下城NYニュース、11-'23(和牛とWagyuとUS-Prime)

アメリカのグルメブームはコロナ前を一気に超えて、3年以上の低迷を忘れさせる勢いでホットになっています。

今回は全米どこでも見られる様になった和牛についてのお話しです。

ニューヨークの日系ミートパッカーの取材も出来、現状がよく分かりました。

ニューヨークベースのミ−トパッカーであるトモエ・フードサービスで見せて貰った日本直送の和牛はこんなです。

このスライスの真空パック、まさに日本のデパ地下で見た事ある、そしてブロックも種々ごろごろしてて、どれでもいいから一個欲しいです。

沢山の箱に囲まれて、宮崎産の和牛、日本各地からの和牛、そしてアメリカ産の和牛も沢山あり、冷蔵庫と冷凍庫、中には−40℉の冷凍室もあって各々山積み状態です。  

トモエフードはニューヨーク市内のブロンクス区の一角、ハンツポイントの市場の中にあります。

和牛の話しをしていますが、トモエでは米産ビーフも各種、更にポークもチキンも扱って、牛丼用のショートプレート(牛バラ肉)を牛丼用の厚さにスライスする作業もちょうどやっていて、これも1バット欲しい程でした。

これがスーパーに卸されて和牛として売られるんですが、この数年は全米どこの都市に行っても高級志向のスーパーに行けば和牛は売られています。

ただし、消費者には日本産和牛とアメリカ産のWagyuや和州牛などの違いはイマイチ分からないし、中にはハイブリッドと呼ばれるそれらの中間の和牛として出回っているそう。

例えば先月お伝えしたニューヨークの中心部に開店したウェグマンズでもミートコーナーにデーんと置かれています。 和牛も、アメリカ産のWagyuも、アメリカ産で最上級のグレードであるプライムの肉も並びます。

先月号のウェグマンズはこちらでお読み頂けます。

https://ny-news.amebaownd.com/posts/48909300

日本産とアメリカ産の和牛はサシを見れば一目で違いますが、値段でも一目で違います。

そして頻繁に出るものでないからか、ロスにならない様に個別に真空パックになってます。

アメリカの肉の単位は基本がポンド当たりの価格で、lb(LB)と表記してこれが約454gです。

今回ウェグマンズで売られていた最高価格の和牛は、A5のStrip Loinの$239.99(=$240.)という肉で、一切れが平均$35.と書いてある。  

これは100gで言えば$45.6で、現在$1が150円としたら約6800円+税金となります。 肉屋で買ってこの価格だから、レストランでこの100gの和牛の最高グレードを食べたらどうなるんだろう?


現地人はやっぱり肉の塊を食べたい人が多いでしょうから、アメリカ産のプライムでLB$38.99の大きな一枚(平均$39.)とか、似た価格のアメリカ産の和牛を貰うのだと想像出来ます。

ウェグマンズではAsian Shabuというコーナーがあって、ここでは全ての肉を薄切りにして真空パックにしてありました。  何とアメリカの精肉店ではこの薄切り肉はほとんど扱われていないのです。

他のお店も見てみよう。

高級食材を扱うイータリーのフラットアイロン店を見てみました。

JAPANESE A5 RIBEYEがありました。

日本産和牛のリブアイ(日本ではリブロースか)は一種類でLB約$150.でした。

それ以外の和牛はアメリカ産でLB$40.台で売られ、多くはUSプライムのグレードです。

USプライムとはアメリカ農務省の牛肉のグレード付けで、

最高位がプライム、

その下にチョイス、セレクト、スタンダードというグレードとなっていて、

通常のマーケットや精肉店で売られるグレードはその辺までです。


日本でも最近はよく聞くと思いますがドライエージング(乾燥熟成肉)は、主にUSプライムの最高のグレードを使ってドライエージングをかけます。

ドライエージングの詳細を知りたい方はWikipediaをご覧下さい。(15年以上前に私がこのページを起こしました)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%BE%E7%87%A5%E7%86%9F%E6%88%90%E8%82%89


ニューヨークのスーパーで、特に乳製品や肉で有名なスチューレオナードでは、店内のお客の目の前でドライエージングが行われ売られていきます。

又、夏のBBQシーズンやホリデー前は勿論ですが、通常でもミートパッカーから来たそのままパックの肉(ウェットエージの状態)で店頭で売られます。

これは勿論アメリカ産の肉で、多くはプライムかチョイスで、1本丸ごと買うと$100前後から$150ですが、ステーキが10−15枚に切り分けられます。

和牛はコストコでも売られています。

でもこのサシの感じ、A5となってはいるけれどどんなグレードだかちょっと分からない。

アマゾンでも売ってます。

説明では宮崎、北海道、鹿児島などとなっていて、見るからにそれそのものです。

こんな固まりで買うのかって、そうです、今アメリカは寿司屋ラーメンに続いて和牛のブームに入っています。  日本の不景気と違って、これをXとも思わずに購入する層がたくさん居るのです。

でもそんなに沢山食べるのかって思われるでしょう、はい、そんなに食べるんです。


市内や近郊の日本レストランでも和牛が使われていて、我々には何と言ってもすき焼きやしゃぶしゃぶに使って欲しいし、焼肉店でも使われています。

多くのステーキハウスのメニューにも上がっていて、プライムのドライエージの更に上の最上級が和牛という事になります。


実は私自身もちょうど先月、マンハッタンの百百川レストランですき焼きを食べていました。

その時の写真を載せます。

お鍋もお酒も準備万端、和牛のすき焼きには日本酒が良い、久保田の万寿・千寿が似合う。

貰った肉のアップですが、上がUSプライムで下が和牛。

宮崎牛もあるとの事でしたが、これ以上のサシだと一切れしか食べられなさそうなサシだったのでこれにして貰いました。

食べ比べたらよく分かる、食べてみて両方違って実は両方それなりの味覚があって良い、どう良いかって書けるけど書けないので食べてみましょう。

百百川は焼いてくれますが自分で好きなように焼く事も出来て、お酒飲みながらの場合は良いペースで焼きながら食べられます。

ニューヨークだけでなく、多くのレストランのプレミアムメニューに和牛が使われています。

ダウンタウンのJスペックはトモエ系列の和牛で有名な店です。

ミッドタウンの高級レストランのステーキメニューの最高ランクがプライムのドライエージングですが、その上がコーベの和牛とA5です。

6oz(=約170g)のコーベ和牛が$240.とは少々お高め、でも最高級の店の最高のステーキメニューという事です。



トモエフードの工場は最近スペースを拡張してHACCPも取得して安全で衛生的に作業が行われる工場になっています。 更に拡張した事で作業用の機械を入れるスペースもあります。

工場内と作業場の一部を見せて貰いました。

先ずは手と靴を洗って消毒、コートを着てヘアカバーです。

こちらはパッカーが並んだところ。


当然ですが、スライサーとパッカーは一部並んでいます。

アメリカでは薄切りにした肉はほとんどお店で扱われず、ベーコンなど一部だけが薄切りです。 従って多くのミートパッカーではその作業が行われないので、ここに入っている高速スライサーで牛バラ肉の薄切りをしていましたがこれは日本から輸入した機械だそう。 

何十年も前に吉野家で初めて導入した高速スライサーは日本に無くて外国(多分米製)から輸入してたと記憶します。

もちろん昔ながらのスライサーも数台あって、小口のオーダーにもこれの方がむしろ良いのでしょう。 見覚えのあるスライサーです。

使うトレイもピンからキリで、在庫期間やロスを考慮して良い素材のトレイが使われていました。

トモエ・フードサービスはミートパッカーで卸売をしていますが、傘下には市内のレストランや食品小売店もあるとの事。

社長はこの竹重さんです。

詳細はトモエのウェブサイトを見て下さい。

https://www.tomoefoodservice.com/



下城NYニュースではニューヨークと接続するフィラデルフィア、ワシントン、ボストンなどを組み込んだ研修や視察プログラムを用意しております。

昨年来次々と開店した首都ワシントンのウェグマンズ、デラウエア州のウェグマンズと立て続けに小型の店を開店し、コロナによる作戦変更の様子が見られます。

更には23年の早々にワシントンの南側郊外のバージニアでも小型店を開店し、明白に店作りに反映させているウェグマンズで目が離せません。

昨今のインフレの影響もあって、この2−3年間で一番出店しているのがディスカウント系のチェーンです。

ニューヨークの郊外で、アルディ、リドル、グロサリー・アウトレット等その店舗を一気に視察する事ができます。

滞在期間や日程はご相談に応じます。

詳細は下城までお問い合わせ下さい。

By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■ 11/25/’23

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SHIMOJO NEW YORK NEWS

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