下城NYニュース 7-'20
下城NY・ニュース、2020年7月
コロナ対応で目一杯の最中に、日米共に大きな事が起きてしまいました。
九州熊本県、大分県を中心とした豪雨は大きな災害となり、現在も場所を移しながら東北地方などでも相当の被害を出していると聞いております。
又その地は大変思い入れのある地域で、友人知人も居ります、心よりお見舞い申し上げます。
未だに継続している最中の様ですが、被害が最低限となる様に願うばかりです。
アメリカでは5月に内陸部の都市ミネアポリスで警官による差別的事件で死者を出した事を発端に、国を挙げてのデモ活動に発展し、ニューヨークを含む一部地域では略奪・強奪地域破壊などが起きました。
事件はミネアポリスだけでなく、一部住民の不満の爆発の仕方が極端で暴力的である事から、ニューヨークを含む全米各地で同様の事態を引き起こしています。 安全になったニューヨーク市がこれ程荒れた状態は見た事ありませんでした。
それだけでも大きな事件なのですが、現在のコロナ対応で政府も国民も最大の努力でそれから脱却しようとしている最中ですから、自体を大きくしてしまいました。
本来はその差別事件とコロナは別の事で、マスク着用義務も差別とは関係無いのですが、関連付けた議論になり政治(政党、大統領選)にも絡んだ混乱を見せています。
ニューヨーク州はマスク着用推進地域で、実際に何処ででも売られている様になっていて、食品店の入口や繁華街の街中や地下鉄駅の入口等マスク着用がルールになっている場所でも無料でマスクが配布されています。
デモ活動は7月後半の現在では、全米の幾つかの地域を除いて落ち着いています。
私の本拠地ニューヨークは全米一のコロナ感染拡大地域でありましたが、非常に厳しいステイ@ホーム制限を課せられた事により全米一の安全な地域になってきています。
3月01日にニューヨーク州最初の感染者が発生し、入院患者数約19,000人の4月12日をピークとして、現在は500人程の入院者数で、東京よりずっと少ない状態です。
ちなみにPCR検査数は6万8千件で644人の陽性という事で陽性率は0.93 となっています。
他地域を見ると、6月までの感染者数が微小であったフロリダ州が現在最悪の数字で、毎日1万人以上の新規感染者が発生し、テキサス州、カリフォルニア州とビジネス再開を率先した州が感染者と死者を激増させています。
ニューヨーク市周辺の州は人的・物的な移動が頻繁である事からコラボした対応が必要と言う事で、多くの制限や対応を同様にして、一ヶ所緩めた地域に人が集まる事を避けています。
又、全米多くの危険地域(現時点で全米の36州に上る)からNY州の空港や駅に流入する人に対しては、違反者には罰則の付く14日間の自主検疫を求めています。
私も地域外への出張は、行くのは良いものの帰りには検疫義務が生じるので控えているところです。
ニューヨーク周辺ではコロナ対応の規制緩和の第四段階に入り、多くの小売業やレストラン、食事も出来るバーが再開出来る様になりました。
ただしニューヨーク市内のレストランでは店内飲食が許可されず、歩道や一部車道の使用許可を出して屋外レストランが盛んに用意されています。 一部のレストランでは本格的な屋外スペースを作って、店内スペースよりも広い本格的なスペースを店外に作っている場合もあります。
この写真はイタリア人街で、車道の一部はテーブル席となっています。
日本では「三密という言葉」が使われてレストランや居酒屋、バーが、意味の分かり難い時間制限や人数制限と自粛要請等が出ている様で、間違いなく大きな影響を受けているわけですから、ここでも行われている様なこんな思い切ったアイデアを使わない手は無いと思います。
以下はニューヨーク市が許可するレストラン店舗外の歩道と車道を使う場合の申請許可サンプルです。
コロナ中だけの特別措置ですが、アメリカでは通常は禁止されているレストランによる酒類のテイクアウトや、許可された部分限定ですが屋外飲酒も許可されています。
テーブル間の距離、一つのテーブルの最大人数と共に、作る簡易防御壁の厚さ等にも配慮されています。
今回のコロナでは世界中のおそらく全ての地域で、多くのビジネスや個人がとてつもない大きな損害を受けています。 ホテルや交通機関等の旅行関連業界、自動車産業や石油業界、外食産業、それに海外で日本のビジネス交流する我々も大影響です。
その反面、こんな時だから役に立ったハイテク系や通販等は大きく業績を伸ばしました。 多くのオフィスや商店が閉店や制限を受ける中、エッセンシャルビジネスと言う生活に必要なビジネスは営業を続けました。
病院クリニック等の医療関係、医薬品関連ドラッグストア、食料品、衛生関係や掃除用品を売る雑貨屋、日用雑貨品の店、ホームセンター、家や車の修理やメインテナンス関係、銀行、郵便局、輸送や流通関連全般等、生活するのに絶対に必要なビジネスは継続しました。
アメリカでは食品店、スーパーマーケットの多くが業績を伸ばし、時には前年比50%増と言う企業も沢山ありました。
特に伸ばしたのが食品デリバリーで、消費者はステイ@ホームで自宅で過ごす時間が多く外食もテイクアウトに限定された時期が長くその間の食事は基本的に食品店に頼ったわけです。
食品店は入店客数制限や営業時間短縮等をしている為に非常に買い物の不便が発生し、それを避ける為のオンラインデリバリーを利用したわけです。 企業によってはオンラインの売上げが2倍~3倍という報道があります。
現実として、この数年間で食品スーパーのデリバリーシステムやデリバリーを専門とする全米規模の外部企業が確立してきたそのタイミングなので、利用する側も提供する側も一気にその分野が充実出来たわけです。
私の視察でも相当デリバリーとピックアップについて触れたし、ご覧頂いてきたそのままの事が大きなスケールで始まった事になります。
食品スーパーは、お客の集中を避ける意味もあってセールを行わないチェーンが多く、実際に商品価格も高く推移しておりました。 それはセキュリティーや消毒掃除に時間と人手が掛かった事もあり、エッセンシャルワークのスタッフへの割り増し時給やボーナスを出した企業も多く、その割り増し分はもちろん商品価格へ還元されました。
日本との違いは、企業努力で価格を下げる事ではなく、従業員を確保してスムーズな運営を続ける事です。
全米の他地域よりも安全と言われるニューヨークではスーパーマーケットの開店も相次いでいます。 7月17日(金)に開店したのがマンハッタン内で14番目の店舗となるホールフーズ・マンハッタンウエスト店です。
ホールフーズ店舗網は、現在アメリカ国内とイギリスで500店舗を超えています。 マンハッタン内14店の中にもありますが今回のコロナ対応の一環で通常店舗をオンライン専門店に仕立て、お客対応をしない店舗(ダークストアと呼ぶ)も作っています。
近年のニューヨーク中心部で最大の複合施設の開業と言われたハドソンヤードが昨年3月のオープンで、施設内のモール、エンタメスペース、オフィススペースもレジデンス部分もまだフル稼働になっていない状態でコロナ騒動が始まった為に、出店や入居にも大きな影響が出たはずです。
ホールフーズはこの地域のビジネス人口を考慮して、入り口にコンビニエンス・マーケットを作り素早い朝食提供のシステムや広いランチスペース等を確保していた様です。
結果として、売り場面積約6千平米の中には、広いミートカウンター、鮮魚のコーナー、デリーカウンターがあり、充実したローカルの食材や産物を扱っています。 ローカルのベンダーをサポートする為に、ホールフーズが出店ローカル店へのローンプログラムを出しています。 全ホールフーズに共通ですが、ベンダーからの扱い商品は全てホールフーズの安全基準に合っていなければならず、動物・作物の育て方扱い方、抗生物質やホルモン、規定の農薬や薬品は使わない等を証明出来る商品だけが扱われています。
その他のスーパーマーケットと大いに差別化されている、お客も求めていて定評があるサラダバー、惣菜バーは現在コロナ対応でプリパック商品が並べてあり、それを選ぶか、写真(Order Here)の様に、スタッフによる取り分け販売でセルフサーブを中止しています。
ハドソンヤードの環境に合わせて店内飲食出来るインストアのレストランやバーも作られていますが、当座は上記のランチスペースも大きなカウンターが用意されたバーも使用中止となっておりテイクアウトのみとなっています。
アマゾン傘下のホールフーズですのでプライム会員の特典や、デリバリー等のプログラムも充実しています。
ドイツ発のボックスストアチェーンとしてはアルディが知られていますが、同じくドイツから進出したリドルは東海岸側を圧巻しています。
1976年にシカゴ進出から始まったアルディは、現在全米2000店舗を超える展開をしていますが、2017年に後発で進出してきたリドルは首都ワシントンの南側バージニア州から始まり、東海岸側を中心にニューヨークまでをターゲットとして100店舗を越えています。
アルディはトレーダージョーズを傘下に持っており、よく見ると両店には共通点が多い事も分かります。
2018年にはニューヨークの郊外を中心にチェーン展開するベストマーケットを傘下に入れ、主にロングアイランド地域を中心に二十数店舗をリドルにコンバートする予定です。
7月29日にはロングアイランドの6店舗目に当たるイースト・メドー店が開店、来週にも次なるリドルを同じくロングアイランド内のハッポーグ市に開店させる事になっておりベストマーケットからのコンバートが強力に進ませて、アルディとの競合でロングアイランドでは絶対的にリドルが有利な状況です。
同じ角度から撮った写真がないのですが、ベストマーケット時代の写真があります。 リドルの特徴でもある店内の明るさが出る店頭に作り変えられています。
アメリカ進出が後発のリドルは売り場面積が広く扱い商品も多い事が特徴で、アルディとの差別化は充実したフレッシュの売り場やインストア・ベーカリーなどの品揃えにあります。 商品の多くがPB商品である事は同様で、リドルのPB商品の多くはドイツなどヨーロッパで作られている事と共にローカル商品も扱っている事の様です。
ロングアイランドの店舗を見るとその多くはベストマーケットのコンバートである事から、ネイバーフットモールの居抜き店舗です。 本来のリドルのガラス張りの明るい店舗との違いが目立ちます。
このイースト・メドー店もそのベストマーケットからのコンバートで、付近には大小のショッピングモールがあり食品店も多い小売業の激戦区です。
食品店のディズニーランドとの異名で有名なスチュー・レオナードも直線距離にして100M以内にあり、半径5分以内にはトレーダージョーズ、ホールフーズ、ショップライト、ストップ&ショップをはじめローカルの人気店アンクル・ジュゼッペやウォルマートの実験店IRL等もある地域です。
スーパーマーケットの開店で大きなニュースは、6月07日(日)に開店する予定であったウェグマンズ・ハリソン店がコロナの影響で工事が中断し、又コロナによって小売業の店舗運営にも相当手を入れる必要があったとの事でした。
8月05日(水)にグランドオープンなり、今までの様に事前に大きなプロモーションや宣伝をかけて日曜日に開店するという方法を変えています。
写真は6月の開店前に撮った工事中の状態です。
小売業は既にコロナの為にオンラインを利用して受けたオーダーをピックアップ用に準備したり、デリバリー用の設備を作っています。 店内の消毒用コーナーや店内が込み合わない様な店作りがされているかも知れません。
私もこの開店を大変楽しみにしているところです。
今回も引続き、「20-3ワシントンサプライズ」を継続してやっております。
経費別の視察研修参加料は、お一人当たり$2,000.の特別料金で、最低催行人数は2人です。
このワシントン〜NYの日程は、先回のニュースでリストしたマーケットを中心にその時の最新小売業や話題に店を加えてお作りします。 コロナ問題が終了次第にいつでも開催いたします。
参加者様のご希望によってはワシントンの南側の郊外へ回って、全米有数のトップクラスのマーケットに加えて、全米最大のスーパーマーケットチェーンであるクローガーなどを視察するルートがあります。
2020年も引続き新店舗の開店予定があり、新しいアプリを使った売り方や実験店が予定されていて我々も大変楽しみにしております。
視察店舗に関しては過去の下城NYニュースの中に沢山の小売業が網羅されていて、それらを加えて変化に富んだ視察内容になります。
■□この特別プログラムは、今お申し込み頂き申込金だけを頂戴して、実際の研修日程は2020年内のご都合を後日お聞きして相談させて頂き調整致します。□■
過去には小売業経営者様の後継の方の、夏期旅行にお使い頂くなどございました。
毎年9月〜11月はピークになりますので、その間のご希望は早い時期にお決めお願い致します。
又、今後の視察アレンジにお使い頂ける「特別割引ギフト券」を用意いたしました。
ご使用期限は無く、いつでもお支払いに使って頂けますが、経費にはご使用になれません。
視察研修のアテンド料とアレンジの部分でお使い頂けます。
$1,000、分を半額の$500、で販売致しております。
今回これは日本払い(7月末現在$1、=110円換算)も可能です。
領収書はニューヨーク発行となり、その金額はインボイス上はフルプライス(割引額でなく)とする事が出来ます。
この企業様に対しては、私どもをサポートして頂けるという事で今後とも特別のサービスをさせて頂きます。
ただ今オンラインを使った「ニューヨークの最新小売業ウェブセミナー」の準備をしております。
こちらのご案内も追ってメイルやブログ、facebook 等でご案内とアップデートさせて頂きます。
以下のリンクにパワーポイント「NYの最新小売業 ’20-07C」動画入りが入っております。
パワーポイントがご覧になれる環境(パソコン)でダウンロード下さい。
https://www.dropbox.com/t/Ryco5xYwgCUFYXzb
今年も状況が可能になりましたら複数回の日本訪問を予定しておりますので、視察のご相談に関しても、私の日本出張中のタイミングが合う限り日本でのミーティング、オリエンテーション、説明会を開催する事とします。
早めに日程を立てて頂く事で調整させて頂けますのでご相談下さい。
是非この視察研修プログラムで最新情報をキャッチして、アメリカの優良企業を目の当たりに接し、愛社精神と人間力を培いこの業界をリードするトップになって頂ける事、又、参加されるスタッフさんの感動を引出す事は間違いありません。
ご興味のある方は下城までご連絡下さい。
チャーリー下城NYC■ 7/30/20
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