下城NYニュース 1-'19
下城NY・ニュース、2019年1月
新年おめでとうございます。
皆様にとりまして、健康で日々有意義にお仕事が出来、大きく飛躍出来る年になります様、ニューヨークから祈念致しております。
過去数年のニューヨークの年末年始は大きな寒波等があり、最低気温は-15~20℃という寒さを思い出しますが、今年は穏やかな数日でありました。
曇っていたので「初日の出」は見えませんでしたが、元旦の朝7時18分我が家のベランダから見える東の空です。
日本では元号が変わるので、大きく変化のある年となる事でしょう。
先だってのニュースではアメリカの景気は堅調との事で、ここニューヨークでは新しい小売業チェーンの進出や新業態が昨年相次ぎ、本年も引続き興味深い話題が沢山ありそうな2019年です。
*ドイツ発のディスカウンターLIDLが2017年アメリカに進出し、2018年にはニューヨーク市内の離れ島スタテンアイランドまで出店しました。
そのリドルは昨年末にニューヨーク市内とロングアイランドを中心に約15店舗を展開するベストマーケットのチェーンを傘下に入れた事で、その店舗のほとんどをリドルへ転換出来ると計画しています。
そうなれば2019年の間にクイーンズ、ブルックリン、ロングアイランド地区への店舗展開という事になりそうです。
*又、長く望まれていたニューヨーク市内の日本村、「ジャパン・ビレッジ」がブルックリンに開業しました。
それに関しては次のページで詳しく解説致します。
*スターバックスは今までのイメージを一新する、旗艦店のリザーブ・ロースタリーをチェルシーに開店させました。
全米二店舗目となったロースタリーも後のページに解説致します。
*そして今年は待望のウェグマンズがニューヨーク市内に開店します。
ウェグマンズのニューヨーク市内店はブルックリンにこの秋開店で、これは街中立地なので通常の巨大な売場面積1万5千平米クラスの店ではなく、その半分位の大きさになり、日本でも即使えそうなサイズでアイデアが満載です。
実は街中タイプの店舗は既にボストン郊外等でも出店しているので、それを想像しますが当然絶好調のグロサラントのタイプでカフェもお酒も飲めるレストランバーが併設されるとの事です。
立地としては、ネイビーヤードと呼ぶ元海軍基地でもあった再開発地域の一角で、付近は工場倉庫地帯、団地型の住宅地がありますが開発が進んだ事で高収入の若い層(*平均年収約$15万)が一気に流入している地域です。
*情報源はhttps://www.point2homes.com/US/Neighborhood/NY/Brooklyn/DUMBO-Demographics.html
ウェグマンズは現在98店舗のチェーンですが、首都ワシントンの南側でアメリカ南部地域のバージニア州とノースキャロライナ州で開店がある為に間もなく100店舗を越えます。 我々の身近な地域では、ニューヨーク市北郊のハリソン(市内から約30分)を含む複数のニューヨーク商圏の店舗が予定されています。
日本でも話題のグローサラントですが、ウェグマンズは約100年前の開業当初から店内で販売した惣菜を店内で食べるコンセプトを実践しており、店内の一角に本格的なレストランを付けたのも1980年代に始まっています。
ホールフーズもその他の食品スーパーも、その頃から次々と採用していたコンセプトです。
それが今になって更に多様化し、ロケーションと州の酒販法などを考慮してレストランを付けたりパブを付けたり、本格的なハンバーガーを注文を受けてから調理するバーガーバーなどを併設しています。
ブルックリンの店舗もハリソン店も、同様なグロサラントになる事と想像出来ます。
首都ワシントンの商圏といえば流通業小売関連の視察のメッカですが、南部フロリダ州から進出してきた(ウェグマンズと並ぶ)全米最高レベルのスーパーマーケットチェーンといわれるパブリックスも進出してきています。
フロリダ州発というこの発祥から、けっして大型の店でなく店内での飲食スペースも最低限だけが用意されますが、非常に買い物のしやすい店舗を作っています。
フロリダ州の生活環境では、週に一度のまとめ買いをしにスーパーマーケットへ行くのではなく、複数回に分けて買い物する人も多く、そこで外食や中食を利用して食事をするのではなく、食材を買う事が主目的になるはずでそういう店作りをしているという事です。
1200店舗のチェーンとなってもまだまだ伸びていきます。
この店内にはその秘密が随所に隠されています。
見難いと思いますが右は冷凍の魚の切り身のPB商品です。
このパッケージを見ると、何というどんな魚なのかが一目で分かるし、これと同じ要領で冷凍のフルーツも野菜もパッケージされています。
パッケージング次第でPB商品の売行きも立ち位置も左右されるといわれますが、こういうシンプルさゆえの好感というのもあるという事です。
しかしこの店の最大の人気の秘密はカスタマーサービスと接客にあります。
食品スーパーの接客とは、多くの場合商品を売る事を前面に出していますが、この店ではどの売場に行ってもレジに行っても、スタッフ達と気持ちの良い会話があります。
どんなに快適なものか、日本の多くのスーパーマーケットで体験するものとの違いをご自身で体験してみて下さい。
西海岸から展開してきたスプラウツも進出し開店しています。
2002年にアリゾナ州で創業した若い会社ですが、ホールフーズやトレーダージョーズが大いに活躍するオーガニック食品・自然・健康食品を扱い、ニッチな部分に目を付けています。
アメリカでは自分自身の健康の為に、オーガニック、自然、健康という志向の食品を食べたいという消費者が沢山居ます。
おそらく日本も同じ事だと思います。
しかし違うのは、それらを買って食べる事は自分の身体に良いという事と共に我々が住む地球にとっても良い事なので実践しているという、多少の優越感がある様に思います。
そしてこれらの店で共通して力を入れているのがアレルギー対策商品やグルテンフリー商品です。
その為には、平均して25~30%程度のプレミアム(高価格)も厭わないというのがアメリカ式です。
店舗展開はカリフォルニア州が中心ですが、そこから南部各州と中西部のテキサス州に主に展開し、更に東に進んでフロリダ方面へ、そして北上してニューヨークに向かってきています。
アメリカの下側半分に展開しており、現在はニューヨークの南側にあたるフィラデルフィアまで来ています。
店舗は通常約3千平米と小さめのスーパーのサイズ感で扱い商品も限定ですが、そのフィラデルフィアの店舗は元倉庫のビルを修復したクールな建物と店作りで、剥き出しの鉄骨の天窓から降り注ぐ光とところどころにぶら下がった秤、大きくて見易いデザインの異なるPOPが目に飛び込んできます。入った瞬間に「ここは楽しそう」と購買欲を掻き立てられる見事なデザインになっています。
そしてこの店の最大の特徴ですが、日本ではまだあまり知られないけれど重要なものとなるグルテンフリー等の食品で、アメリカでは非常に需要が高まっていてこの動きは必ず日本へも飛んでいくはずです。
何故ならば、アメリカにグルテンアレルギーが多いのはアメリカ産の小麦に原因がある様で、そうであればアメリカ産の小麦商品のパスタや菓子を多く食べる日本を含む多くの地域でもその傾向があると考えられます。
日本で消費される小麦の半量以上がアメリカ産だそうです。
スプラウツで非常に感心したのが、グルテンを中心としたアレルギーがある人用の食品が多い事とその表示がしっかりしている事です。
見難いですが、右写真の黄色いプライスカードは、ドーナツやアップルパイ、そして各種パン等で全て小麦を使用しないグルテンフリー食品です。
ダイエット目的のグルテンフリー・ダイエットというのもあると聞きますが、実際には体調の状態によってのみ発生する人も居るなど分かり難いアレルギー症状もある様で要注意です。
ここではアレルギーのある人が安心して簡単に買える仕組みを作っているという事です。
□■ブルックリンとインダストリアルシティー■□
2018年も非常に話題に上がったブルックリンですが、ウイリアムスバーグ地区やダンボ地区だけでなく少し北側のグリーンポイント地区や南側でウォーターフロントのサンセットパーク地区にも話題が広がっています。
サンセットパーク地区は1970年代以降スラム化し、今でもまだ再開発されていない地区が多く残っていますが、その一角の元ブッシュターミナルという地域にはインダストリーシティー(I,C,)という大型ビル5棟から成る複合開発施設が先行して開発され、大いに興味を引いています。
その巨大な元倉庫ビル群を使った複合施設(I,C,)の中に、これまで長い間ニューヨークで求められていたにも関わらず本格的なものが実現しなかったジャパンタウンそのものの「ジャパン・ビレッジ」(約2千平米)が2018年11月オープンしました。
ジャパンビレッジの中心はマンハッタンで展開している日本のマーケット、サンライズ・マートで、小さいながらも広い品揃えで食品だけでなく日用雑貨品も揃います。 サンライズの店内には鮮魚店、和牛も扱う精肉店がインストアされ、手作り豆腐を作る豆腐専門店も準備中です。
その一角に日本食フードホールを作り、すし店、ラーメン店(せたが屋)、うどんそば店、カフェ・ベーカリー、惣菜店、おむすびと弁当店、お好み焼きと焼きそばの店、丼もの店、店内で飲酒も出来るバーもあります。
一部の店舗はまだ準備中の状態ですが、時間の問題でニューヨーク最大の日本のフードホールとなります。
現在まで日本のフードホールと言えばニュージャージー州側にあるミツワマーケットだけでしたが、それに対抗する大きなフードホールです。
元倉庫だった建物をリノベーションしオリジナル部分も多く残っている為に、現時点では建物間のアクセスや動線が整備されておらずショップ間の移動には屋根も壁も無い外を抜けて歩く事になります。 雨の日、風の日、寒い雪の日などは最悪だし、トイレも限定的なのは不便この上なく、ジャパンビレッジの付近にはトイレも手洗いすらも無いのは不便である事は間違いありません。
そして絶対的な席数が足らないので週末は大混雑、まだまだ改善の余地ありです。
I,C,の中はショッピングセンターの様になっていて、ファッション店、雑貨店、家具店の他あらゆる種類の飲食関連のショップもフードコートもあり、ニューヨーク初のアメリカ産米とブルックリンの水を使った日本酒の酒蔵があります。
□■スターバックス・リザーブロースタリー■□
ニューヨーク市内にスターバックスは400店舗以上あるという調査があり、そのうちの300店舗ほどがマンハッタン内にあるとの事です。
マンハッタンといっても広くて、その中心街でありウォール街等もあるダウンタウンとタイムズスクエアやロックフェラーセンターもあるミッドタウンでは、各ブロックに複数の店舗がある為に密集する程のスターバックスが目に付きます。
昨年12月、ダウンタウンのチェルシー地区にオープンしたのがスターバックスのフラッグシップ店ともいえるリザーブ・ロスタリーです。
ロースタリーとはその名の通りコーヒー豆を焙煎する「ロースト工場」付きという事です。
工場付きのスターバックスといってもピンと来ませんが、スターバックスのテーマパークの様な店と考えてみました。
ロースタリーは開店したばかりのニューヨークと本拠地であるシアトルにあり、海外ではミラノと上海にあるのでこれで4店舗目となりましたが、2019年初旬に東京の中目黒でも開店予定との事です。
テーマパークの様な旗艦店ロースタリーでは、お客の目の前にコーヒーが麻袋ごと積まれていて、その横で豆をローストしている様子を見て、炒り立てのその豆を使ったコーヒーを提供しています。
通常はコーヒーマシンで珈琲を立てたり淹れたりすると思うのですが、この店では淹れ方の選択も出来ます。
通常のコーヒーポットで淹れたり、ブリューワーでドリップしたりエスプレッソで落としたり、又、サイフォンもあります。
それらを同じ豆で二種類の淹れ方で比較して飲んでみる、という事も出来るのです。
先週のメニューには、Christmas 2018, Pantheon Blend, Blue Mountain等6種類の豆の選択がありました。
ご興味がある方は、文字が多く見難いとは思いますが以下のリンクか検索でメニューをご覧下さい。(例: New York, Roastery, Menu)
https://www.starbucksreserve.com/en-us/locations/new-york/menu#
2千平米以上ある店内は大きく3つのフロアに分かれ、アルコール入りの飲料も扱う事もあり一部のメニューは売場が限定されています。
店内には薪オーブンで焼いたパンのコーナーがあり、イタリアからシェフRocco Princiを招いて準備したパンやそれを使ったサンドイッチやピザ、フォッカッチア等が売られます。
挽いた豆の売場、コーヒー関連商品、雑貨やギフト商品も並んでいます。 どの売場にもスイーツが用意され、ハイチェアが並ぶバーもあり立ち飲みカウンターもテーブル席もあり、だんろの前のカウチ席も広く取ってあります。
見たところ、あまりに快適なスペースの為リラックスしている姿も多く、満席になっている事も多くみられます。
□■アメリカン・ドリーム(メドウランド)■□
以前にもお伝えしましたが、現在ニュージャージー州で開発中の「アメリカン・ドリーム」はニューヨークの中心街であるタイムズスクエアから約10キロ西のラザーフォード市に開業するスポーツ・エンタメ系のショッピングセンターです。
工事も最終段階に入り、この春から夏までの開業に向けてスタッフ募集や宣伝活動が本格化しています。
カナダのエドモントンに本拠地があるトリプル・ファイブ社(555社)が開発し経営もしますが、北米で最大のウエスト・エドモントン・モールとミネアポリス郊外のモール・オブアメリカを運営する経験もあり、アメリカン・ドリームが開業すると45万平米の小売面積に500店舗以上のショップが入りホテルも隣接する事でアメリカ東海岸側で最大のショッピングモールとなります。
この計画は2003年に始まりましたが、リーマンショックを含む世界経済の影響や法的な問題などを受け何度も変更や中止案がありました。
2013年に世界最大級のモールを開発して運営してきた555社が計画を引き継ぎ、やっと間もなく開業と言う状況になったところです。
アメリカン・ドリームの隣接地域には、アメリカンフットボールのニューヨーク・ジャイアンツの本拠地であるメットライフ・スタジアムや総合体育館、競馬場等もある一大総合スポーツ施設がある事、又、ニューアーク国際空港も近い事から、大きな集客が想像されます。
テナントには大手百貨店であるサックスやロード&テイラーの他、世界ブランドのエルメスや化粧品のマック、多くのカジュアル、スーツウエアや用品のショップが決定しています。
エンターテイメントでは屋内スキー場、スケート場、ウォーターパーク、水族館、キッザニア、シネコン等、非常に充実しています。
人が集まれば当然食も充実するのは当然の事です。
この中には、ブルックリンに開業したジャパンビレッジのNJ版フードホール、ドリーム・ジャパンも入ります。
既に相当のテナントが決定し交渉中の案件も進んでいます。
この企画のプロジェクトマネージャーとテナント募集を担当する住友不動産販売NYと懇意にしておりますので、現在の最新状況や情報、ニューヨーク進出、出店にご興味のある方は下城までお知らせ下さい。
昨年以降、ニューヨークでは毎週の様に日本発または日本発祥のレストランや食品店、小売店が開店しています。
グルメと健康に深い興味を持つニューヨークの人達には、本物の日本発の食品・商品への興味は増すばかりです。
そして今までと違うのは、アマゾンを代表とする通販の台頭によって、ニューヨーク市内各地域のこれまでの小売業は大きく苦戦しており路面店でもモールでも閉店や縮小が多く見られます。
トイザらスやシアーズ/Kマート、ウォルマートのホールセールクラブであるサムズ・クラブの様な大手の小売業も倒産廃業や大幅に縮小し、全米チェーンのJ・クルー、女性シューズのナイン・ウエスト、アクセサリーのクレイアー等も同様です。
ところがほとんどの商品はアマゾン等通販で割安に購入出来る事から、消費者はあまり困った状況ではありません。
それによって、商業不動産物件の価格や家賃が暴落状態で、昨年から店舗用物件の買い手市場が続いています。
こんなチャンスは過去にはあまり無かった事ですので、ぜひこの機会に調査をしてみて下さい。
我々自身も実際には消費者であって、例えば夕食に食べるラーメンは一杯$15、で定食屋さんのしまほっけ定食は$27、等です。
気軽に食べる夕食で、ラーメン屋さんに入ってビールやお酒を一杯飲んで〆のラーメンと食べたら$40~50、という生活と物価に慣れているのがニューヨーカーですので、我々もそれを提供する側にならない手はありません。
こんなニューヨークの現状ですから、皆さんの想像しなかった意外な事が分かるかも知れません。
本年からJETROが主導する日本産食品のニューヨーク地区でのプロモーションにも参画致しました。
この春から秋までの間にニューヨークとシカゴ、ワシントン、ボストンの 「最新小売業・視察研修」プログラムは如何でしょう?
上記でも紹介しましたウエグマンズのグロサラント型の店舗や、商圏に進出してきた全米で伸びている小売業の最新店を組入れ体験出来るプログラムをお作りします。
この日程は小売業用の視察の一例ですが、内容はこれに限らず食品小売やスーパーマーケットチェーンや外食業を含める等ご希望に合わせてオーダーメイドと致します。
ご希望があれば、このワシントン+ニューヨーク研修の様に都市を陸路で移動しながら視察研修する等、他では得られない日程も用意してあります。
企業チーム様からのご参加では、大変お得なパッケージ価格を用意しており、6泊(ワシントン3泊+ニューヨーク3泊)の場合の現地価格はお一人様当たり$2,000、からとなっておりますので、詳細をお問い合わせ。
ボストンーNY、ワシントンーNY間、シカゴとNYなどの視察研修を含め、各種お気軽にお問い合わせ下さい。
是非この視察研修プログラムで最新情報をキャッチして、アメリカの優良小売企業を目の当たりに接し、愛社精神と人間力を培いこの業界をリードするトップになって頂ける事、又、参加されるスタッフさんの感動を引出す事は間違いありません。
ご興味のある方は下城までご連絡下さい。
チャーリー下城NYC■ 1/12/2019
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