下城NYニュース、01-'24(NRF Big-Show '24)

2024年はコロナの心配もぐっと収まり、コロナ後に起こるこれからの小売業の重点目標を象徴する様な出店が多く見られました。

NRFとは全米小売業協会の事で、この展示会は全米最大のこの業界のショーであり、小売業で今起きている事と将来起きるであろう事を一堂に会した大イベントです。

24年のNRFショーのテーマは:

「Make it Matter」と題して、「そこが重要と捉えよ」と私は訳しました。

毎年恒例、1月の寒い中ニューヨークのジャビッツセンターで開かれます。

日本からも食品製造業やスーパーマーケット企業等多くの業界のプロがお越しになりました。

ショー会場の多くのブースで見られたのは、ハイテクと同時にセキュリティー関連、店内でのデータ収集とインストア・リテイルメディアです。

安全に店舗を運営して、如何にしてお客がワンツしている商品をタイミングよく提供して買って貰うか、という事です。

「より良いものをより安く」、それはここでは考えず、如何にして「お客が欲しい重要なポイントを探し当てて、タイミングよく提供するか」という事を真剣に考えています。

さすがにメジャーの業界プロ向けの展示会で、一般入場者のバッジ(入場料)は何と$3500、です。

それでも参加する価値があるという小売業の大きなショーで、全部をお見せし切れないというj事でここではその一部をご覧にいれます。

文字と写真だけではお伝え出来ないこの小売業ショーを、特に解説する為のオンラインのミーティングを用意致します。

ご希望の方はいつでもご連絡下さい。

勿論メジャーな小売業やハイテク企業は勢揃いで、このハイテク分野はコロナがあった事も影響して新規参入の小さな企業もたくさん出展しています。

各社がしのぎを削っているのが、その重要な事を徹底的に改良している事です。

このコロナ後の小売業で一番重要な事の一つがシュリンクを無くす事で、この場合のシュリンクとは売上げのシュリンクとは、販売完了までのどこかで起きるロスの事で、多くは店内や会計時の万引きと、在庫段階で失くなるいわゆるネズミと考えられ、組織的なものもあります。

それに加えて、特にコロナ後に起きているのが集団強奪などで、酷い場合はそれが理由で店舗を閉店撤退する場合があります。

見た事あると思いますが、堂々と強奪するのです。

ディスカウンターのTJマックスの集団強奪ニュース

https://www.youtube.com/watch?v=ftYHfK6KYtE

アップルストアの集団強奪(音楽が気持ち悪い)

https://www.youtube.com/watch?v=IXDypGspXR8


対抗策として小売業チェーンは店内のセキュリティーカメラをアップデートして、A.I. カメラに変える事で不審な行動をする客、事前に店内の様子を下見する犯人グループ等を監視して、必要であればブラックリストに載せる事でその客がいつ来店しても入店時から店内の行動を監視出来ます。

そのリストはチェーン企業内でシェアする事で他の店舗に行っても同様に監視され、おそらくそのデータはビッグデータに乗って他のチェーンでも使われている可能性があります。

上記の様な強奪ではそれを防ぐ事は出来ませんが、高解像のカメラで犯罪に関わった者を特定出来後日検挙も可能になります。

ちなみに万引きや店内の犯罪においては、店舗スタッフが捕まえるなどの行動はしないのが普通です。  犯罪者側はその為のトレーニングをし武器を持っている事も多いからで、対応した為に怪我を負った場合などに労災保険の適用を受けられない事があります。


NRFでは多くのカメラやセンサー等の展示ブースに加え、盗難防止の売り場ケース等も出展されていました。

セルフレジは過去に無い程の出展数で、外見こそ数年前と変わらない様ですがAIを組み込む事で精度を上げ簡単便利に使える様になり、更に万引きが出来ない仕組みになっています。

日本企業商品もあり、中にはあまり外見は変わりませんが非常に賢く出来ている製品があります。 このセルフレジではお客からの評判の良し悪しが取り沙汰される報道もよく見られます。  筆者が日々見ている食品店の現状では、セルフレジは概ね好評で便利、制度と便利さを改善している事で大いに普及すると見ています。

スクリーンの上の四角いライトがカメラ組み込みのスキャナーになっていて、動作を全て監視しています。

幾つかのスーパーや小売りチェーンでは、コロナによってセルフレジを増強した事で多くのお客に使って貰う動きがあったものの、この数カ月では万引き対策でセルフ利用に買い物点数制限(10品目までなど)を付ける動きも見られます。

まとめ買いのスーパー等用だけでなく、コンビニなどで便利なタイプもあります。

数十社から出展されてます。

街中の実店舗を紹介しますと、

ニューヨークで開店した最新のウェグマンズでは来店客数が非常に多く素早いレジ処理が必要で、新型のセルフレジが38台並んでいました。 客数も多く万引き等も心配されますが問題点をクリアしている様です。 

新しい店舗を見るとほとんどの小売業でセルフレジ導入が加速している事が分かります。

こちらはニューヨーク最大の繁華街であるタイムズスクエアのターゲットです。

この実店舗の様子を見ると、レジでのエラーや使用方法で戸惑う人はごく僅かに見えます。


もう一つは各社が出す最新のスマートカートで、アマゾンのダッシュカートを脅かすか、それを超えるスマートカートも出ています。

実はこの分野はアメリカは先進国ではなく、ヨーロッパやイスラエル等で普及しており欧州や中東に最先端企業がある様です。

この最新スマートカートの一部は実際にニューヨーク市内でも普段の買い物に使っています。

これはアマゾンのダッシュカートでは、一部ホールフーズでも使われています。

そしてケーパー社のこのカートは市内と近郊で実用化されている事と、アメリカ最大手のSMやデリバリーチェーン(にんじんマークはインスタカート社です)のピッキングにも使う事で、全米最大の生産数と言われます。

スマートカートのカゴには秤が付いていて、スキャンした商品の重さがあっているかを確認しながら買い物をしていきます。 

例えば同じ商品を重ねて2個投入すると、バーコードで商品を確認した上で登録された重さと合わなければエラーが出てやり直しになります。


既存のカートに後付け出来る簡易タイプや、店内で使う時だけ簡単に取り付けるタイプもあり、買い物が終わって精算が終わった時にカートから取り外せるタイプもありました。

アプリオーダーで店頭ピックアップする等通常の買い物でも行われていますが、その用途専用のスタッフが使う大型のスマートカートもあります。

これもおそらく数十社から出展されていた様で、各々特徴を持ち、精度も重視しています。

日本へ入り込み希望満々の出展企業もあります。


E.S.L.=電子棚札も多く出展され、大きさと薄さ、そして画面のカラフル等ぐっと向上しています。

デジタルシェルフディスプレイも、多くのESLの企業が並行して扱っています。

そしてここからインストア・リテイルメディアへと発展していきます。

ロボットは色々な形で使われていて、配送センターやMFC(マイクロ・フルフィルメント・センター)の中で使われたり、インストアで在庫管理や単純作業もこなしていきます。

勿論このショーにも幾つか出展されていて、日本にも進出しているオートストアは小さなサンプルプラントを組み上げて、中でロボットが動く様子を見せています。 何度かブースの前を通りましたがいつも興味を持つ参加者が話しを聞いている様でした。

店内監視ロボットは主に売り場の棚の在庫状況や整理の必要(違う売り場の商品がある等)を報告し、売り場通路の状態を確認し報告します。  ゴミや障害物があったり液状のものがタレていたり散乱したり、中には掃除機能が付いたものもあります。

売り場在庫は天井や壁に付くAIカメラで確認出来るものも出ています。

勿論その分野で一番有名なマーティー君も機能をアップデートして出ています。

レストランで働くロボットシェフも単純(複雑も)作業をするロボットも高性能化しています。  

フォークリフトではなくパレットや棚を移動する為の搬送ロボットがあり、その上部にアタッチメントを付けて在庫管理などに使うマルチタスクのロボットもあります。

一部は日本企業によるものですが、少なかったかもです。

そして先にも触れたインストア・リテイルメディです。

冷蔵ケースの中の商品を画像で映し出すショーケースや、店内売り場にスクリーンを付けてその売り場の商品の説明をしていきます。  テレビの売り場では、ずらっと並んだスクリーン(テレビ)にその商品の宣伝を流すなど今までより一歩進んだセールス方法をとりますが、スポーンサーを募って画面の商品を変えて行きます。 暑い日寒い日、週末に大きなスポーツイベントがあれば、飲料やテイクアウトのピザやチキンウイング、場合によっては洗剤や携帯電話会社等、事前にPRフィルムを作りプログラムすれば何でも可能になります。

勿論そのPRは、そのメーカーやベンダーと宣伝契約と取り付けることになります。

ウォルマートの店内のテレビ売り場はテレビを売って、そのスクリーンで他の売り場の商品を宣伝してる事になります。

これはベビー用品売り場のスクリーンでベビー石鹸を売ってますが、スクリーンの上の部分にカメラが付いています。  何の為のカメラ(A.I.)か分かりますか?

その売り場の通行人数把握だけでなく、どんな人が通過して、どんな人が立ち止まったかを把握しています。 中にはその売り場商品に触れるとスクリーンの内容がその商品の説明に変わる場合もあります。


実はこの分野、ここに書き切れないくらいの面白い事が沢山ありますので、近日中に別のニュースレターに書き上げて参ります。

ご興味がある方はお知らせ下さい。


まだ触れていないJust Walk Out(=無人コンビニ店)や人流、顔認証、体格認証、写真に写った人の年代性別、印象(楽しい、怒っている、空腹?等)を判断するセンシング・システム等々沢山の興味深い内容があるショーでした。


下城NYニュースでは、今回の内容に沿った視察研究が出来る様、ニューヨークと接続するフィラデルフィア、ワシントン、ボストンなどを組み込んだ研修や視察プログラムを用意しております。

昨年来次々と開店した首都ワシントンのウェグマンズ、デラウエア州のウェグマンズと立て続けに小型の店を開店し、コロナ後に起きた作戦変更の様子が見られます。

更には23年10月にはウェグマンズのマンハッタン街中店が開店しました。  これ実はまだ完成に至っておらず、店内飲食のスペースや手洗いも完備していませんが、次々と新しい事を仕掛けているのも事実です。


コロナや戦争その他で起きたインフレの影響もあって、この2−3年間で一番出店している食品店チェーンがディスカウント系のチェーンです。

ニューヨークの郊外で、アルディ、リドル、グロサリー・アウトレット等その店舗を一気に視察する事ができます。

滞在期間や日程はご相談に応じます。

詳細は下城までお問い合わせ下さい。

By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■ 1/30/’24

https://ny-news.amebaownd.com/

#下城ニューヨーク

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#Wegmans


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SHIMOJO NEW YORK NEWS

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