下城NYニュース、02-'23(22年最多出店チェーンは)
2月は日数が少ないのであっという間に3月になります。
昨年は食品だけではない小売業全体でインフレと商品供給の問題が起きました。
原因の一つはウクライナの戦争に違いありませんが、これは今すぐ終わるものでもなさそうですし、終わったとしてもこの問題はしばらく続きます。
23年の1月だけで、メジャーチェーンの開店が29店舗ありました。 これは前月の22年12月の17店舗を大きく超えた事になります。
22年の食品小売店の新規出店を見ると、小型のディスカウントチェーンがダントツに開店しています。
チェーン店名でいうと、以下を参照頂きたいのですがドイツ発のアルディが49店舗、グロサリー・アウトレットが28店舗がまさにそれにあたります。
店舗は各々1500〜2500平米前後で、スーパーとしては小型で、扱う商品も限定です。
売り場面積を広げたのはH-E-Bや Publix 等で各々10万平米以上広げています。
H-E-Bはテキサスのチェーンなのであまり馴染みが無いかも知れませんが、広いテキサスをドミナントする店なので1店舗の平均が1万平米以上です。
パブリックスはフロリダ州を基盤として南部地域で1200店舗以上のチェーン展開をするこれもメジャープレイヤーです。
以前にも書きましたが、食品スーパーで全米展開するチェーンはごく僅かで、
アルディは中部シカゴから始まり東海岸へ大きく広がってから最近西海岸へも広がっています。 徹底的なコストカットをして主にPBの食品を超ディスカウント価格で売ることが有名なチェーンで、既に全米2270店舗を超えました。
グロサリー・アウトレットは西海岸から始まり、フランチャイズ型の為全米に散らばって現在約450店舗のチェーンです。 ニューヨーク市商圏には今年になって始めて郊外に出店しています。 商品入手は各店舗ごとに独自の商品仕入れが出来ます。 こちらは各メーカーからの放出やクローズアウト商品が多く、日本的に言うとバッタ商品も多く扱われています。
又、ニューヨークでは同じくドイツ発のボックスストアチェーンのリドルがアルディと競合して店舗を伸ばしています。
3つのチェーンの典型的なストアの外観です。
この物価高騰はコロナ前と比較して150%から商品によっては200%以上となっていますが、我々庶民の収入は平均的にあまり変わりなく、どこかを切り詰めた生活を強いられています。
こんな時に、食品小売店は絶対的に優位になります。
日用消費財や外食は切り詰めることが簡単に出来ますが、食べる事自体はあまり切り詰められず買い物の仕方を変える事が一つの手段になるからです。
その証拠が端的に表れているのが、上記ディスカウンターの好調と言えます。
徹底的なコストカットとは、家賃の低い場所に出店、店舗工事にコストを掛けず電気ガス水道等を低く抑えるデザインと運営方法をとり、広告宣伝費も低いかゼロにしています。
従業員の給料はしっかり払う代わりに少人数で運営するなどコストを抑えます。
ほとんどはボックスストア型です。
アルディの店内です。
グロサリー・アウトレットです。
以下2枚はリドルです。
各々の店内で感じるのは、安く売る為の仕掛けが出来ている事です。
例えばPB商品のパッケージングに仕掛けがあり、少人数でも素早くレジ通過までお客を動かせる、NB商品が多い売り場に見える(けどバラエティーは限定)など行われています。
更には店舗を小型化させ小さい商圏にも進出させ、新しい顧客を操守する事と共にラストマイルのデリバリー拠点を作っていくなど、コロナ後に必要な作戦がどんどん組み込まれていきます。
店舗網の拡張をお話しすると更に店舗数が多いのはダラーストアです。 そして近年食品もフレッシュも扱い品目に入れているチェーンがあり、このインフレの状況で大いに評価されています。
最大手のダラーツリーは傘下にファミリーダラーを入れた事で店舗数は15,000店舗を超え、2023年の出店目標は1,300店と強大です。
スーパーマーケットとは確実に違う業態ではありますが、全米どこに街に行ってもある状況になった場合、食品店のシェアを取っていく事は確実です。
昨年11店舗開店させたホールフーズは、新年の開店第一店舗目ニューヨークのウォールストリートに開店させました。
これはアマゾン傘下である事からハイテクも使われ、沢山の最新型セルフレジを導入した上で支払い方法の選択として手のひら認証が用意されています。
今後のホールフーズでは、昨年発表された新型のダッシュカートが使われる事になりそうです。 その新型カートは既にボストンとテキサスでデビューしております。
こちらのリンクを参照下さい。 https://ny-news.amebaownd.com/posts/40958422
ニューヨークと東海岸の小売業の現状は非常に動きが早く、たとえアマゾンでもウォルマートでも近い将来の事は分かりません。
世の中が大いに混沌とした現状で、各小売業がどんな事をしているのかぜひ確かめにいらしてください。
下城NYニュースではニューヨークと接続するフィラデルフィア、ワシントン、ボストンなどを組み込んだ研修や視察プログラムを用意しております。
昨年来次々と開店した首都ワシントンのウェグマンズ、デラウエア州のウェグマンズと立て続けに小型の店を開店し、コロナによる作戦変更の様子が見られます。
更には23年の早々にワシントンの南側郊外のバージニアでも小型店を開店し、明白に店作りに反映させているウェグマンズで目が離せません。
滞在期間や日程はご相談に応じます。
詳細は下城までお問い合わせ下さい。
By Charlie Chikao Shimojo @NPPA
チャーリー下城NYC■ 2/23/’23
https://ny-news.amebaownd.com/
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