ニューヨークは今、６月５日（ウェグマンズ閉店）

私が敬愛して止まないスーパーマーケットの一つがウェグマンズで、この企業はニューヨーク州の田舎町であるロチェスターで創業、１０５年経った今１１０店舗のチェーンになっています。

そのボストン郊外にある屈指の大型店舗ネイティック店を閉店する事になりました。

高級志向のショッピングモールの中で、２フロアーを使うキーテナントとしての入店でした。

私が敬愛するだけでなく、チェーンの商圏に住む住民の多くがお気に入りマーケットにしている事は間違えありません。

敬愛はしても、私が主張する「買い物動機が違う立地はダメ」という正にそういう立地での出店であり、ここでの不調は想像していました。

駐車場は店舗から歩道橋を渡った向こう側、高級ショッピングモールでの買い物ならそれでも良い、でも大根やキャベツや冷凍の食品、日用雑貨品を買って、歩道橋の向こうにある車に戻るって、ディズニーランドに行ってるんじゃないのだから有り得んのです。

このニュースでも、「お客を十分にアトラクト（引寄せる）出来なかった」と書いています。

買い物動機が違うショッピングモールへ行く時に、特にここは高級志向ですから、アメリカ的な考えを当てはめればその帰りに食品や今晩のおかずを買う人は少ないです。

日本だったら、買い物は頻繁でしょうからついでに買い物ってありますが、アメリカは週に一度（か２週に一度）のまとめ買いが基本です。

こと東海岸においてはって事で他所はいざ知らず、

この地で屋内型モールに出店した食品スーパーで、不成功例はたくさん見てきています。　

屋外型モールやストリップモールは話しが全く別、それにしても勉強不足のチェーンがいくつもあります。

ウェグマンズはこの時点では、出店クリテリアに合致しないにも関わらず他にこの売り場のサイズで住民層の条件も合う物件がなかなか無いにも関わらず、ボストン周辺で知名度を上げたいという理由の方が勝ってしまい、冒険をしたんですね。

１１０店舗の平均年商は、＄１００億（約１４０億円）を超えていて、これは通常のスーパーの４−５倍にあたります。

ウェグマンズが展開する地域はニューヨーク州を中心に北はボストンの郊外から、南は首都ワシントンの南側でありアメリカ南部と言われるキャロライナにまで及びます。

それでも本部があるロチェスターからトラック輸送で半日で行き来が出来るエリアのみ、限定地域での展開です。

店内には朝昼夜のすべての時間帯でイートイン出来る商品も多く扱われ、スーパーの店内とは思えない様な広くて快適な飲食スペースがあります。

ウェグマンズの店は平均的に７−８万品目を扱い、これも通常のスーパーの約２倍、特にフレッシュの品揃えが広く、そのまま食べられるホットとコールドの惣菜や、加熱だけで食事になる「Ready to Cook」やもっと簡単な「Heat & Eat」の商材商品、そして食材とスパイスなど必要なものを全部揃えたパッケージのミールキットなどが充実しています。

このニュースが出る前に私がふらっと店回りをしていたら、社長のポジションを娘に譲って快調になっている前社長のダニー・ウェグマン氏もふらっと店回りをしていました。

こんな大きなチェーンになる２５−３００年前は何度もロチェスターへ出向いたものですが、ダニーさん自ら私の研修チームに店内を案内してくれたものでした。

下城NYニュースではニューヨークと接続するフィラデルフィア、ワシントン、ボストンなどを組み込んだ研修や視察プログラムを用意しております。

昨年来次々と開店した首都ワシントンのウェグマンズ、デラウエア州のウェグマンズと立て続けに小型の店を開店し、コロナによる作戦変更の様子が見られます。

更には２３年の早々にワシントンの南側郊外のバージニアでも小型店を開店し、明白に店作りに反映させているウェグマンズで目が離せません。

滞在期間や日程はご相談に応じます。

詳細は下城までお問い合わせ下さい。

By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■　６／０５／’２３

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