下城NYニュース、06-'24(アマゾン Fresh 最新店舗開店)

通販では世界最大のアマゾンですが、食品業界でも大きな展開を企てています。

アマゾンの食品販売は通販での拡大も勿論ですが、傘下であるホールフーズの実店舗が全米500店舗以上で展開、新店舗の両チェーンとも開店が続きます。

ホールフーズの500店舗に加えて、アマゾンのブランド店舗網の開店を再開して2000店舗超えを目標にしています。

先に結論を言いますと、このアマゾンフレッシュを「過小評価する専門家」も居ますが、実は大いに要注意です、全てを秘密裏に進め何をするか、何を考えているか分からない企業だと言えます。

ご存知の方も多いと思いますが、コロナ中の2020年秋にカリフォルニアで開店したこのアマゾン・フレッシュの実店舗チェーンは、ダッシュカートを採用した非接触型のスーパーとして一躍有名になり、店頭ピックアップやデリバリーと共におおいに活躍しました。

その後の店舗展開ではアマゾンのコンビニ業態でも採用する、通常カートで買い物をして最後の精算が不要なウォークアウト(Just Walk Out)型店舗が中心になりました。 

ウォークアウト型店は入り口にゲートが付き、アマゾンのアプリかクレジットカードを読み込んで入店しますが、それを持たない人は通常のカートと有人レジで買い物が出来ます。

しかし扱い商品が限定である事、商品価格が安いわけではないという一部の評価や、買い物の仕方にも特殊な状況がありアマゾン会員向けの店ではないかと考える消費者もある事で、コロナが収束した現在、コンセプトの見直しも必要となりました。

そこで23年初旬からの約1年半ほど、見直し期間として、着工していた店舗工事を含めて新規出店の為の活動を休止していました。

休止した事により、幾つかの家主からの裁判も起こりました。(開店するまで家賃は低い額や発生しないなどの契約もあった様)

その間にシカゴ郊外の実験モデルなどでパイロットを進め、中には店内にクリスピー・クリームのドーナツ店を入れた店もある等テストし、将来を見据えた新生のアマゾンフレッシュを模索し、今後の未来型店舗となるのが開店したこの店舗です。

当初2022年6月開店の予定で着工しており、2年遅れでの開店となりました。

スーパー型のフレッシュ店でも採用されていたウォークアウト(レジ支払い不要)のシステムは現行のコンビニ型アマゾンGO店舗に残して、フレッシュ店ではアマゾンのダッシュカートに統一するとの発表でした。

まさしくこれまでのコンセプトをリセットして、ダッシュカートを採用した新生店舗という事です。

昨年改良された第二世代のダッシュカートは、緑のカゴで白い目玉が付いています。

カートの容量が大きくなり、下の段に重いものや大きいものを入れるスペースが作られ、ボトル水やキッチンペーパーなどを収めるのに都合が良くなりました。

同時に写真で分かる通り、通常の有人レジとセルフレジも備えています。

入り口から入ったところで数台のダッシュカートが準備されており、以前はカゴの中に紙製の買い物袋を入れてあったのですが、今はそれは無し、スタッフが使い方だけを説明してLets' Shop!です。

ダッシュカートの使用には本人確認が必要で、

1、確認方法はアマゾンのアプリを持っていて

2、アカウントに支払い用のカードを登録してある必要があります。

3、アマゾンのアプリが無い人用に通常のカートが用意されており、通常の有人レジ又はセルフレジを使った買い物が出来ます。

店内に多くのスタッフが居るのはカートの使い方を含めたサポート用員でもある筈です。


アメリカのマーケットの多くでキッズ用のフリービーを行なっていますが、店舗入り口には子供用のおやつに使える無料サービスのフルーツが置かれています。 

世界を見れば、日本の様に買い物精算が終わってからでなければ食べてはいけない等のルールは、日本だけの習慣だと思います。 昨今のインバウンドブームで、外国人観光客の一部は平気で店内で食べ始め、精算は後回しで店内で食べちゃう、そんなの見た事あると思います。

将来の常連客になる子供に対して、リンゴ一個、バナナ一本は宣伝料だと思えばいいんです。

店舗サイズは通常スーパーより小さめの約3000 - 4000平米で、日本で言えば千坪前後です。

アメリカでは通常のスーパーの扱い品目数は約4万〜5万品目で、まとめ買いをする地方都市等の大きなスーパーでは10万品目を越えますが、このアマゾンの店では感覚として約半分の2万品目程度の様に思われます。

扱い品目にはアマゾン傘下ホールフーズのPB商品で人気がある365ブランドや、アマゾンのPB商品もあり、ナショナルブランドも揃います。

通販デリバリーの拠点でもあるこの店内には、デリバリー用にオーダーを揃えているピッカーも沢山動いています。 時間帯によってはそのピッカーで店内が混んでいる時もあります。


但しアマゾンフレッシュは通常のスーパーで定番となっている精肉・鮮魚のサービスカウンターは無く、スタッフが居る接客販売は惣菜デリカのコーナーになります。

精肉売り場でサービスカウンター無い事には、後で述べる理由があります。

デリカにはハム・ソーセージ・チーズと惣菜、又焼き立てピザや寿司も店内調理されます。

しかしパイロット店で設置したクリスピークリームのインショップはここにはありません。

コーナーの一角にはホットとコールドのサラダバーがあり、自由にとって$9.99/lb(約450g)と格安、その後ろの丸ごとロッティセリチキンはプライム会員だと$5.99と、これだと生の丸ごとチキンより安いお買い得セールです。

広いイートインコーナーがあり、これらで食事ができる様になっているのはホールフーズと共通です。

精肉はデリバリーに便利な事を優先したと見え、真空パックか冷凍商品です、シーフードも同様です。

この真空パックの機械は性能抜群の製品で、23年夏頃から業界で取り合いの状態だったそうですが、その理由の一つはアマゾンがこのパッキング機を大量発注していたからとの情報があります。

それからして、一年前にはアマゾンはこの売り場構成を想定していて、今後の展開は店舗にミートの接客売り場を作らずに真空パックで対応する計画である事が想像出来ます。

アマゾンのダッシュカートは既に4年前から実用ですが、現在の2代目タイプは非常に使いやすく出来ていて、反応が早い事と買い物後にそのまま屋外の駐車場まで持って出られます。


 話しが前後しますが、今までホールドしていた店舗も数十あり、今後の開店予定が各ニュースに載っていて、現在首都ワシントンの郊外バージニア州で東海岸本社を建築中の一角にもこの夏フラッグ店が開店、更にその北側のメリーランド州でも、牙城の一つシカゴ郊外でも間もなく開店、この秋までに相当数の加点店が予定されています。

それらニュース紙面の一例があります。

紙面には詳細は書いてないもののカメラを取り付ける様になっていてウォークアウト店の様にも見えますが、先の発表によりダッシュカートになると想像します。


現在のダッシュカートは改良型で容量が大きく反応が早い、更に屋外対応なので買い物終了後屋外の駐車場までそのカートのままで出られて便利です。


新型カートには二つの白い目(カメラ)の中間に上に向けられたカメラがあって、天井を監視しておりそこに付けられた位置情報コードを読み正確な場所を把握出来ます。

これによって、その売り場の商品をカートのスクリーンにアップし宣伝し、またはクーポンを出していきます。

この天井の写真には緑色の配線が固定された網状の棚になっていますが、これはこの店舗の原案でカメラを数千台設置する店舗だった時の配線を通す棚で、ダッシュカートに変更したため不要となったものがそのまま残されているものと想像します。

その配線用の棚に位置情報のコードを貼り付けていて、カートに着いたカメラで読み取る事でカートが現在通過している売り場を把握、売り場商品の卵やソーダをスクリーンに出します。

店内には沢山のモニターが配置されていて、売り場の商品の宣伝が出来ます。

これは「インストア・リテイル・メディア」といい、店内に来ているお客に対して販売を促す宣伝という事です。 これは宣伝されている商品のメーカーや卸屋(例えばEVIAN)との契約で行われ、店舗側は広告料をとって販促を行うというシステムです。

アマゾンフレッシュもそうですが、多くの店舗で電子棚札が使われています、それにあえて対抗するトレーダアージョーズの手書きの価格やPOPがあるのも興味深いです。

電子棚札採用で瞬時に価格を変更出来、宣伝とレジの価格が違うというミスが防げます。

店内には大きなカスタマーサービスコーナーがあり、アマゾン通販の受取りや返品もここで受け付けています。  この実店舗が増えると共にアマゾンの配送コスト返品コストも減らせるという作戦もあり、出店を急いでいるとも言えます。

当地の小売業は一気に動きが出ており、リージョナルチェーンのショップライトやディープディスカウンター、ボックスストアなど大活躍しています。

ショップライトはアマゾンのダッシュカートに対抗するケイパー社のスマートカートを採用し、一気にチェーン網に導入し始めています。

スマートカートとしての性能自体は互角と言って良いのですが、精算の仕方が違います。

これも近日中にお伝え致します。


ニューヨークの郊外ではまさしくその業態であるアルディ、リドル、グロサリー・アウトレット等その店舗を一気に視察する事ができます。

滞在期間や日程はご相談に応じます。

詳細は下城までお問い合わせ下さい。

By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■ 6/26/’24

https://ny-news.amebaownd.com/

#下城ニューヨーク

#ShimojoNY

#Wegmansmanhattan

#Wegmans

二ューヨークでは毎日の様に新しい動きがあったり情報が入ったりします、ニューヨークの小売業と外食産業の動くを頻繁にアップ致します。

これからもニューヨークの最新の状況と情報をこのブログにて発信しますので、是非このサイトを「+フォロー」等登録なさって下さい。


SHIMOJO NEW YORK NEWS

チャーリー下城の仕事は徹底した流通業界の下調べと足を使った確実な情報に基づいています 賞味期限の切れたような情報はございません チャーリー下城の視察研修をぜひご体験下さい ニューヨーク・ボストン・ワシントン・シカゴは豊富な経験と 幅広い情報からお客様に見合った最善のアレンジをご提供させていただきます