ニューヨークは今、10月19日(スマートカート)

私は常々アマゾン・フレッシュの最新店に出向いて視察をして、アマゾンのレジを使わないシステムであるダッシュカートやウォークアウトの事をお伝えしています。

このダッシュカートはバーコードリーダー、スキャナー、重さの秤が内蔵され、利用の際には登録されたアマゾンアプリを読み込む事でレジ通過が不要になります。

今日はその対抗馬である、ニューヨークのケイパー社が作っているスマートカートに関するニュースについてお伝えします。

と言うのは、全米大手の食品デリバリー企業であるインスタカートが、スマートカートを作るメーカーであるケイパー社を傘下に入れたのです。

コロナをきっかけに、スーパーマーケットでの買い物の手段は、それまでの店舗に出向いての買い物中心から、アプリを使ってオーダーして、デリバリーして貰うかお客自身がお店に取りに行くかという買い物手段が使われる様になりました。

コロナ前にたくさんのスーパーがこれに目を向けていて実際に行われてはいましたが、コロナの恐怖がなかったらこれほどの普及と変化がなかったのは確実です。

おそらく10年掛かって起きる(普及する)位の変化が、この1年半程で起きたのではないかと思われます。

ニュース本文のリンクです。 https://www.supermarketnews.com/technology/instacart-acquires-smart-cart-maker-caper


多くの店舗やチェーンではその変化に対応し切れない為に、外注する企業として一気に伸びたのがこのインスタカート社です。

全米チェーンのメンバーシップで、会員登録するとお客自身の好みの店舗へインスタカートのスタッフが出向いて買い物をして届けるというシステムです。

インスタカートは全米の各地域で提携マーケットを作り、その店舗での買い物を代行します。

会員式倉庫店のコストコなども利用出来ます。

インスタカートの商品の代金は多くの場合店舗で買うより割高で、それがインスタカートの利益(手数料)になり、その上に配達料、サービス料(そして配達員へのチップ)などが掛かります。

またメンバーシップで会費を払う事で、配達料がカバーされたり配達までの時間が早くなるなどの特典があります。

ですからインスタカートとしては如何に早くお客指定の買い物をして届けるかが、収益と事業の拡大に影響します。

その優位性を引き出す為にスマートカートの企業を買収して、スタッフによる店内でのピッキング作業を効率化し正確に短時間に配達を進めるわけです。 

例としたら、その店舗のお客は通常のカートで買い物するのに対し、インスタカートのスタッフだけがスマートカートで素早く買い物しその店を後に出来るのです。


ケイパー社のスマートカートはこんな形です。

カートにタブレットと支払い用のターミナルが付いてる様に見えると思いますが、よく見るとバーコードリーダーはカートの中に向いていて、カートの反対側にもバーコードリーダーが付いています。

(これ日本のスマートカートにはありません)

これによって買い物客は商品のバーコードが読み取り易い様にカートに入れる事で、バーコードを読み取らせる為の操作や手間はしなくて良いのです。 おまけにこのカートには秤が付いていて今入れた商品の重さが自動で計れます。

すでにアメリカ最大手のスーパーマーケットチェーンやニューヨーク市内のスーパーなどでケイパー社が採用されています。

アマゾンのダッシュカートに一歩か二歩近付いたスマートカートと言えます。


日本でもこの分野は進化していますが、私が掴んでいる限りでは九州から進出したトライアル社がスマートカートを採用しています。 他にもあるかも知れません。

後付けの形なので、バーコードスキャナーの付いたタブレットがカートに付いた形で、買い物商品のバーコードを読み取る操作が必要です。 重さは計れないので、パックでバーコードが付いたものはバーコードを読み取るだけです。 しかし(りんごとか?)1個いくらのものはバーコードを読み取って、または商品コード(PLU Code)を入力して、購入する個数を自己申告で入力します。

支払いは:

*アマゾンダッシュカートでは登録したカードでノータッチで支払いです。

*ケイパーのスマートカートでは精算時にカードを読み取る事でレジ通過は不要になります。

*トライアルのスマートカートではプリペイドカードを買ってそれで支払います。

この支払い方法やプロセスはまだまだ変えられるはずで、時間の問題だと思います。

支払い方法だけでなく、全てにおいて日本が得意としていたハイテク(特にカートに関して)は、アメリカの10年以上遅れの様に思えます。

世界を見て下さいこれをハイテクと言ったら殆ど詐欺ですね。

アメリカではもうカードではなくて、手のひらをかざす事で支払いが出来ちゃってます。

大手スーパーではイオンなどが使っているレジGOがあります。

スマホ型の専用ハンドスキャナーでバーコードを読み取りながら買い物をする事で、レジ通過を不要にするシステムです。(これはアメリカでは10年以上前のガラ・システムです)

もう間もなくアマゾン・フレッシュがニューヨークに上陸です。

早くそれに皆さんの目で見て体験して頂きたいものです。


今週はオンラインで無料の情報提供をやっています。

下城NYニュースの10月号、ホールフーズの次世代店舗についてのフォロアップミーティングです。

本日は大変興味深いオンラインやらせて頂きました。

次回は日本時間の22日(金曜)の朝10時からです。 是非覗きにいらして下さい。

その詳細はこちらです。

まだスペースに空きがあります、

ご希望の方はメイルにてお申し込みください。

cs@shimojony.com

チャーリー下城

by Charlie Chikao Shimojo - New York

https://ny-news.amebaownd.com/


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SHIMOJO NEW YORK NEWS

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