下城NYニュース、12-'24(ホールフーズ・スタンフォード店)

待ちに待ったホールフーズの最新店が開店しました。

ホールフーズは全米最大の健康食品とオーガニックを中心に商品を集めたスーパーマーケットチェーンです。

1980年にテキサス州で創業し、ニューヨークには1998年に進出してきました。

12月12日、ニューヨーク郊外の高級住宅地を控えるスタンフォード店が2年以上の工事期間を経て開店しました。

店内に入ればいつも通りのカラフルで良い匂いがするフルーツと新鮮野菜のコーナーです。

そして入り口に必ずあるのはフローリストで、こちらの花屋さんでは結構値段が高いのに対してホールフーズやトレーダージョーズは手頃な値段で毎週買いたくなる様な品揃えです。

ホールフーズは2017年にアマゾンの傘下になってから店の運営や価格なども相当変化してきました。

それでも変わらないのが彼らのポリシーで:

「ホールフーズは健康食品・オーガニック食品を通して我々の体に優しい事

地元産のローカル食品を通して環境と地球に優しい事」です。

店内にはローカル食品が目立ちますが、地元産の商品を扱う事で輸送に燃料を使わず排出する排気ガスもミニマム、そして短時間でお客に届けられる事で新鮮であり、地元の経済が潤う事になります。

地元食品は大きく表示されていて、これはニュージャージー産の日本品種の梨、そして直ぐ近くのパン屋さんが焼いているピタブレッドで、普通のスーパーで売らないものも多く扱われます。

これはオレンジですが、袋入りパックもありバラで選ぶ事も出来ます、値段は1ポンド(450g)当たり$2.49の商品がセールで $2.21、アマゾンのプライム会員だと $1.99と表示されています。 プライム会員は最後のレジで電話番号を入れると割引が適用され、クレジットカードが入力されていればボタンを押すだけで支払えます。

アマゾンワンという手のひら認証でも支払い可能で、お財布もカードも不要で支払えます。

扱い商品の中心はオーガニックであって、オーガニックでない場合でも市場に出ている食品・商品の中で一番上級で環境に配慮された商品というのが基本です。

健康と環境を両立させているものの代表が精肉売り場で、こんな看板が出ています。

Animal Welfare Certifiedで、ベーシックから2−3−4−5−5+までのカテゴリーに分かれています。

ベースはその肉が動物であった時に、成長ホルモンや抗生物質が投与されていない事、檻やケージに入れられ、詰められて育っていない事が条件です。

従って、ほぼ重大な怪我が病気もしておらず医学治療を受けていないという事になります。

1つ上がって2番では、その動物は快適で清潔な環境で育ったという項目が加わります。

3番は、屋内飼育でも外部に出られる環境である事

4番は屋外には牧草が生えている農場である事

更に上がると、収益目的よりも動物が育つ事が中心になった飼育である事や、産まれてから出荷まで同じ農場で育った事など条件が加わっていきます。

ケース内で売られている肉には、どのカテゴリーなのか表示も出ています。


そんな理由から、高級な肉と言われる日本産の和牛といえどもA-5と言えどもその生育方法を証明出来ない以上ホールフーズは扱う事はありません。

話しは飛びますが、アメリカ産のお米でオーガニックがある場合、日本産のオーガニックでないお米や米粉、海産物を売り込む等、またそれ以外の商品でも、認証を受けていない商品はホールフーズの扱い対象の優先順位は低くなります。

これを理解せずに日本の商品を売り込む事は大きな困難を抱えてのビジネスとなります。

日本企業が当地(ニュージャージー州)で生産しているいちごはどうでしょう?

通常のカリフォルニア州産のいちごが1ポンド約$5で売られているのに対し、約10粒のパックが約$10(通常いちごの6倍の価格)、プライム会員だと$8、で売られています。

バナナはオーガニックと通常のバナナで、アメリカ産は無いので主に中南米産が売られていてその他のトロピカルフルーツと共にコーナーが作られます。

右側手前の方の大きめの黄色と緑のバナナは黒っぽく相当傷んだ様に見えますが、実はこれは調理用バナナで黒くなって来ないと調理しても美味しくないという種類のバナナでプランティンと呼ばれます。

肉売り場に戻りますが、ホールフーズは売り場の商品(肉)を一切無駄にする事なく使う方針で、午前中に塊の肉で売られていたものは、場合によっては夕方にはマリネになって売られ、又場合によってはその日の夜にソーセージになってスパイスを振られ翌日こんな風にケースに並びます。

勿論ドライエージングの牛肉もあり、差別化の意味でも店頭に熟成庫を置いてあります。

この日は開店当日で、沢山のサンプリングが出ていて割引クーポンを配って拡販していました、これは肉売り場の前でキェルバサソーセージを焼いていました。

その他各売り場にはホールフーズらしくプラントベースのケース、クラフトビールを集めたケース、チーズ売り場、インストアベーカリーが配置されています。

その一角でこのマーケットでの特徴的なのがホットとコールドの惣菜サラダバーです。

デリカテッセンは店内調理で吟味され、日本のデパ地下売り場の様に見えるかもしれません。

ホールフーズは高級志向のスーパーマーケットでお客層もそれに見合っています。

最近一部のアメリカの大型小売業などが抱えている万引き被害対策でセルフレジを減らすとか驚嘆な例では無くすという傾向はここにはありません。

アメリカの小売業の現実としては、ハイテクやアプリを駆使した売り方、売上向上策、生産性向上などが行われています。

レジの半分以上がセルフというのが多く見られここでもそうなっています。

購入した惣菜やランチボックス、ドリンクは店内と屋外に広いテーブル席が用意されています。

ニューヨークの郊外ではまさしくコロナ後を見据えた業態であるアルディ、リドル、グロサリー・アウトレット等その店舗を一気に視察する事ができます。

滞在期間や日程はご相談に応じます。

詳細は下城までお問い合わせ下さい。

By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■ 12/15/’24

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