下城NYニュース 2-'20

一月の時点では、「風邪やインフルエンザなどにご注意を」、と書きましたが、きっとあの頃には新型コロナ肺炎の蔓延は中国では始まっていたのでしょう。  こちらでは全然気が付きませんでした。  感染しない様に気を付けても気を付け切れない、防ぎ切れない事もありますので、皆様には直接の被患などは最小になる事を願っております。

アメリカにも新型コロナの陽性患者が出ておりますが、ここまでの時点では限定的で押さえられていて、むしろ我々はインフルエンザへの注意喚起が必要な状態です。

アメリカでも小売業全般の状況は通販によって影響を受け、食品小売業においても優劣がハッキリ見える場合があります。 

我々の身の回りではトレーダージョーズやオーガニック食品やグルテンフリー食品を扱う店の好評です。

例えばトレーダージョーズの好調というのはブランドに対する優、、ホールフーズではオーガニックとナチュラルなどの安全安心への優、ウェグマンズ等アプリを使った販売でデリバリーやお客自身がピックアップすると言うコンビニエンスへの優などがあります。  この1-2年の事ですが、そのコンビニエンスに加えて、レジ通過不要のアマゾンGOの様な簡単簡便=時間節約の優などが入ってきました。

最新のニュースでは、トレーダージョーズの最新店の事ですが、これはニューヨークの中で一番美しいスーパーマーケットと言われていたフードエンポリアムの跡地に入ると言うものです。  住宅街の橋げたの下に作られていて高くて丸くなった天井のこのフードエンポリアムは、多く皆さんとここを視察しましたよ、覚えてますか?

アマゾンGOと書きましたが、いまだに全米で約25~6店舗でニューヨークはマンハッタンの中だけで8店舗です。

これが一気に増えるのかと言えば、アマゾンは通常のスーパーマーケットに匹敵するアマゾン・マーケットやその中間くらいに成りそうなサイズのアマゾンGOグロサリーと言う生鮮食品も扱う店を作っています。

日本からのニュースでは、ローソンがアマゾンGOのアイデアの店でローソンGOの実験中と聞きました。 アマゾンもGOを実用化する前に2年間ほどの実験をやっていましたね。 アマゾンマーケットは既に内装工事も進んでいて間もなく開店となります。  フェイクかどうか分かりませんが、店内の写真も流出しています。 カリフォルニアが第一店舗になる様ですが、シカゴとニューヨークが既に予定されています。

そしてアマゾンはGOの様に最後の清算の為のレジが無い店舗「amazon go grocery」も既に開店させました。 清算や支払いをしないわけではないので、チェックアウト・フリーという言葉を使っています。

これはキャッシュレスの店なのですが、日本のそれと混同してはいけないのは、アメリカでキャッシュレスといえば現金支払いは出来ないという事です。 何で払うのかと言えば、その多くは「ビザカード、マスターカード、アメリカン・エキスプレス」等のクレジットカードで、銀行口座から直接引き落としやアップルペイの様な場合も稀に使われます。

以下の様なウェブサイトが出来ていて、商品はバラのものをかごや袋に入れていけるというものです。

買い物のしかたはアマゾンGOと同じ様で、そうであれば、

1、アプリをダウンロードして登録する(支払い用にクレジットカードも登録する)

2、入店時にはそのアプリのQRコードを入り口で読み込む

3、買い物を選び、かごや袋に入れるもよし、ポケットに入れてもよし、棚に戻しても大丈夫(間違えは起きない)

4、買い物が終ったらお財布もアプリも不要で店から出て行ける(数分後に明細レシートがアプリに届く)

*多くのアプリは事前にダウンロードと登録が出来ます。 以下参照下さい。

 アメリカの小売業のアプリを登録する: https://ny-news.amebaownd.com/posts/7256648

おそらく現在実験中というローソンGOも同様だと思うし、同じGOのアイデアを7-イレブンがアメリカ本社内に作った店舗でやっています。 

それとは別に、7-イレブンがテキサスとニューヨークで既に実用しているのは、今までの既存店に新らしいシステムを導入して、レジを通過しなくてもアプリで支払いを出来る店を作っています。 既存店なのでレジはあるから、今までどおりの買い物も出来、勿論現金でも支払う事が出来ます。 

又、この清算の簡素化という部分は多くの小売業が始めていて、各々アプリを使いリワードや得点が加算されたり趣向を凝らしており、この一年くらいの間に大きな変化が見られる筈です。

ニューヨークだけでなく広く廻りを見ると、店舗を伸ばしているスーパーマーケットも沢山あります。


ビッグY

ニューヨーク市の中心から1時間ちょっとの郊外からボストンにかけて展開しているのが地元店の Big Y です。

この地域は全米でも一番裕福な地域の一つで、コネチカット州からマサチューセッツ州に掛けた一帯です。

大きなチェーン店があるのも事実で、ニューヨークにも展開しているStop & Shop(親会社はオランダのA Hold)やHannaford(これもA Hold系)、Shaw’s、Price Chopper等が大きなチェーンです。

各チェーンが苦戦するなか、現在約70店舗のビッグYは確実に新店舗を作ってきています。

2019年末に開店した2店舗は共にチェーン網の中で一番ニューヨークに近いコネチカット州南部で、近くには有名な食品店のディズニーランドと呼ばれるスチュー・レオナードの本店や、ニューヨーク発のグルメ店チェーンのバルダッチなどがあります。

約5千平米の売り場は郊外型の食品スーパーとしては大型ではないですが、ゆったりとした売り場にはオーガニック商品も多く、きちんとそれと表示され通常商品と離されるか仕切られて置かれています。

オーガニック商品が多く扱われ表示がされている

最も重要なのはオーガニック商品は仕切りを付けて雑菌に触れない様にする事。

ここでは事前にメニューを選びデリバリーを発注出来るミールキットではなく、店内で扱われる下拵え済みの肉や魚と野菜を店内でパッケージしたセットが扱われ、価格も$6~$8程度で売られます。

これはこのパッケージをそのまま電子レンジでも過熱式のレンジにでも入れられる便利さです。

READY. CHEF. GO. と名付けられています。

この売場が店内の数ヶ所に設置され、買い物中にこれが二度三度と見えた時に気が変わったら買えると言う衝動買いを誘っています。

この商品の店側のメリットも見えますが、売り場に出ている商品のロスを出さないシステムで、肉コーナー魚コーナーにある下拵え済み商品を効率よく売る手段でもあります。

フルサービスのマーケットでは最初に花売り場、肉・魚のサービスカウンター、デリカのコーナーでハムソーセージとチーズ、ぐるっと廻るとインストアのベーカリーが揃っています。

期間限定のジャム入りドーナツセール(地域のお祭り)をやってました。

サラダバーとイートイン席があってもまだ店内はすっきりゆとりに見える広さがあります。

ドイツ発のボックスストアと言えばアルディでしたが、東海岸では同じくドイツ発のボックスストアで一回りか二回り大きく広いリドルが伸びています。 ニューヨーク周辺では特に東側のチェーン店を傘下に入れた事で毎月の様に新店舗開店してアルディとリドルがしのぎを削っている状態です。  

広さの差は扱い品目にも表れており、フレッシュを充実させインストアベーカリーが付くリドルはボックスストアでありながら充実した店内を感じさせます。 扱い商品の約90%はPB商品の様で、価格は非常に低く押さえられています。

 

ニューヨークからもう少し離れるボストンやワシントンを含めたこの地域一帯がアメリカで一番裕福な層が集まっているわけで、小売業もそれを対象にして準備された店が集まっています。

先月号で紹介したブルックリンに最新店を開店させたウェグマンズは、ほぼこの地域に絞った展開をしているし、6月には郊外の最新大型店を開店させます。


又、首都ワシントンの郊外に開店したホールフーズは、東海岸のこの地域のフラッグシップ店を開店させました。

ホワイトハウスから約20~30分の西側の郊外で、付近はワシントンで一番の小売業の激戦区であり、沢山の企業オフィスと共に高級中級の住宅地を控えています。

全米一のオーガニックと健康食品を中心に扱うスーパーとして有名ですが、この地域だからこそ出す気合いの入った旗艦店です。

この地域には、ホールフーズやトレーダージョーズを超える、非常にレベルの高いオーガニックとナチュラルの食品店チェーンであるMOM‘sマーケットや西海岸から進出してきたスプラウツもあり、これからのアメリカの食品小売の在り方が見えて来る様です。 ワシントンの南側には、全米食品スーパーのトップランキングでウェグマンズと二分するフロリダ発のパブリックスも来ています。

先月号でもご紹介しましたが、6月にはニューヨークの郊外では一番近い場所にウェグマンズの大型店舗の開店があり、郊外の食品店事情が大きくゲームチェンジされます。

ニューヨーク・エリア最高の住宅地である北側の郊外で現在工事が進んでいて、間もなく全容が分かってきます。

分かっている事は店舗面積は約1万2千平米で、付近にはニューヨーク有数の最高級住宅地と共に中級住宅が広く広がっている事、また、大小のオフィスビルがあり有名企業の本社や沢山のホテル等もあり相当のビジネスマンが住み暮らし、働いている事です。 私のもと地元なので、事情が良く分かります。

既に時計台も出来ており工事の進展もよく把握しております。

私共ではニューヨーク周辺だけでなくアメリカの中央部から東側を中心に小売業の情報収集をしております。

シカゴ周辺にもその先のアメリカのど真ん中辺りにもすばらしいスーパーがあり毎月エリアを選んで調査に廻っています。

日本の地方型と共通する店作りが行われている場合もあります。

ご興味がある方は是非ともお問い合わせ下さい。



□■視察研修プログラムについて■□ 

ニューヨークからワシントンへかけての視察研修では、全米トップ評価の食品店チェーンであるウェグマンズ、ホールフーズ、トレーダージョーズ、西海岸発のスプラウツに加え、フロリダ発でこれも全米最高という評価をウェグマンズと二分するパブリックス、全米最大店舗数を誇るクローガー等くまなく視察する事が出来ます。

この研修では都市部と近郊を中心に今やるべきスタイルであるグローサラントを勉強し、エコと健康という自身の為と地球の為にこれから必ずやらなければいけない食品店を勉強、そして店作りとカスタマーサービス、そしてどの店でも従業員を如何にして楽しく働いてもらうか、等を実感してもらえます。

そしてニューヨークでは、先に触れましたが今後のスーパーマーケットが採用するであろう、そして既に実用化し稼動させている自動精算型のショッピングカートも含め、どんどん視察体験して頂けます。

アプリもリワードもキャッシュレスも、沢山の情報を準備しております。

条件とタイミングが合えば、この店舗のアポイントメントを調整致します。

今年も複数回の日本訪問を予定しておりますので、視察のご相談に関しても、私の日本出張中のタイミングが合う限り日本でのミーティング、オリエンテーション、説明会を開催する事とします。

早めに日程を立てて頂く事で調整させて頂けますのでご相談下さい。

是非この視察研修プログラムで最新情報をキャッチして、アメリカの優良企業を目の当たりに接し、愛社精神と人間力を培いこの業界をリードするトップになって頂ける事、又、参加されるスタッフさんの感動を引出す事は間違いありません。

ご興味のある方は下城までご連絡下さい。

                               

チャーリー下城NYC■ 2/25/2020

SHIMOJO NEW YORK NEWS

チャーリー下城の仕事は徹底した流通業界の下調べと足を使った確実な情報に基づいています 賞味期限の切れたような情報はございません チャーリー下城の視察研修をぜひご体験下さい ニューヨーク・ボストン・ワシントン・シカゴは豊富な経験と 幅広い情報からお客様に見合った最善のアレンジをご提供させていただきます