下城NYニュース、05-'25(食品店が観光地になる)

先回下城NYニュースの4月号ウェブニュース「ニューヨークは今」では、食品店ツーリズムについて触れました。

アメリカ全国紙のUSA Today誌が主催して選んだトップ10特集ですが、

全米にある素晴らしい買い物だけが目的ではない食品店「Grocery Store Tourism」⬅️同紙原文が読めますのトップ10の中にはニューヨーク発の食品店が選ばれていました。

そのトップ10の中でもスケールと内容で言うなら、

オハイオ州の「Jungle Jim International Market=ジャングルジム」はダントツでアメリカのトップではないかと思います。

今回はこれを紹介したく思います。 

インターナショナルマーケットですから、外観からしてこんなジャングルに旅行に行く様な気分になるお店です。

地元のお客に加えて、国内外の観光客も買い物に酒食に集まるお店なので、最近の日本的な言い方をするならインバウンドさんもこぞって集まるお店です。

同店があるのはアメリカの内陸中央部、中西部という場所柄なので日本での知名度は低いかも知れないし、オハイオ州、シンシナッティ市というこの都市名もご存知ない方が多い事と思います。

ニューヨークから飛行機で約2時間、シンシナッティ市はビールや農産物、音楽、スポーツなどでも有名で四季があって州全体が綺麗なエリアです。

食品業界では全米一位のスーパーマーケット(SM)企業であるクローガーの本社があります。 過去2年間クローガーは業界第2位のアルバートソンを買収する交渉をしていました。

オハイオ州はこういう地理的な環境もあって、農産物や乳製品の一大産地として有名であるだけでなく、近隣のミシガン州デトロイトで発祥した自動車産業の流れを汲んであらゆる車両や機械、IT関連の工場があり、今ですとキャンピングカーやRV車両の生産でも有名です。

言い換えればある意味で労働者が多く住む州とも言えます。


だからこそ、と言っては失礼ですがアメリカ人が友人知人を訪ねてオハイオ州へ行くと、多くの人達はこのジャングルジムへ買い物に行くというアトラクションを兼ねた食品店です。

観光客がわざわざ買い物に来て、食事をして一杯飲んでお土産を買っていくのです。

消防車が置かれた売り場はホットソースが売られ、ホットで火が出ても大丈夫という洒落たディスプレイです。

通常の食品店は入り口付近に生鮮品を並べて、お客を奥へ進める為に(客動線を計算し)多くのお客が毎回買うとされる牛乳、卵、ヨーグルトなどの売り場を奥に作る、という常識はここでは適用されていません。

店舗のサイズは通常のSMが約5千平米、大きなSMは1万平米、コストコやウォルマートなど超大型店では2万平米等ですが、ジャングルジムはそれを超える売り場面積です。

しかしこの巨大なマーケットは1971年に駐車場の一角で野菜果物を売り始め、1975年にはその付近の小さな屋内スペースから生まれてきたもので、アメリカでは(おそらく日本でも)アイデア次第で何でも出来るという典型だと言えるでしょう。

店内は遠くからでも分かる例えば蜂蜜売り場があり、地元商品を中心に徹底的に品揃えします。 地元の産品も扱っている事、PB商品のパッケージング等も重要なポイントです。

又、バターの売り場は「Butter Bar」と大きく目立つ看板が出ていてNBの紙のパッケージに入った四角いバターは少なく、地元の農場産で紙のラップで巻かれた手作りのバターも多く売られています。(このエリアにはヨーロッパ移民のアーミッシュも沢山住んでいます)

$13.99の表示が見えますが、これは2ポンド(=約900g)のパッケージでNB商品の1ポンドが約$5前後としたら少しだけ割高です。

でもここへ商品を買いに来るお客はクローガーやウォルマートで格安品を買うつもりがないお客か地元産や高品質商品を買いに来ているわけです。 観光客は生鮮食品はあまり買いませんが、地元産の蜂蜜やジャムは最高のお土産になり他で買う事が出来ないものとなり、価格の事が最重要ではありません。 日本のインバウンドさんの買い物は類似と思います。

広い売り場で扱い品目も珍しいものが多く買い物に時間が掛かりますから、店内には休憩するスペースや一杯飲めるバー(ビールやウイスキーの産地です)やイートインもあります。

ジムビームやサントリー、朝日やサッポロのビールの商品等が並びます。

私もそうですが多くのお客はこの店に入ると3−4時間は掛かるので酒食するのが常です。

多くの売り場にベンチがあり、飛行機の座席が置いてあって空港ロビーの様なエリアがあり、その先にはジャングルの中に居る気分にもなる仕掛けもあります。

食品店である以上生鮮食品、精肉鮮魚は勿論ですが、世界各国の売り場が作られています。

日本のコーナーでは、広いアメリカの内陸部でも日本のお米(カリフォルニア産短粒米やカルローズ)も並んでいてカップラーメンもあります。 しかし果たして黄色いタクアンや豆腐、味噌がどれ程売れるのか気になるところです。 写真二枚目のお米の袋は日本で主流の5kgに対して、こちらでは約7kg弱のパックで売られ、$15〜20程度です。

日本産のコシヒカリなども入手出来、多くは5kgパックが$25、程度と何とも割安です。

沢庵だけでなく日本の食卓に通常上がる様なパック入りの漬物も沢山並んでいます。

日本を代表するアメリカでおなじみの食べ物といえばお寿司とキッコーマンですが、きちんとカバーされています。 夕方や週末は大変賑わっていて、アメリカ人の寿司嗜好が本物になっている事を感じます。

きちんとカバーしているものの一つは、地方では当然のピーナツ(11kg入り)など豆の大きな袋詰めは必須で、アメリカでは当然ですがグルテンフリー等アレルギー対策商品も豊富です。

勿論スイーツ、スナック菓子、オモチャもお土産品も売り場が作られています。

ジャングルジム/・マーケットで特筆するべきは頻繁にイベントが組まれている事です。

ほとんど毎日何かが組まれ、その多くは地元の住民層も反映してか食品に加えてお酒に関わるものが多い様です。

日本流行りはここにも来ていて、日本酒のイベントもあり、クッキングクラスもあります。

日本の小売業企業さんからのご質問で:

価格競争をせずにお客を集める手段を採用している例として幾つかの実店舗を擧げる場合がありますが、ニューヨークからでも視察出来る店舗の例が何店舗かあります。

勿論その代表例としてこのジャングル・ジム・マーケットも入ります。  

デコレーション、コンセプト作り、品揃え、従業員スタッフの接客などの要素が必須ですが、アメリカはそのエンターテイメント性に優れた企業が多く見られます。


お客を集める小売業はスーパーマーケットだけではありません。

次回はアウトドア用品のカテゴリーキラーを特集しご紹介致します。


下城NYニュースでは、春から夏までの視察に最高の期間を利用した日程で小売業視察をご用意致します。

「ニューヨーク〜ワシントンの最新小売業視察」、陸路で結んで通常見られない都市間の小売業事情とアメリカの生活事情を含めた最前線特別ルートを用意しています。

ご希望があればシンシナッティを含んだ視察ルートもお作り出来ます。


実は今、ワシントンの食品店・スーパーマーケット事情はホットです。

自他共に認めている全米最高のスーパーの一つパブリックスは、フロリダ州発祥で見られる機会は少ないですが1店舗だけワシントンの商圏にあり、これを視察に組み込む事が出来ます。

日本から直行便でワシントン着、ワシントンとバージニア州を視察した後は陸路移動をしながら視察を続けて、ニューヨークを視察して終了です。

通常の視察では見られない店舗として:

全米のスーパーで最高と評される幾つかの見どころを用意し、

*ウェグマンズはフルサイズ店とコロナ後に展開している街中の中型店、

*フロリダ発のパブリックス(上記の写真)

*ザ・フレッシュマーケットは2年連続で アメリカのベストマーケットに選ばれたカロライナ発のグルメストアチェーン、

*アマゾン・フレッシュ、

*全米最大のスーパーマーケットチェーンであるクローガー、

*コロナとインフレに起因して大いに業績と店舗数を伸ばしているドイツ発のボックスストアのアルディとリドル、それに競合するグロサリー・アウトレット

*勿論、大人気のスチュー・レオナード、トレーダージョーズもホールフーズも、本場で本物のコストコではアメリカ式の買い物を目の当たりに出来ます。

最低催行人数はお二人からで、ルートと行程によって今回は特別価格を用意致しました。

3泊4日の日程で4人様でご参加の場合は1名様$1500、から

パブリックスとクローガーも回るルートは5泊6日の日程で組み込めます。

この非常に有用な体験と情報には、「関税も税金も一切掛かりません」。

視察中の交通費と視察中の夕食一回も含まれ、日米間の交通費、宿泊費他の経費は別です。

又、エージェントさん、参加者をご紹介頂いた方には特別なお礼を用意致します。

詳細はお問い合わせ下さい。

shimojony@gmail.com (直通メイル)

cs@shimojony.com

まで、よろしくお願いいたします。

ニューヨークの郊外ではまさしくコロナ後を見据えた業態であるアルディ、リドル、グロサリー・アウトレット等その店舗を一気に視察する事ができます。

下城NYニュースがアレンジする視察や研修は、全て下城自身が時間をかけてルートを選び資料を作ってクリエイトし、実際のアテンドまで責任を持って行います。

ニューヨークの食品小売業に関して、これ以上の最新情報はありません。

滞在期間や日程、宿泊などのアレンジはご相談に応じます。

詳細は下城までお問い合わせ下さい。

By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■ 5/01/’25

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