下城NYニュース、07-'22(アマゾン・フレッシュNY店)

長く工事に時間が掛かったアマゾンフレッシュのニューヨークの新店舗ですが、7月14日に開店した最初の一店舗目はロングアイランドのオーシャンサイド店でした。

7月16日のブログで既にお伝えしましたがこれはニューヨーク市の東側の郊外でケネディー空港に近い側です。

ご覧の通り隣にはKohl'sがあり、反対側には事務用品やベッドバスの大型店が入る屋外型モールの一部です。 広い駐車場があり店舗前の辺りにはEV車用の無料チャージャーが2基付いています。

昨今多くのモールや小売店にチャージャーが付く傾向がありますが、無料というのは当然ですがごく僅かです。

アマゾン傘下のホールフーズの一部でも無料のチャージャー付きがあります。

開店日からの数日はイベントをやっていて、開店セール商品もあるし抽選で景品が貰えるラッフルや買い物の最後に次回の割引券が貰えます。

ここで2種類のショッピングカートが見え、オレンジ色は上下二段、緑は大きなカゴ型です。

入店にはアマゾンアプリの確認があるので開店日入り口に列が出来てしまいます。

こういうところは通常のスーパーの開店でも共通のものがあります。


アマゾンフレッシュには大きく二つのタイプがあって、このオーシャンサイド店でも採用されているウォークアウト型(Just Walk Out=JWO)と、2020年秋にカリフォルニアで最初に開店した時にも採用されたダッシュカート型(Amazon Dash Cart=スマートカート)があります。

各々レジレス店である事がアマゾンフレッシュの最大の特徴ですが、

JWOのウォークアウト型とは、コンビニ型のアマゾンGOでも採用されている、入店時にアマゾンのQRコードで認証して入店し

「買い物商品を選び、カートに入れ、又は買い物バッグやポケットに入れ、買い物が終わったら店を出て終わり」、買い物記録は店内に設置された何千というカメラとスキャナーが全て把握しており、仮想のカートに入れておき、店を出た段階でその総額を登録してあるカードにチャージする、

という買い物方法です。

この売り場の天井を見ただけでも何十というカメラが見えると思います。

ダッシュカート型は店内でダッシュカートを受取り、同様にアマゾンのQRコードで認証してから買い物を開始、

買う商品をカートに入れる度にカートに付いているスキャナーがバーコードや画像認証で購入商品を把握、気が変わって返したものは当然差し引いて最後の専用出口から出た時に買い物が終了」指定のクレジットカードにチャージする、

という事で買い物の仕方に少し違いがあります。

このダッシュカートは現行型で、カゴの下にはシステムと大きなバッテリーが占領していて使えません。

2021年夏以降に開店したアマゾンフレッシュは全てJWO型ですが、その理由の一つはこのダッシュカートは新型が開発されていたから、かも知れません。 

新型のダッシュカートは下の写真ですが、非常に使い易そうで今までのカートと比較してカゴ部分の下に棚もあり容量が2倍以上、スクリーンも刷新しアクションも素早いとの事。

これが間もなくアマゾン店ではなくホールフーズのボストン郊外店で採用されます。 当然この新型はその後アマゾンでも使い、他企業にも販売されると想像します。

オーシャンサイド店ではAmazonワンと呼ぶ手のひら認証にも対応しており、アマゾンアプリのQRコードでの認証だけではなく、事前に登録する事で手のひらで入店と支払いが出来るのです。

いずれのタイプのアマゾンフレッシュでも、アマゾンアプリやスマホを持たないお客用、クレジットカードを持たないお客にも対応し、通常のレジも用意されています。

この店舗は売り場面積が約4500平米(約1500坪弱)とニューヨーク郊外のスーパーとしても平均以上の広さがあります。


ニューヨークの一店目なので多くのお客はアマゾンフレッシュ初体験なので、入り口で少し手間取っています。 しかしこの店に来る多くのお客はアマゾンを既に使っていて、一度使い方を説明されるとおそらく次からはスムーズだと思います。

QRコードで認証するとこのゲートが開いて入店出来ます。

アプリが無い人用の専用ゲートもその横に用意されています。

入口には紙製のレジ袋が大量に置かれていますが、ニューヨーク州の法律で無料では配れないので有料で5セント(約6円)と書いてあります。 勿論最近では多くのお客は自前のエコバッグを持参しています。

しかし最後の精算時に送られてくるレシートに、有料紙バッグの料金が乗っていた事はなく、間違えたふりをして無料で配っているかも知れません。(故意に無料だと法律違反)

店内には精肉売り場のサービスカウンターや鮮魚も惣菜がありスタッフが配置された接客販売で、その点でも通常のスーパーと同じ、又ホールフーズのPB商品365も扱い、ナショナルブランド商品も扱われています。

アマゾンフレッシュの実店舗ですから、この売り場がラストマイルのフルフィルメントセンターにも使われていて、店内にはデリバリー用の商品を揃えているピッカーもお客と一緒に動いています。 非常に賢いスマホ型の装置を持っていて、その指示通りに店内を回って商品を効率よく揃えられる様になっています。

店内には上下二段のオレンジと大物も入れられるグリーンの2種類のカートがあり、アメリカ特有のまとめ買い用の大型カートはありません。

その理由は定番の大きな重い商品(ボトル水、トイレットペーパー、洗剤等)は事前にアプリでオーダーしておけば、無料で揃えておいてくれ駐車場で受け取れるのです。

お客は店内で購入して持ち歩く手間が省かれ、店側では店頭に並べる手間とスペースが省力出来るという事になります。


それにしてもこの店内に設置されているカメラとスキャナーの数、そして正確には売り場の棚には重さを計る秤が付いていてお客が取った商品の重さを検知して数を確認していることから、その合計の装置の数は何千となると想像します。

プライスカードはデジタルで無線管理で、扱い商品数はおそらく数万品目あるでしょう。

天井を見たらカメラとスキャナーが有線なので、そのケーブルが何万本と通ってる様です。

店内での買い物が終わると、専用ゲートでQRコードを再確認(または手のひらでも可)して買い物の終了として、その時点の仮想カート内の代金がチャージされます。

気になるのは精算時の間違えですが、最新で最高技術のAIとディープラーニング(高度な学習)の成果でほとんど間違えはありません。 間違えがあった場合は電話かネットでカスタマーサービスに連絡し、基本的に返金の処理をしている様です。

私自身は既に何十回もの買い物をしていますが、先に書いた紙バッグやエコバッグがチャージされていない等、おそらくミスではない事のみが起きています。

出口にも係りの人が居て、精算の事を含めて説明してくれます。

通常のレジもあり、要するに全く普通のスーパーとしての機能があります。

これはニューヨークの郊外の店で第一店舗目となりましたが、この1週間後の7月21日に同時開店かと言われていたニュージャージー州パラマスの店舗が開店しています。 

更には開店日が発表されていないものの近日中にニューヨークとニュージャージーで工事中の店舗が開店します。  又、北側の郊外であるコネチカット州の店舗も同様に開店します。

南カリフォルニア周辺から展開が始まり、シカゴ郊外、首都ワシントンと郊外、そして今ニューヨーク市郊外で集中的な展開をして今日現在のフレッシュ店は39店舗です。

ホールフーズの約520店と共に、ラストマイルの拠点をどんどん作っていくという事です。


ハイテクの工事に時間とコストが掛かるのは想像出来るわけで、その強力な店舗展開の方法は現在のコロナの影響でどんどん潰れたり閉店した郊外モールの居抜き出店の様です。

沢山のトイザラスや家電チェーン、日用雑貨の大型店が潰れました。 コロナの影響と共にその前から始まっていたアマゾンをはじめとするオンライン通販にビジネスを奪われ、倒産し、閉店していったわけです。

その潰れて空いたモールの店舗を今この時に安く交渉し、その居抜きスペースで使える既存の床を使って店を作るので、アマゾンフレッシュの多くの店舗ではこんな床が見られます。

アマゾンは無駄なものに金を描けない主義で、私も見習わなければいけない程です。

ニューヨークに開店したアマゾンフレッシュはこんな展開を進めていますが、先に触れたアマゾン傘下のホールフーズでもハイテク化が進んでいます。

この写真だけを見たら、次の新しいホールフーズの「Now Open」開店にしか見えません。

しかしこの天井からぶら下がるカメラとスキャナーを見たら、アマゾンフレッシュと見間違えます。

そう、ホールフーズで初のJWOがワシントンで開店しました。

アマゾン傘下のホールフーズに、これが出来ないわけがありません。

サービスカウンターがあるのも通常のホールフーズと同じ、首都ワシントンの街中の店なので少し売り場が狭いですが十分な街中タイプとして機能しています。

ここにもAmazonワンが入っていて、この小さなキオスクで手のひらを登録する事で、世界中のアマゾンのショップで手のひらだけで買い物が可能になります。

セルフで手のひらを登録しますが、アマゾンアプリが入ったスマホとクレジットカードがあれば2〜3分で完了です。

このホールフーズもアプリのないお客にも現金のお客にも対応しており、下の写真を見ると右側にはアプリのゲート、左側にはそれ以外の人の専用入り口があります。

ワシントンではこのホールフーズJWO店の近くにワシントン初のウェグマンズの街中店が開店しました。

又郊外のバージニア州側ではアマゾンだけでない新規開店があり、ニューヨークでは出店していないアメリカ最大のスーパーマーケットであるクローガー、ハリスティーター、ジャイアント、フードライオンなどがあり、常に全米トップクラスのスーパーと言われるパブリックスもあり視察出来ます。

日本でも始まりましたが、ジャイアントではリサイクルの容器を使った商品を販売しSDGsを意識した売り方「LOOP」を始めました。

多くのチェーンが取り組んでいくものと言われています。

見た事ある、ご存知という方も多いと思います。

プラスチックの再利用化で、既製の再利用可能な容器に入った商品を世界的に参加企業の店頭で売り、それを使用後に回収する取組みです。

既に多くの企業がこれの採用を始めています。

そう、これは日本でも使われており既にイオンでも採用されているものです。

素晴らしい取り組みのイニシャルをイオンがやっています、これをどこまで広められるかというのが重要で、皆さんが協力する事で世界中に広まるものだと言われています。

アメリカの食品小売業はインフレ加速で苦境ではありますが、レディーTOイートやスチーマーバッグなど、次々と新しい戦略を使って売り上げはガンガン2桁上昇が当たり前の状態です。


これらの最新小売業を視察する日程案を用意しています。

1つはニューヨークだけの3日間、数日自由視察日を伸ばす事も可能です。

全日空や日本航空の直行便、羽田発著などがあります。

もう1つはニューヨークの3日間に加えてワシントンの3日間=6日間の日程です。

ニューヨークからワシントンは途中のニュージャージー、メリーランドを半日かけて陸路で抜けるルートです。

行きは羽田(午前)発の全日空NY行き直行便があり、帰りはワシントン(昼の1時発)から成田行き(午後4時着)の全日空直行便があります。(フライト予定は現在もどんどん変わっている様です)

到着空港(NY)から始まって出発空港(NY又はWAS)で終了する、視察の全てがアレンジされています。

*ニューヨークの3日間視察は

「お一人$1,000、」(旅費経費は別)

*ニューヨークとワシントンの6日間(6泊7日)の視察は

「お一人$2,500、」(旅費経費は別)

これらは、今回下城NYニュース6、7月号を読まれた方、異常な円高の中でもアメリカの視察をなさるという今だけの特別料金とさせて頂きます。

現地での移動は一部地下鉄もありますが全て専用のワゴン車かSUV車を用意しています。

但し最低催行人数は3人、最高は6−7人程度までです。

それを超えると十分な視察内容にならない恐れがあります。

地方の視察では機会があればモデルハウスも見学し、アメリカのキッチンやストックスペースを含む住環境もご覧頂きます。

滞在期間や日程はご相談に応じます。


詳細は下城までお問い合わせ下さい。

By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■ 07/29/2022

https://ny-news.amebaownd.com/

二ューヨークでは毎日の様に新しい動きがあったり情報が入ったりします、ニューヨークの小売業と外食産業の動くを頻繁にアップ致します。

これからもニューヨークの最新の状況と情報をこのブログにて発信しますので、是非このサイトを「+フォロー」等登録なさって下さい。

SHIMOJO NEW YORK NEWS

チャーリー下城の仕事は徹底した流通業界の下調べと足を使った確実な情報に基づいています 賞味期限の切れたような情報はございません チャーリー下城の視察研修をぜひご体験下さい ニューヨーク・ボストン・ワシントン・シカゴは豊富な経験と 幅広い情報からお客様に見合った最善のアレンジをご提供させていただきます