300

セミナーではロボットの製造各社などから、過剰な競合や、15分で配送する場合の配達員と歩行者など周りの人の危険性を考えると継続性がないビジネスとの指摘がありました。  

まさしくそれが起きたわけです。

実際にはこのビジネスに投資している企業や人の中にロシア系の人も多く、実際に働いている人もロシア人が多いのですが、そこの部分で資金継続ができなくなっているというのがあるとの事です。


今ニューヨークで起きているのは、その15分配送ビジネスが倒産した事で起きている、居抜き物件のオークション、内装や調理機器は無いのですが冷蔵庫や棚などの備品、店内在庫などの商品も、オークションに出ています。

何処でも何でも大変な状況になっていますが、日本にも行っているというこの15分配達ビジネス、日本では何か起きてますか?、こういう事にならないように願うばかりです。


チャーリー下城

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