下城NYニュース、12-'23(23年の5ベストマーケット+)
長いパンデミックも終わり、世界中が動き始めた23年も間も無く終わります。
皆さんの活動に制限がかかっていた事もあり、私の方は沢山のマーケットや食品店を回って情報を収集して参りました。
その情報の一部は皆さんにご利用頂けたし、また一部はウェブサイトで紹介も致しました。
振り返る様になりますが、今年の5ベストをご紹介します。
5店舗という事でなく、今年見て素晴らしいと感じた5つの印象的な事と致し、レストランもあるしコンビニ付きの給油所も入っています。
順番は付けられないくらいどれも素晴らしいもので、さらにその番外で幾つか挙げさせて頂きました。
「Seed to Table」
順番は付けたくないのですが、これは確実に一番と言いたいです。
このアメリカとカナダで何百店、何千店というスーパーや小売業を見ていますが、その中でもトップクラスです。
フロリダ州の西海岸側、ネープルズという町にあります。
世界中どこの町に行っても素晴らしいスーパーマーケットというのはあります、時はスーパーマーケットではない食品店や複合業態であったりします。
この「シードTOテーブル」はローカルのこの1店舗だけ、週末は大きな駐車場が満車になっています。
食品店ではないので、食品だけではなくアルコールを含む飲料を買う、日用雑貨品も買う、週末に頻繁に行うお家パーティーや来客用の食事の用意を買う、そして行ったついでに店内で飲食もするという、この十年ほどで大いに聞き慣れたグローサラント型の典型と言えます。
買い物が、飲食が、この店では楽しいものなのです。
この店に行く事が目的になりそうなスーパーマーケットです。
お酒売り場も含めて、店内の様子を数枚載せておきます。
勿論、精肉や鮮魚の売り場も充実していて、値段の安さはここでは二の次で良いのです。
自宅の近くにこんなお店が欲しいっていうなら、そのトップかもです。
「Plum Market」
これはスーパーと呼ばずに、グルメストアという区分けになるかと思います。
アメリカ中西部の自動車産業で有名なミシガン州で創業、展開はオハイオ州等にも、そして限定ですがフロリダ州やテキサス州などにチェーン展開を始めています。
日本にも進出したディーン&デルーカの様に、通常のマーケットで扱う食品ではなく、世界中から高級食材や珍しい食品を集め、オーガニックや手作り食材などでも特化します。
この店舗はフロリダ州で取材したので、フロリダが続いてしまいましたが、マイアミ周辺の最高級住宅街を控えたエリアに開店した最新店なので脚を伸ばしたのです。
この取材の時には1日に見たロールスロイスとベントレーの数が、一生の中で多分最高でした。 フェラーリやポルシェじゃないんです、ここではロールスロイスが全盛です。
最近の食品スーパーの動きでは、レストランに匹敵する様な惣菜を目指すデリカのコーナーを作りますが、グルメストアーではその上を行きレストランレベル以上の惣菜や食事をテイクアウト出来ない種類でもグルメ店は工夫してお持ち帰り出来る様になっています。
富裕層が多いこの地では、ホームパーティーといえばこのプラムマーケットのケータリングなどを利用して、主催する側も一緒に楽しむ事が習慣になっています。
高級志向のスーパーやグルメストアの多くは、食事に加えてパーティ全体を引受けてくれます。
ここでも価格の安さよりも重要な部分は、ここなら確実という信頼性にあります。
例えば離れた産地の旬の野菜やフルーツなど、外見はスーパーと同じ物でも、産地の市場からトラック便で1週間掛けてのではなく、航空便で翌日店舗に届けるのです。
その意味は1週間後に販売する様に完熟前に収穫した物と、地元用に完熟収穫した物が売られるのです。
考えてみて下さい、色は赤くてもガリガリのニューヨークのいちごやメロンと産地で食べるフルーツの差は如何ともしがたい。 しかしグルメストアの場合はその部分にプレミアムがあるのです。
「ウェグマンズ、ニューヨークの街中店」
何度もここで紹介しているウェグマンズですが、やっとマンハッタンに進出しました。
ニューヨークの田舎町ロチェスターで創業し、東海岸側だけで約110店舗の展開です。
これまでにもボストン郊外やニューヨーク市内のちょっと端などで小型店を出していましたが、昨年のワシントン市内に続き、これぞ究極というマンハッタンのダウンタウンの店舗を開店させました。
ウェグマンズのこれまでの店舗サイズは大きく、1万3千平米を超える(4千坪以上)売り場面積がありそのフルサイズからしたらグッと小さい約半分サイズかも知れません。
一部の報道ではフルサイズを知らないライターがこれをフルサイズと書いていますが、これは街中型なのでグッと小さく狭いです。
それでもこのニューヨーク市内のスーパーとしては最大になり、付近のお客だけでなく市内全域からのお客を迎え入れています。
実はこの店舗にはフードホールや予定されているレストランが間に合わず、部分開店の形でのグランドオープニングをしました。
ニューヨークの店鋪工事の異常なプロセスは以前に書きましたが、着工から2年で部分開店でも出来た事は賞賛に値するわけで、レストランとフードホールの開店はまだこの先2年くらい掛かるかも知れません。
小さなレストランだけでも1−2年掛かるのが普通なので、今回のウェグマンズの開店は偉業なのでしょう。
店舗は一階と地下の2フロアーで、古いビルの為近くの天井高が低いのは致し方のないところです。
顧客になる付近の住民だけでなく業界の専門家も目を見張ったのが魚売り場です。
豊洲からの鮮魚を空輸する形で、品揃えと品質は全米の中で見てもトップクラスと言えます。
その筈です、今回の同店だけでなくウェグマンズは日本の魚力が提携していて鮮魚商品やスシなどの運営と販売、レシピにも日本の力が入っています。
日本人の応援スタッフも居て、日本のデパ地下の様でちょっと異様、サンマやサバ、鮮度が良さそうだけどマンハッタンのキッチンではほとんどのお客は焼けないです。
問題はこの商品構成と価格で、通常営業に入った後、何をどこまで続けられるかという事です。
もちろん精肉売り場も立派で、商品も素晴らしい。
和牛もドライエージも、プライムも薄切りも、こちらは常に需要がある筈。
店内の写真を載せておきます。
昨今のスーパーでは通常レジの台数よりもセルフレジの台数が上回ります。
「Hy-Vee」
中西部のアイオワ州で創業、100年を超える老舗の食品マーケット企業です。
アイオワ州って聞いた事ない方も多いでしょう、位置としてはアメリカのど真ん中あたりの上の方、へそより上の鳩尾辺りの内陸州で牧畜や食肉などで有名なエリアです。
というわけで、店頭にも大きなBBQのピットが置かれて週末などはカウボーイ姿のシェフ(又はカウボーイそのものか)が店頭でスモークされたランチを販売しています。
同地域では、こんな風にモールやホームセンターの駐車場でBBQトラックが本格的なスモークミートを販売するのです。
この店舗は少し東側に寄ったシカゴの郊外に当たる田舎町ウィスコンシン州ジェーンズビル市ですが、付近には競合スーパーがぞくぞくあり、その中でもずば抜けた店舗です。
食品日用雑貨品だけでなく、総菜屋お酒類、医薬品化粧品、スポーツ用品、アパレルの専門店なども田舎の広さを駆使した店作りになっています。
外食レストランやお酒を飲むバーやエンタメの店が沢山は無く、こういう場所もその役目になる様です。
店内の一角には暖炉があって、その裏は完全にバーになっています。
店内スクリーンは時間帯によってニュースやスポーツですが、勿論インストア・リテイルメディアになっている事は言うに及びません。
電車やバスは無いのでお客のほぼ全部がドライブで買い物に来ます、でもそこにはフルサービスのバー(要するに飲み屋)があるっていうんだから、存在価値があるのでしょう、そこんとこ説明しにくいです。
「Erewhon」
マクロバイオティックス(日本ではマクロビ)は日本から始まった健康食品や健康な生活のコンセプトを総称するものでもありますが、その日本由来であるマクロビのアイデア、実はこれがアメリカに伝わると想像も出来ないオシャレな形にもなり得るのです。
ロサンジェルスを中心に約10店舗展開してチェーンを拡充しているエァウォンですが、店内を見るとマクロビというよりホールフーズの様な色使いとディスプレイ、デコレーションは部分的にはブティックなのかと思える様です。
1950年代にアメリカに渡り、ニューヨーク〜ボストンで広め始めたものですが当時の健康志向は考え方が大きく違い、たっぷりと栄養を摂る事が健康と思われていた節がありました。
セレブが買い物に行く店というイメージと、おしゃれなPB商品をアトラクトしています。
詳細は過去のページにありますのでご興味がある方はそちらを参照下さい。
まだまだ印象深いものがあって、皆さんにシェアしたい。
「バッキーズ」
その一つがアメリカのコンビニ+給油所です。
テキサス発のこんな店、テキサスは何でもデカイのでこんな店になっちゃうのです。
ポンプはズラッと並んでて、100台は普通、大きな店では150並ぶ店があります。
日本ではきっと10台か20台でしょ?
店内はコンビニというよりBBQファーストフードの店
+雑貨屋さん、かな。
ビーフジャーキーとタコスの売り場、
可愛いキャラクター商品、人気高い。
田舎なのでスタッフさん募集も店頭でやっちゃう。
最低がキャッシャーとか品出しなどで、時給$18、
アシスタント・フードマネージャーは$33−42と悪くない、
各売り場のマネージャーは$10万以上(今なら1500万〜2000万円?)
店長は$22万5000(3500万円程か)
税金は高いです、覚悟が必要なくらい高いです。
「スチュー・レオナード」
先代社長のスチューSeniorさんが今年の5月に亡くなられました。
有名人で、この人に会った方も多いと思います。
20年か30年前、私もお店に行くたびにスチューさんが居ると話しを聞かせてくれました。
20年ほど前に引退して、息子のスチューJuniorさんに全てを譲っていて、ジュニアさんはスチューさんの本店の他にチェーン展開して現在ニューヨーク周辺だけで8店舗になっています。
数年前にバッタリ店舗周り中に会いました、あちらも親子で店廻り中で、まだお元気だったので写真も撮ってあります。
コネチカット州ノーウォークの本店は現在改装中ですが、ニュージャージー州にも進出しそちらは酒販方が違うので店内でお酒を扱う事が出来ます。
実は店内でリカーを扱うのはコネチカット州やニューヨーク州では酒販法の制限で出来ないのです。
ニュージャージーの店では久保田の試飲販売もやっています。
下城NYニュースではニューヨークと接続するフィラデルフィア、ワシントン、ボストンなどを組み込んだ研修や視察プログラムを用意しております。
昨年来次々と開店した首都ワシントンのウェグマンズ、デラウエア州のウェグマンズと立て続けに小型の店を開店し、コロナによる作戦変更の様子が見られます。
更には23年の早々にワシントンの南側郊外のバージニアでも小型店を開店し、明白に店作りに反映させているウェグマンズで目が離せません。
昨今のインフレの影響もあって、この2−3年間で一番出店しているのがディスカウント系のチェーンです。
ニューヨークの郊外で、アルディ、リドル、グロサリー・アウトレット等その店舗を一気に視察する事ができます。
滞在期間や日程はご相談に応じます。
詳細は下城までお問い合わせ下さい。
By Charlie Chikao Shimojo @NPPA
チャーリー下城NYC■ 12/25/’23
https://ny-news.amebaownd.com/
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