下城NYニュース 6-'19
下城NY・ニュース、2019年6月
日本からのニュースでは一気に暑い夏に入った様だと聞いておりましたが、そういえば日本には本格的な夏に入る前の梅雨という時期がありましたね、もうそんな時期ではありませんか?
アメリカは国土が広いので色々な天候の地域がありますが、ここニューヨークは全米の中でも湿度が高い地域で、暑くてもカラッとしている西海岸地域や南部テキサスなどとは気候が違い四季があるのが特徴です。
アメリカでは5月の最後の月曜日がメモリアルデーという祝日に決まっており、この祝日をアメリカ人の感覚としては夏の始まりとしており、多くの家庭で友人知人を集めてバーベキューなどを行う習慣になっています。 日本では6月の第3日曜日が父の日でバーべキューの日となっていると聞きました。
メモリアル(思い出す)デーという祝日ですが、これは主に戦争に行き亡くなった家族などに向け敬意を表するもので、全米至る所でアメリカの国旗を揚げて祝うものです。
我々は自分の国を守る為に働いた人に感謝すべきは当然と考えますが、日本では周辺の二つの国の圧力に押されて政治家がそれを控えるなどおかしな現状です。
今年は5月27日の月曜日がメモリアルデーで、その月曜日を祝日にする事で土曜日からの3連休が取れる様になっていて、多くのオフィスワーカーは金曜日の午後から休みを取って夏の始まりとBBQをエンジョイしている様です。
今年のニューヨークと周辺のエリアでは新規参入の小売業や商業施設が次々と開店しており、この5月、6月にも興味深い開店開業がありました。
エンパイア・アウトレット(Empire Outlets)は既に少しだけお伝えしてありますが、ニューヨーク市内の中でも南側に位置する離れ島に、市内で初の大型アウトレットモール「エンパイア・アウトレット」が開業しました。
マンハッタンの最南端にある地下鉄駅からフェリーボートに乗り換え、約20分間の乗船でスタテン・アイランドの埠頭に着き、モールはすぐ横なのでアクセスは非常に良いところです。 屋外のモールなので、冬の間は客足が遠のくのではと想像します。
現時点ではまだ全体の半分位のテナントしか開店していない事と、パワフルなブランド店が少ない事を解決して欲しいものですが、これから夏までの展開と、店舗とフードコーナーなどの開店が待ち遠しいものです。
これに関しては、ウェブサイトの「ニューヨーク市内で初のアウトレットモールがオープン」を参照下さい。
エセックスマーケット(Essex St. Market)
細長いマンハッタンでは、島を縦割りにして概ね半分より右側をイーストサイド、左側をウエストサイドと呼びます。
次に横割りにして、一番下(南側)からロワーマンハッタン、ダウンタウン、ミッドタウン、アップタウン、アッパーマンハッタン(ハーレムはこの一部)と呼び、有名なタイムズスクエアやエンパイアビル、五番街の有名店が並ぶ地域はミッドタウンと呼び、我々は更に細かく地域を分けて住所ではない呼び名で街を表します。
エセックスマーケットがある辺りは、つい最近まで我々が足を踏み入れなかった「ロワーイーストサイド(Lower EastSide)」地域なのですが近年の住宅事情と開発の波でクールな地域となっています。
地図でいえば右下の辺りとなり、イーストリバーに面していて川の反対側はブルックリンになります。
足を踏み入れなかった最大の理由は治安で、倉庫や工場と共にそこで働く労働者が多く住み、過去には仕事に就けない移民なども多く住んだ地域でした。
概して庶民というか低所得が多く、そういう人達の買い物の場として中華街の外れやロワーイーストの露天や市場などがあったわけです。
エセックスマーケットは元々ここ(道路の反対側)にあったもので、まさにそんな庶民の食品市場で古い建物の狭い通路に八百屋も肉屋も魚屋も、パン屋も雑貨屋カフェも並んでいて昭和の下町にあった市場風のものでありました。
地域は一気に再開発され、2019年5月に新生エセックスマーケットが開店し、旧マーケットの約半分の店舗がこちらに移転し新規に開店したものです。
何度見てもこのマーケットの店のレベル、特に精肉店とコーヒー店が非常に高いです。
レストランもバーも入り、二階には広いイートインテーブルとイベント用のスペースも用意されこれからのロワーイーストサイドが明るいものになる事が実感されるフードホールです。
これに関しては、ウェブサイトの「最新の食品市場オープン、New Essex Market」を参照下さい。
タイムアウト・マーケット・フードホール(TimeOut Market)、これも又、今月新規に開業した商業施設です。
正確には、開業したタイムアウト・マーケットはほとんどが飲食関連なのでフードホールといった方が正確だといえます。
フードコートとフードホールの違いは、前者が全国チェーンや有名チェーン店が入店するのに対し後者は主にローカル店が入る事で、時として小さな店舗面積である事から限定メニュー等となる事がありますが近年のニューヨークで出来るフードコートはことごとくフードホール型となっています。
マクドナルドやスタバ、変哲のないピザ屋等は街中の何処にでもあり、ここまで来てそれには行きたくないのです。
場所はマンハッタンのダウンタウンからブルックリン橋を渡った反対側で、多くの方がテレビや雑誌で見た事がある様な、景色がいいウォーターフロントでもあるダンボ地区の一角です。
写真で石作りの橋の向こう側にアンテナが付いた高いビルが見えますが、これがマンハッタン側のワールド・トレード・センターです。 この写真を撮っている位置の背中側がタイムアウト・マーケットがあります。
タイムアウト・マーケットは、140年前に倉庫として建ったビルを完全修復した複合商業施設の中に入り、ビルのキーテナントはインテリア全米チェーンのWest Elm で、その本社もこのビルの中に入って(外から覗ける様に作りショールーム風)います。
こんなビルが140年前に建ち、それを修復して近代的なオフィスとレストランやショップを入れているのです。
上記の様な絶景でもあり周辺には洒落たショップやレストランが立ち並んでいる事から観光地としても人気が高く、開店したばかりのこのフードホールは珍しく開店直後からテナントもフルに入店していて大変賑わっており、週末の混雑状況を見ると店側の準備がまだ出来ていない状況の様です。
世界的に人気のある情報誌タイムアウトの知名度も、テナントを呼び寄せた理由である事は間違えありません。
ニューヨークで人気のベーカリー「Bread Bakery」、ニューヨーク1の人気と言われるパンケーキでお馴染みの「Clinton St. Baking Co.」、アイスクリームショップ「Ice & Vice」、ラーメン店や日本レストラン、パスタにピザ、人気どころを全て押さえてあります。
スプラウツの新店舗開店
アメリカ南部(正確にはSouth Westという)のアリゾナ州から始まった絶好調の食品スーパーマーケットチェーンであるスプラウツは、展開地域を北へ進めて今月ニューヨークのすぐ南のニュージャージー州まで店舗を開店させました。
多くの食品店の開店では買い物客に沢山の試食のサービスと共に、価格でのサービスや店頭に屋台を置いて無料ホットドッグや買い物をエコバッグに入れてサービスしています。
今後はこれをお使い下さいという意味でしょう。
スプラウツの店舗展開は南部アリゾナ州(左下のAZ-34の数字)から始まり西海岸側に展開し、主に米国の南側だけで東海岸のフロリダ州(FL)へ、そして現在ニューヨークに向かって北上中という、まるで台風の動きの様です。
店舗展開の地図は少し古いですがイメージはこんな感じで間違えありません。
出店地域はアメリカの各州平均収入で見ても高い地域を狙って出店を進めている状況で、そうであれば将来的にはニューヨークから更に北上(地図上の右上)しコネチカット州、マサチューセッツ州と展開する事と想像出来ます。
スプラウツが前面に出すのがオーガニック、アレルギー対策、自然と健康という食品と商品で、買い物の時の無駄を省く様に小さなパッケージを用意し、ばら売りで好きなだけ買う事が出来るバルクコーナーを用意している事です。
スパイスのコーナーでは、大きなサイズのお徳用から、ずっと小さいピンポン玉サイズの瓶もあってこれなら無駄が無さそうです。
各スーパーマーケットが力を入れているのが「ミールキット」や、オーブンで焼くだけの「ヒートするだけ」商品です。
ミールキットは、ブルーエプロンなどが最大手企業ですが、事前にアプリで選んだメニューの食材とスパイスの全てをセットにして配送してくるもの、それを家庭ではオイルと塩コショウなど最低限のものだけを加えて、しかも最低限の調理器機で熱々を調理出来るものです。
スーパーでも同様のものをPB商品化していますが、もっと簡単に「One Pan Meals」といフライパン一つで出来る料理に仕立て上げたり、過熱式オーブン(多くの場合電子レンジではなく)で15~20分という商品を開発しています。
アメリカではほとんど何処の家にもオーブン(内部は幅60cm程)があり日々の調理に使います。
サイズの比較に1ダースの卵と30cm
の物差しを入れてみました。
アメリカ版冷凍ピザが通常直径45cmなのはこういう理由もありそうです。
スプラウツはちょうどホールフーズとトレーダージョーズの中間の様な店作りをして、トレーダージョーズには無い精肉・鮮魚のサービスカウンターを設け、インストアベーカリーが生地からパンを焼きサンドイッチを作っています。
もう一つのスプラウツの特徴でもある事は、アレルギーがある人は商品のラベルを細かく読む必要がありますが、特に分かり難いとされるグルテン(小麦)フリー商品においては商品の値段と共に黄色いGFマークが付けられ一目瞭然になっています。
パンや麺類の様に主原料が小麦である場合は分かり易いですが、調味料やソースにも小麦が混入してはいけない場合が多くグルテンアレルギーの人はこれも見逃してはいけない、という配慮からです。
従ってスプラウツでは売り場面積に対して扱い品目数が非常に多いのが特徴と言えます。
店舗サイズも平均的に3千平米程で両チェーンのほぼ中間、そして良いところが活かされた店と言えます。
アーミッシュ・ファーマーズマーケット
最新店の開店ではないですが、アメリカの食の安全に関する事では必ず出てくるのがアーミッシュの食品です。
アーミッシュはアメリカが合衆国(1776年建国)となる前にヨーロッパから移住してきている人達で、キリストの宗教の下で平和と安全を求めて生活している心優しい(と言われる)人達です。
全米各所に集まって住んでいて、昔ながらの生活様式で食品も作り、電気や文明もほとんど受け入れず、最近では冷蔵庫や電灯等最低限の文明だけを受け入れ未だに馬車に乗る生活を守っています。
ニューヨークの近郊ではペンシルバニア州周辺に多く住んでいて、農作物やその加工品、手作りの家具やインテリア用品、有名なのはキルトの手縫いのベッドカバー等、生活物資を我々に提供してくれます。
海産物は少なく、家畜から取れた卵や肉、野菜、穀物、それを加工したマリネやハム・ソーセージ、乳製品、ジャムやソース、惣菜など安全で美味しい物を作り、自分達が食べ、同じ物を我々に売る為にマーケットを開いています。
マーケットは通常週に三回程度しか開店せず、それ以外の日は農場・工場で生産し、日曜日は休息日です。
ご興味がありタイミングが合えば、これも視察に参ります、日本で考えている食の安全の概念が変わるはずです。
その昔のアメリカドラマ、「大草原の小さな家」が再放送されているそうですが、まさしくああいう世界その物です。
今年のニューヨーク周辺は最新小売業の新規参入や新店舗開店、商業施設の開業も続いており、ニューヨークの有名店では、スチューレオナードの最新店、ウェグマンズのニューヨーク市内店、など開店の予定となっております。
小売業チェーンの合併などもあり、どうすれば何処にチェーン展開が出来るのかという計画を立てて進んでいます。
また外食産業では、定番クラシックを徹底的にアップグレード、アップデートさせたり有名カリスマシェフが手を入れた業態などが出てきております。
まだまだグルメブームが続いている事を実感します。
そして今の動きは全米でのフードホールの活躍で、今までのフードコートの業態は郊外のショッピングモールや空港等に一部残るだけになっています。
是非この視察研修プログラムで最新情報をキャッチして、アメリカの優良企業を目の当たりに接し、愛社精神と人間力を培いこの業界をリードするトップになって頂ける事、又、参加されるスタッフさんの感動を引出す事は間違いありません。
ご興味のある方は下城までご連絡下さい。
チャーリー下城NYC■ 6/10/2019
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