ニューヨークは今、7月16日(NY初のフレッシュ店開店)

アマゾンの大活躍を書いた直後ですが、アマゾンフレッシュの初ニューヨーク店舗が開店しました。 

アマゾンは多くの事を秘密裏に進め、事前のお知らせもほとんどしない、まさにそんな典型的な開店でした。(カートは小中の2種類が見える)

フレッシュ店は基本が郊外型のスーパーですから、この店も市内ではなくケネディー空港のさらに東側のロングアイランドの一角です。

開店からの3〜4日間はイベントをやっていて入り口でラッフルをやって景品が貰えます。

約4400平米のこの店内プロデュース売り場にも、もうお馴染みのこのウォールサインが付きます。  その天井を見るとこのカメラの数、そうですここはウォークアウト(Just Walk Out)の店舗です。  

奥に深い形の店でこのサイズはアマゾンフレッシュでも最大級の売り場面積です。  ウォークアウト型店なのでカートは通常型で、中・小型のカートがあります。

週に一度のまとめ買いの人も居るわけですが、ここに大型カートが無いのには理由があって、大きなもの重いもの、定番のものは事前にアプリでオーダーしておけば店に着いた時にそれだけ先に(又は買い物後に)車に積み込んでくれ、それらを店内で買い集めてカートで持ち回る必要はないのです。

店舗入り口ではアマゾンアプリのQRコードでゲートを開けて入りますが、ここではNY初出店なので多くのお客はそれに戸惑ってます。 アメリカのアマゾンアプリをダウンロードすると、入店用のQRコードが付いているので、通販を使う人でそこに支払いカードも入っていれば追加の登録なども不要です。

入店方法やアプリの使い方だけでなく、ハイテクな質問にも応えられるスタッフを育てて店頭に置いています。 だからここは時給も高くおそらく$20、程度が採用時の時給でしょう。

入店方法は一度使えば次からは説明不要なくらい簡単です。

又はこの店では手のひら認証のAmazonワンも使えるので、その登録をしたお客はスマホもお財布も不要で、手のひらを見せるだけで入店し買い物が出来ます。

アマゾンワンはこれを採用している店舗ならどこでも登録可能で、こんなキオスクでセルフで登録出来ます。 必要なのはアマゾンアプリが入ったスマホと両手で、1〜2分で登録終了出来もちろん無料、その後は世界中のアマゾンワン対応店で有効です。

アマゾンメンバーでない人やスマホを持たない人など用には通常型のレジも数台入っていて、普通のスーパーとしても違和感はないでしょう。

見難いけどカートは2種類、オレンジ色は小型でバスケットが2段、緑は中型で大きなバスケットと下の棚。 店内にはアレクサもあるしプライスチェッカーもあります。

スマホを使う人であればアマゾンメンバーになる事は無料だし(プライムは有料)、買い物の簡素化は明白なので何度か来店するうちに使いたくなると想像します。

レジレスのシステムは入り口のゲートでQRコードか手のひらで認証(=アマゾンアプリ保持)してお客を特定(+支払いカード確認)、その時に写真を撮って顔認証とおそらく体格認証をしている事で精度を上げられます。

店内を回りながら買い物をする全ての行動をカメラが認識して、誰が何を何個カートに入れたか(バッグに入れたりポケットに入れても)読み取っていて、随時仮想のアカウントカゴに入れておき、気が変わって戻したり出したものは引いていくので常に最新の状態です。

買い物が終了して店を出る時に再度QRコードや手のひらでそのお客の買い物の終了を検知すると、仮想アカウントのカゴの最終金額が指定したカードにチャージされます。

私は昨日カートの中に先ず5セントの紙袋を取って入れ、その後も何度も様々な買い物商品を出し入れして、違う売り場に戻したり(実験的に)した挙句に、最終的に残ったのはバラのバナナ3本だけですが、数時間後(普通は数分と言われる)に届いた請求はバナナ3本だけで紙袋は無料でした。 

袋は有料と書いてありましたが、ダッシュカート店で紙袋は無料なのでこれはサービスなのだと理解しています。 であればこの読み取り追跡システムは正確だったという事です。

これはハイテクシステムの組み合わせで、「AIとDeep Learning 」という人工頭脳を使い、可能性と定型を深く学習させる事で精度が増すという事で、時間を掛けて作られたシステムという想像が出来ます。


この店舗は場所が悪いというか、高速道路からのアクセスが悪い。 通常の小売業は努めてアクセスや入り易さや見易さなど重視しますが、それが全く出来てない。

という事は、店舗の商圏はその周辺だけで狭くなってしまう、という事になります。 

しかしアマゾンフレッシュは広い地域からお客を集めるのではなく、

*最優先はデリバリーの拠点であり、周辺のお客のカーブサイドピックアップの場所という、ラストマイル店舗なのです。 

実際にこれは買い物客に混ざってデリバリー用のピッキングをしているスタッフです。

そして次に周辺住民の客が高速道路に乗らずに買い物に来る、地元客にとって便利な店であれば事足りるのです。 そんな理由で多くのアマゾン店舗は屋外路面型のストリップモールの中にあります。

更には、アマゾンの通販は多くの商品を宅配し、コロナ後は特に無料返品をやっているので、その返品の受け取り拠点にも使っています。 無料返品はアマゾン実店舗以外の(郵便局や宅配業社)方法も使えますが、その場合アマゾンとしては直接のコストがかかります。 しかし実店舗があれば直接コストが吸収されます。

カスタマーサービス横にはアマゾンロッカーがあり、通販の商品受け取りが出来ます。 カウンター内にはデリバリーする為に用意された商品、常温、冷蔵・冷凍も揃っています。

という事でアマゾンの計画は実店舗をアメリカ国内2000店舗としています。

すごい勢いで店舗が増えていますが、開店までに1年半かそれ以上掛かっている様です。

アメリカの工事の遅さと検査の煩雑さ、いい加減さなど、色々ありますが、これだけの数のカメラを設置してミスが起きない店を作らなければいけません。 天井のカメラと共に配線をみて下さい。

右側のチャンネルの中には配線コードは100万本くらい通っていそうです。

そして短期間にたくさんの店を作る為には、都合の良い居抜きの店がベターです。

コロナで多くの店が倒産閉店した今、アマゾンにうってつけの5千平米以下のモールスペースがいっぱいあります。  元トイザらス、電気店、日用雑貨店、百貨店などのスペースをそのまま使います。  

店舗工事はハイテクを使用し最新の設備を設置しますが、既存の床など使えるものそのまま使っている事がこの写真でよくわかります。

店頭駐車場の一角には無料の電気自動車(EV)チャージャーX2台分まで付いています。

ここはお客がたくさん集まる店ではなく、豪華な店でもありません、アマゾン式の店で良いという事です。

このロングアイランドに開店したアマゾン・フレッシュがニューヨーク初のアマゾンフレッシュですが、来週はニューヨーク市の向こう側ニュージャージー州で開店があります。

これからの半年でおそらくNY周辺店舗は10店くらい開店しそうで、一部ですが現時点の予定はこんな風に各方向に散らばっているのがわかります。

今回開店したロングアイランド店は中央のケネディ空港の右側のオレンジ色マークの店舗です。

待ちに待ったニューヨークで初のアマゾンフレッシュも今週開店しましたが、来週はニュージャージー州パラマス店の開店です。

その他のニューヨーク周辺の最新小売業、及び東海岸で話題の店のほとんどを視察出来る視察アレンジをお引き受けしています。

今は視察に来られないという方には、オンラインセミナーやオンライン情報交換会も行っています。

チャーリー下城


By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

Shimojo NY News Co., Ltd.

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SHIMOJO NEW YORK NEWS

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