下城NYニュース、07-'24(アマゾンの居抜き物件, Big-Y)

アマゾンのスーパーマーケット型実店舗であるフレッシュ店の新コンセプト(新生でV−2=Version-2という意味)に関するニュースを6月号として発信したばかりですが、関連したニュースをお送りします。


2020年からのパンデミックがあった事で世界中の消費者の買い物志向が大きく変わり、アプリを使って買い物を発注して「デリバリー」を受取る、

又は買い物リスト通りに商品を揃えて貰って指定の時間に受取りに行く「カーブサイド・ピックアップ、又はBOPIS(Buy Online Pick-up In Store)」等

大いに使われました。

アマゾンフレッシュでは、スマートカートやレジレスのシステムを使い買い物の最後にレジに並んで精算と支払いをする必要のない店舗を運営、その1店舗目は2020年夏でした。

コロナ対応にぴったりなその分野では、コロナの前から力を入れていた通販大手のアマゾン・フレッシュが最優位に立ち、図らずも進めていたアマゾンが得意とするハイテクを駆使した事業プランがそのまま使えた事で、一気にその買い物方法が業界全体の常識となりました。


しかし今から1年半ほど前の23年初旬の事、コロナが落ち着いてきた事で消費者の買い物志向が以前の様に戻ってお客はお店で買い物をする楽しさも思い出しました。

コロナ中には最適でも商品が限定で買い物がしやすいとは言えないアマゾンのフレッシュ店舗は、その優位さが薄れてしまいました。

そこでアマゾンは店舗のコンセプトを修正する事となり、2023年初旬から店舗開発と既に着工している店舗の開店を中止していました。

実際には既に出来上がっていた店も開店を控え、1年以上の見直し期間を終えて一部は修正を加えて最近開店していますが、一部はリースを解約又はサブリースの形?、て他社に譲渡しています。 一部では大家との訴訟問題にも発展していた様です。

計画を中止して開店せずリースを譲渡した店を買ったスーパーが、内部はアマゾンのそのままで開店しているのも事実です。

今回のニュースは正にそこなのです。

日本ではこんな地味なニュースはなかなか出ないと思いますが、ニューヨークの北東側郊外でチェーン展開するBig Yというチェーンの最新店は全くこのものズバリでした。

このニュース報道で使われている写真の店舗正面の一部には、アマゾンの看板である緑のストライプがついたままになっています。

その写真部分だけを見るとこれで、NOW HIRING!の右側に見えています。

 アマゾンフレッシュの他の店と比べると一目瞭然です。

この緑のスリットが付く部分が出入り口になっていて、引き継いだ現行のBig-Yの正面写真でもそれがよくわかります。

Big Yの赤い看板の下が出入り口で、緑を外して赤い看板を取り付けたら出来上がりです。

それに加えてこれからご覧に入れる店舗の内部を見たら、まさしくアマゾンの店舗が既に出来上がっていたそのまんまを引き継いだと分かります。

6月26日に開店してまだ1ヶ月ですから、新店舗でもあり綺麗で明るく出来てます。

ここで確実に違うのはフローリングになっている事です。

ビッグYはニューヨークの北東側地域のコネチカット州からボストンがあるマサチューセッツ州で展開するリージョナル(ローカルより広い範囲)のチェーンで、77の店舗網です。

リージョナルチェーンであるからこそ、地元ローカルの農家産商品を扱う事で地元のお客に対してもアトラクトします。

ニュースでは間もなく数店舗の開店が予定されているとの事、その開店予定の町の名前から判断するとアマゾンフレッシュが着工して開店予定の町でもある事から、そちらもアマゾンからの居抜きである可能性があります。

私が特に目が届くニューヨークの周辺だけでもこの状態ですから、おそらくアメリカ国内の他都市でもアマゾンの居抜き店が開店する事と想像出来ます。


店内をもう少しお見せします。

ビッグYの店内ですが、この黒い特徴的なゴンドラ棚はどうでしょう?

同じ角度のアマゾンの写真が無いのですが、

床がフローリングになっているのがビッグYで、コンクリ打ちっ放しはアマゾンです。

以下2枚のアマゾンフレッシュの店内、ゴンドラ棚、天井も見比べてみましょう。

天井の素材とカメラを数千台付ける筈であった鉄骨の位置と使いかたはどうでしょう?

スーパー型のアマゾンフレッシュとコンビニ型のアマゾンGOでウォークアウト型の店舗に行かれた方はご覧になった筈ですが天井のカメラ、スキャナーの数が異常に多いのです。

広いサイズのアマゾンフレッシュでは、数千台のカメラとスキャナーが付きおまけにゴンドラ棚には計りが組み込まれ商品を取り出した際の重量変化を把握しています。

その計器の情報はワイアレスでなく低電圧の配線でバックに送られる為その配線の数が想像を絶し、天井裏ではなく天井の見える部分に配線ラックがありそこに収まっています。

因みにアマゾンの打ちっ放しの床は、アマゾンの常で既存の床をそのまま使う事が基本で入居する店舗の多くはトイザラスや家電チェーンなどの小売業が入っていたスペースからの引き継ぎで、改修時に使えるものは出来るだけ手付けずで店を作っているという方針なので、天井も床もアマゾンの特徴が出て分かり易いのです。

そしてその天井の配線ですが、以下はBig-Yで天井にはアマゾンが設置した配線用のラックがそのまま残っています。  カメラとスキャナーが付くと何千という細い配線がそこに集められてバックへ送られるのです。

それはその次のアマゾンの写真で確認出来ます。

写真では突き当たりにSEAFOODとBUTCHERの精肉鮮魚売り場が見えていて、アマゾンの配置そのまんまです。

見難いですがこの部分だけでも何百かのカメラが付いていて、前後左右から集まった配線がラックに集められています。


アマゾンの精肉鮮魚のカウンターサービスの写真ですが、アマゾンの店舗でも真空パックされた精肉鮮魚をデリバリーする事が店舗存在の大きな意味であり価値であるので、来店客数が少なく更に接客コーナーで買い物をするお客が少ない現状ではこのコーナーはサービスカウンターではなく作業場と化しています。

Big-Yでは勿論サービスカウンターとして使われています。

同じ角度が無いのですが、Big-Yでは冷凍ケースは全くそのままを使っています。

フローリングにしてあります。

こちらはアマゾンフレッシュで天井のカメラが目立ちますが全く同じの冷凍ケースです、打ちっ放しの既存の床にはヒビが入っているもののそれを埋めて使われているのが分かります。

見覚えがあるデリカのコーナーも配置も什器も全くそのままですが、計算高いアマゾンはここまでしてもこのリースを手放してチェーン展開を続けています。

実際には新生=V−2のアマゾンフレッシュ店舗は既に開店していて、ニューヨーク商圏ではニュージャージー州の中部に開店、シカゴでも新生店が開店しこの先も目白押し状態です。

それにも増して、まだまだ深い事をアマゾンは考えていて、傘下のホールフーズでも新業態のブランド店舗が間も無くニューヨーク市内マンハッタン住宅街に開店、その2号店も着工でこれはタイムズスクエアにも近い劇場街、TEST & LEARNと呼んで体験して学習する事で失敗は恐れないアマゾンという企業の今後の変化が非常に楽しみでもあります。


ニューヨークの郊外ではまさしくその業態であるアルディ、リドル、グロサリー・アウトレット等その店舗を一気に視察する事ができます。

滞在期間や日程はご相談に応じます。

詳細は下城までお問い合わせ下さい。

By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■ 7/26/’24

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