ニューヨークは今、5月13日(アメリカのコンビニ)

アメリカのコンビニエンスストアについて興味深い調査が上がっています。

この調査を発表したのはACSIで、これはアメリカの消費者満足度について、そのカテゴリー毎に調査した2024年の結果を発表して、これはコンビニチェーンに関して述べています。

調査の場合、何においても良いか悪いかというのは何を求めるかによって違うし、個人の好き嫌いもあります。 ここでは個々の消費者の感想を数値化したもので、アメリカ人が日々使っているコンビニ(チェーン)に求めるものが何なのかもよく分かります。

今回はコンビニチェーンについての調査発表を書きますが、この団体からは色々な調査が出ており、我々にとっては外食産業に関する調査も非常に興味深い結果になっていますので、ご希望があれば次の機会にそちらの調査結果もお伝え致します。


アメリカのコンビニと日本のコンビニには大きな違いがあるのは、ご存知の方も多いと思います。

日本では7−イレブン、ファミリーマート、ローソンズ(三大チェーン)の様な小型の商店で、飲料とスナック菓子、食品、日用雑貨品を購入し、ATMなども含むサービス、支払いなどが出来る店、実際にはそれ以上の沢山の社会生活上で必要な便利なお店と私は認識しています。

その3社の中では7−イレブンとローソンズはアメリカ発祥であり、ファミリーマートだけが日本発祥と理解しています。

その他、ミニストップ、ポプラ、デイリーヤマザキ、以前はサークルKもあり私も日本へ行くとそれぞれ便利に使わせて貰っています。

又、東京出身の私は、若かりし頃(80年頃以前)に自宅付近にもあった「サンチェーン」を便利(要するにコンビニエンス)な店として利用していた記憶があります。

アメリカでコンビニといえば基本的に石油系が多く、ガソリンスタンドのキャッシャー部分がコンビニ店の中に入っているという形が多く見られます。

上はシェル石油のスタンドに付くコンビニ店で、下は日本では店舗を吸収されてなくなったサークルKで、基本的にはこれらがアメリカのコンビニのディフォと言えます。

7−イレブンは氷の販売店から始まったビジネスですが、チェーン展開としてはアメリカの典型にならい、都市部以外では給油所も付いた形の7−イレブン店舗が多いです。 

ニューヨークのマンハッタン内にはイボリューション店舗もあり、市内から出た郊外では7−イレブンの新型店舗が既に開店しており給油所が併設しています。  

7−イレブンに関して言うと、テキサス周辺の新業態ではタコスで有名なメキシコフードのQSCを入れていて、ニューヨーク/ニュージャージー州周辺では人気ブランドのフライドチキンのQSCを入れるなどしています。

私の視察研修でもこれらの7−イレブン店を使っています。

コンビニと給油所が同居するこのタイプは、自動車社会のアメリカでは家(又は仕事場)から出る時や帰る時にガソリンを入れてついでにコーヒーや朝食、食後のスナック、翌朝の食事に使うものを買うのに便利だからという、訪問機会が重なるからと言えます。

日本の様な公共サービス代行等の提供は殆ど無く、多くの店舗では銀行ATMが付き一部では通販商品の受渡し等を行います。 

以下の写真は主にテキサス州周辺で展開している新型のイボリューション店舗です。

ニュージャージーに開店した新型の7−イレブンには今までなかったイートイン席を備えてセルフのコーヒーバーを付け、差別化したブランドのフライドチキン店を入れています。


アメリカでは日本の様に街中を歩いて生活出来る都市はごく僅かなので、ざっくりと言えば街中に路面店のコンビニ店という日本の都市部で見る店は存在価値が多くはないと言えます。

アメリカの生活形態が日本と違って電車や公共機関は非常に少ないので、特に地方に行くと給油施設も巨大になります。 場合によっては30トン積みの大きなトレーラーが給油し休憩する巨大なサービスセンターもあります。(写真は全米展開するPILOTのセンター)

トレーラー用のディーゼル燃料の給油ポンプは別の広いエリアに設けられていて、一般車のガソリン給油ポンプと分かれています。 

この場合はコンビニ店とは呼ばずトラックストップといいますが、施設内には売店と複数のレストランの他に有料シャワーと仮眠室やコインランドリー、歯医者を含む診療所なども付きます。

多くのトレーラーには運転席の後ろ部分に2−4畳半程度の広さの部屋が付き、時にはシャワーやキッチンも付いているのでゆっくり休む事が出来ます。

又、お聞き及びの方も居られると思いますが、アメリカの大きな給油所の一部では同時に100−120台が給油出来る様にセルフのマルチポンプが設置されるチェーンがありますが、その中で最高(個人的にもお気に入り)なのがこのバッキーズです。

日本の幹線高速道路につくサービスエリアの素晴らしさは十分承知していますが、違う意味でこちらにも内容が充実した素晴らしい大きな施設があります。

このクラスになると給油の目的でなくてもここに寄るというお客も多いはずです。

その大型の施設は基本的に有料高速ではなく、無料高速(フリーウェイ)上に作られます。

これはテキサス州から始まり主に南部方面で展開を伸ばしているコンビニ付きの給油所チェーン「バッキーズ」の東海岸のロケーションです。  店舗の多くはテキサス州内ですが、フロリダ州、コロラド州、サウス・キャロライナ州等にも出店、多くがこのサイズで現在50店舗を超えています。

最大の店舗は約7000平米、ちょっとしたテーマパーク風です。

ご興味がある方は地元テレビ局の動画(2−3分)もあります

https://youtu.be/SxybIhS1AZQ?si=dhLKWRXJ9HICb2Nw

これはテキサス州から始まり主に南部方面で展開を伸ばしているコンビニ付きの給油所チェーン「バッキーズ」の東海岸のロケーションです。  店舗の多くはテキサス州内ですが、フロリダ州、コロラド州、サウス・キャロライナ州等にも出店、多くがこのサイズで現在50店舗を超えています。

最大の店舗は約7000平米、ちょっとしたテーマパーク風です。


そして本題ですが、「アメリカのカスタマーが満足するコンビニチェーンは何処か」というトップ15のリストがこの調査に載っています。

その1位はペンシルバニア州で創業し、ニューヨーク市のすぐ隣のニュージャージー州で大きく展開しているWAWAというチェーンです。 表の文字が小さくて済みません。

ワワは私の研修でもよく訪問するので同行頂いた方も居られるでしょう、私の実生活でも給油をするしコーヒーを買いトイレも借りて一休みという使い方にピッタリです。

2位以降のチェーンはあまりお馴染みではないと思いますが、10位のSpeedwayはセブン&アイが数年前に傘下に入れたチェーンで、そのすぐ下にアリメンタシオン傘下のサークルKと更にその下に7−イレブンがあり、Shell石油のチェーンは一番下となっています。

リストに載る全てのチェーンはガソリンスタンドの併設で、ワワを含む一部の店舗のみガソリンを扱わないコンビニ店舗もありますがごく一部です。

数値を見ると、1位から5−6位くらいまでは相当逼迫してる様に見えます。

この調査でトップとなったワワってこんな給油所です。

ワワは創業当時が食品店からなので、給油所の付かない街中型コンビニ店も一部あります。

典型的なワワの給油所付きコンビニでは、12−14台分のポンプが付いている店が多い様です。

地方に行くとSuper-WAWAという業態がありポンプが16−20台付き、コンビニ店舗のサイズもそれにスライドして大きくなります。

ワワの全店に付くATMでは金融機関と提携して手数料無しで現金引き出しが出来ます。 手数料は通常$1−2程度が多い様ですが、やはり無料という宣伝効果は大きい様です。

牛乳屋から始まって後からお客の要望に合わせて給油所を付けたという、変則的な始まり方ですが、当然の事ながら同店のコーヒーや乳製品(店内では使い放題)には非常に定評があります。

現在アメリカ東海岸側のみの展開で1200店舗を超え、面積が広いフロリダ州では300店舗以上、続いて本拠地であるニュージャージー州、ペンシルバニア州と続いて各々300店舗弱ですからそれら3州だけでも900店舗近い給油所付きのコンビニを展開しています。

同じ理由で、ワワの場合はランチ用のサンドイッチや朝食のエッグ系サンドイッチの販売が抜群に強く、競合するサブウェイなどのサンドイッチチェーンより評価は高く、その他の品揃えや広い駐車場などその点でもドライバーに人気です。 地方店舗が多いので未だにタバコを扱っています。


ここでアメリカ東海岸の位置関係をご覧頂きます。(アメリカ地図で右側の大西洋側です)

New York州は上の方の青い三角の州で、そのすぐ下のピンクと黄緑色がワワの本拠地があり主に展開するNew Jersey、Pennsylvania州エリアです。 そこから海沿いに下がると表記がありませんが首都ワシントン、更にVirginia州、一番南側が薄紫色のFlorida州でそこはワワの最大の展開エリアという事です。

ニューヨーク以外はあまり行かれる事も知名度も少ないかと思いますが、少し北側に位置するMassachusets州(小さい薄紫色でボストンが有名)周辺を含むこの東海岸一帯がアメリカ最大の裕福なエリアという事になります。

もう一つ、今回の調査で6位になっていますが、この調査の記事では同じ地域で展開するシーツを引合いに出しています。

店舗数はペンシルバニア州周辺とその西側及び南側で約750店舗の展開です。 ワワ同様にサンドイッチを中心とする朝食、昼食メニューを強化して業態は多いに対抗しています。

ただし先に述べた通り、ワワが最強であるニュージャージー州、ペンシルバニア州(フィラデルフィア周辺)、フロリダ州での展開はあえて避けているが如く店舗が無く、上手く棲み分けが出来ている様にも見えます。

調査発表の内容(以下の表)を見ると、消費者がコンビニエンスストアの評価として見るポイントは何かという調査です。

営業時間とロケーションが一番重要なポイントで、それに続いて重要なのは3−4番目にアプリの品質と使いやすさになっています。 今時は待たずに受け取れる様にアプリでオーダーして、又そのアプリを使った時のディールやポイントを貯めて使う事は当然で、それが連動してガソリンも安くなりますから。

幹線高速道路上の給油所である以上、年間を通して24時間営業がほとんどです。

それに続いて調理された食品の品質と美味しさ新鮮さ等です。

重要さが大差で一番低いのはセールやプロモーションの頻度、と言うのがアメリカっぽく、値段等はもはや重要ではないのです。

少し分かりにくいですが、日本の25倍以上という広さがあるアメリカですから地域によって求めるものやお客の受け取り方、接客やサービスに対するあり方が違うかも知れません。

そこで次の表を見てみます。

日本でいう関東地方や関西近畿地方の様に、アメリカでも国内を幾つかの州が集まった広いエリアで括ったものがあります。 ここでは以下の様に4つの広いリージョンに分けていますが、実際にはアメリカ全体の地図でいう左上、シアトルなどもあるNORTHWESTがあり5つに分かれています。

NORTHEAST地方とは、ニューヨーク周辺から北側のエリアでワワの本拠地であるペンシルバニア州も入ります。 このエリアでトップの2チェーンは高得点で先に触れたワワが83点、シーツが81点です。

MIDWESTとはその西側一帯でデトロイトがあるミシガン州、シカゴがあるイリノイ州、オハイオ州やケンタッキーなどのアメリカ中央の内陸部で、トップ2チェーンは83、80点と高得点です。

SOUTHとは大陸の南の方(地図でいう下の方)でテキサス州周辺からフロリダ州周辺までを指し、ここには先に挙げた巨大なバッキーズがありワワもあります。 得点は83、81点で、同じワワでも満足度が下がっているか評価(期待値)が厳しいかと考えられます。

最後のWESTは西海岸側でカリフォルニア州やラスベガスがあるネバダ州周辺です。 ここには満足度が高いチェーンがなく最下位に近い7−イレブンとサークルKがこのエリア中での高得点とされています。

7−イレブンとサークルKの親会社は現在も買収交渉が進展しているとアメリカの業界ニュースに載っていますが、それを機会に、合併を実際にしてもしなくても、この両チェーンは一気に改革をしないと業界で取り残される事になりかねません。

アメリカの7−イレブンは改革を打ち出していますが、本拠地のテキサス中心で行っても全米展開の企業としては意味が薄いです。 NORTHEAST=ニューヨーク等でそれは積極的にやらない手は無い!、とアメリカの業界者も消費者も考えています。


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通常の視察では見られない店舗として:

全米のスーパーで最高と評される幾つかの見どころを用意し、

*ウェグマンズはフルサイズ店とコロナ後に展開している街中の中型店、

*フロリダ発のパブリックス(上記の写真)

*ザ・フレッシュマーケットは2年連続で アメリカのベストマーケットに選ばれたカロライナ発のグルメストアチェーン、

*アマゾン・フレッシュ、

*全米最大のスーパーマーケットチェーンであるクローガー、

*コロナとインフレに起因して大いに業績と店舗数を伸ばしているドイツ発のボックスストアのアルディとリドル、それに競合するグロサリー・アウトレット

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詳細はお問い合わせ下さい。

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下城NYニュースがアレンジする視察や研修は、全て下城自身が時間をかけてルートを選び資料を作ってクリエイトし、実際のアテンドまで責任を持って行います。

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By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■ 5/13/’25

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