下城NYニュース 5-'20
下城NY・ニュース、2020年5月
ニューヨークでも日本からのニュースをしっかりキャッチしておりますが、当地ではステイ@ホーム令によって多くのビジネスが閉鎖しており日本語テレビの放送局が入るビル自体も同様に閉鎖した様で、日本語テレビ放送は日本のNHK(プライム)放送を日本時間のままで発信せざるを得ない状態でした。
これは5月初旬に書いておりますが、日本もニューヨークも外出禁止令が延長されたタイミングに当ります。
アメリカのコロナ感染者総数は約128万人、死者は7万7千人以上、ちなみに全世界では400万人となっています。
その中でもニューヨーク州では感染者33万人と死者は2万人以上です。
ニューヨークのコロナ感染状況はご承知の通り世界一の感染拡大地域になってしまいましたが、ニューヨークの大感染を終息まで導く総責任者はニューヨーク州知事のクオモさんです。
民主党のクオモさんが、アメリカの総責任者である共和党のトランプ大統領と協力して終息させるという図式です。
実際にはクオモ知事がトランプ大統領から引き出すのは、連邦(アメリカ政府)が今回のコロナに関するニューヨーク州の全ての決定権限への合意と、それに掛かる予算に対する合意です。
トランプさんは事態を強硬に最短時間で終息に進めたい作戦で、良い事ばかりではなく途中で何度も失言やらがあり信頼度も下がった事と思われます。 クオモさんは日毎の進展と作戦を正直に発表する事で信頼を得た感じです。 トランプさんの毎日夕方の記者会見では各社の記者をフェイクニュース屋と呼び、コロナ対策本部の専門家の医師と科学者を差し置いて、認可されていない薬品の有効性を表明し、消毒液を体内に注射するアイデアも良い、という全く的外れな事を発表してしまう等ありました。 しかも、その場で専門家がそれを否定するという茶番が見られます。
我々ニューヨークの市民としては、ステイ@ホーム令に入って間もなく2ヶ月になりますがやっと山を越えて多分半分程下がったところで更に麓に向かっている状態です。
ニューヨーク州だけでも33万人以上の感染者と約2万人の死者が出ておりますが、そのうちの多くは医療従事者でした。
アメリカではスーパーや薬局を含むエッセンシャルワーカーの中でも特に医療従事者への感謝の念が非常に強いです。 4月28日には、その医療従事者他、我々をコロナ感染から守ってくれている人達への感謝と応援の為、アメリカの軍隊によるアクロバット飛行がニューヨーク市の上空で行われました。
アメリカの小売業においては毎年新しいトレンドがあり、毎年の中でもどんどん進化しており食品小売業界においても商品自体は勿論、店作りもデザインも付随するハイテク機器、ソフト面も進化しております。
その分野において、このコロナ騒動中の3ヶ月間は小売業界が大きく変化を強いられる期間でありました。
更にこれからの3ヶ月間そしてその先と、どんな変化が見られるのか、非常に楽しみでもあります。
後日振り返ってみたら分かりますが、おそらく3ヶ月前から始まったこの1年間程は10年分位の進化を一気に無理やりにやっている事になるかも知れません。 言い換えると、今回のコロナ騒動が起きなかったとしても10年後に小売業や消費者にとって必要な事、求める事がここで今我々がやっているのかも知れません。
コロナ騒動の後に生活や小売の状況が元に戻るのかといえば、全く新しい小売の仕方を今作っているので我々の将来は違った状況になっていくと思っております。 それは同じ事が外食産業にもその他の小売業にも言えますね。
例えばですが、我々の家やビジネスの場には緊急事態用に食品や備蓄品を保管するクローゼットを設置したり、スーパーマーケットや外食産業では店内に入る通常のお客に加えて、テイクアウト/ピックアップ、デリバリー等の作業スペースや受渡しの場が設置されるかも知れません。
この数ヶ月間にも、ニューヨーク発のディーン&デルーカやフェアウェイ・マーケット、小売業ではバーニーズやJクルーに加えて、アメリカ最高級と言われるニーマン・マーカス等も倒産しています。
コロナ騒動の発生以降、アメリカのスーパーマーケットでは先ず安全性が求められ、入り口や店内での衛生面や店内がこみ過ぎない様にという配慮も必要になりました。
コロナ規制中の今は、
*店内に消毒液ディスペンサー、使い捨てマスクやグローブを配置する等は当然の事になっています。
*店頭に入店客数を把握出来るセンサーを付ける店が増えており、入店客数制限を最大の25~50%に制限している店舗が多く見られます。 オハイオ州の企業が販売するこの店頭設置のセンサーでは、最大客数を75人とセットしてあり現在22人の入店、残りは53人のお客を迎え入れられるという事が店内の何処に居ても自身のスマホアプリ等にて把握出来るのです。
*売れ筋商品も変ってきて、缶詰・瓶詰め、冷凍食品等の日持ちする商品が売れています。 小売店側としては消費期限が長くリスクが少ない商品です。
*売り場を一方通行型にして、お客を一方向に動かして対向させない事でスムーズに早く安全に買い物が出来、混雑も緩和させる様にしているチェーンもあります。 これは元々スチュー・レオナードなどでは行われていたものです。
*カートは一人一台、その一台に二人までの買い物客でというケースもあります。
今までとは違った売り方買い方が当り前になり、如何に簡単に買い物を済ませて支払いまで終らせられるか、実際にこの1年間ほどニューヨークで行われてきた事(コンタクトレスでペイ出来る)が一気に沢山の店で実用しそうです。
例えば、既にニューヨークでは実用化していますがショッピングカートに買い物商品を入れた時点で精算が始まったり、お客自身のスマホを使ってセルフでバーコードを読取る事で買い物をしていき、最後にはスマホで支払いが出来るのでレジで並ぶ事も不要です。 お客が自身のスマホを使う事で今まで店内でやってきた店員さんと接する多くの事が不要になって来ます。 店内がこむ事や人と接する事を最大限少なくして素早く買い物を終了出来るのです。
そして数年前から人気になっていたデリバリーやピックアップという利便性のサービスが一気に使われ始めました。
スーパーマーケットの各チェーンはお客がアプリを使って買い物(発注)しそれをデリバリーする配達サービスと共に、ピックアップ用に店内(又は駐車場の一角)に揃えておくサービスにも力を入れています。
一般のお客が買い物の為の来店をしない店舗、ピックアップ(+デリバリー)専用の店を作ったり、今回のコロナ騒動では一定地域のチェーン店内の通常店舗の一店を臨時でデリバリー専用の店舗に仕立てたりする例(ホールフーズのNYブライアントパーク店、ロサンジェルス郊外の新アマゾンマーケット等)もあります。
ホールフーズはニューヨークの中心地マンハッタン内だけで12店舗ありますが、このブライアントパーク店はグロサラントとしてイートインに力を入れた店舗です。 今回のステイ@ホーム令では店内飲食を禁止しているのでそのイートインスペースが使えない為に、その部分を臨時の作業場にするのに都合が良かったのです。
ロスの郊外にこの春開店予定だったアマゾン・マーケットの新店舗も、急遽開店せずにその店を臨時にデリバリー拠点としました。
アメリカではこの数年伸びてきたデリバリーという分野ですが、地域と客層で利用度にばらつきがあり、今回のコロナ騒動で一気にゲームチェンジとなりました。
そして日本でも一気に進んだ(許可された)と聞く「uber eats(ウバーイーツ)」ですが、アメリカでは食品スーパーと組み全米規模で展開するインスタカート等と、各チェーン独自で色々なシステムやその他配送チェーンと組み合わせています。 ウバーイーツは、元々がアプリを使ったハイヤーのシステムですから、日本でもこの部分からしてもっとアップデートされて使い易く変わってくる事と想像出来ます。
先のニュースレター(ブログ版)でお知らせしている通りですが、スーパーマーケットや食品店では販売店スタッフ全員の、マスクとグローブ着用が義務付けられました。 ニューヨーク州では、パブリック(公共の場)に出る場合に6フィート(約1.8M)の間隔を取れない場合はマスクをするという条例も発せられ、ストアに入る場合も同様で、入店人数制限、レジで並ぶ場合の間隔制限等が義務付けられています。
現在ストア内の肉や魚のカウンター、デリカコーナーの接客販売の取り分けも臨時で中止されており、プリパックされた商品を用意し販売しています。
特にレジではお客とスタッフの距離が近くなるので、アクリルガラスなどで仕切りを作るのが普通になっています。
スーパーマーケットと地元レストランはこのコロナ騒動が始まった時からコラボが始まっていました。
ニューヨークでは3月15日にレストランの店内飲食が禁止となり、テイクアウトのみの営業となり、臨時的に休みになった調理やウエイトスタッフを、人手が必要になったスーパーが優先的に雇いました。 レストランの多くはテイクアウトとデリバリーを始めましたが、店舗だけでの販売には限度があるので、レストランの特別メニューや惣菜パック商品を地元のスーパーが協力して売る事になりました。
ステイホームの食事に飽きた消費者にも気楽に選べるものも多く、街全体のみんなを助け合う事となりました。
https://ny-news.amebaownd.com/posts/8169806 お持ち帰り(4/29)
ニューヨークのステイ@ホーム令でも医薬品、日用品、掃除衛生関連商品の販売と共に、食品関連のほとんど全てはエッセンシャル(生活必需品)なビジネスという事で営業を続けています。
州毎のルールが少しずつ違いますが、ニューヨークでは小売店だけでなく生産から物流の流れの全てです。
その中でもコロナ感染者が発生し易い部分があり、それが小売店の販売スタッフと製造・生産工場スタッフです。
実際に起こっているのはミートパッカーで、大手企業の工場でもそれが起こり一部が臨時的に閉鎖されています。
又、輸送用の大型トレイラーのドライバーにも感染者やその他の理由で休んでいる人が多く、輸送面でも問題が出ています。 多くの冷蔵・冷凍倉庫において貯蔵量が満杯になっています。
おまけにステイ@ホーム令出ている事で家庭での消費が大きく伸び、ミート関連では小売店やスーパーでの25~30%以上の伸び、全体売上げとして30~47%(アルバートソン等)の売上げアップいうニュース報告です。
それらの事から牛肉、豚肉、卵等で店頭の品不足が発生してしまい、実際に時として夕方には品切れが出ている売り場を一部で見掛けます(現時点ではチキンは供給出来ている様)。 先週の大統領令では全米のミートパッカーは運営を続けなければいけないと言う指示を出しています。 ミート工場ではスタッフが不足している状態の中での運営なので、生産量は通常よりも低いのが現状でそれが一部では価格にも跳ね返っている状態です。 卸価格には今のところ大きな影響はない様ですが、アメリカ産の肉は相当量が日本に輸出されており今後とも注意が必要です。
日本で起きているコロナ騒動による消費落ち込みによる生産農家や肉在庫のだぶつきに対し、アメリカではコロナ騒動によって消費が拡大している事と共に人的な不足による冷蔵倉庫にて肉在庫のだぶつきが見られています。
https://ny-news.amebaownd.com/posts/8158713 肉情報(4/27)
スーパーマーケットでは異常事態が発生していて、毎日の現地ニュースを見ると近郊の農家も生産、輸送、販売等で困難が出ており、パブリックスやウェグマンズと言う優良食品小売企業も大いに協力して食品のロスは最低に抑えられる様なセールやフードバンクへの寄付を率先して行っています。
生産する側にとっても非常に苦しい状況で、出荷が出来ない状況も見られ場合によっては廃棄になってしまう為、金額に拘らずに引き取り手を求めています。 フードバンクなどの資金不足による空廻りや一部は閉鎖などされています。
全てを見廻した時に、やはり日本もアメリカも生産者、小売企業、消費者にとっても苦しい状況には違いない様です。
パブリックスをはじめとする大手企業では、困っている生産者から緊急的に臨時で直接産物を買付ける措置などを取っている場合もあります。 時には買付けた食品(や牛乳等)をそのままフードバンクへ寄付するニュース等見られます。 又は、閉店中の地域のシッピングモール等に運び込んで、地域住民の希望者が欲しい物を自由に受取れるシステムが行われています。
パブリックスはウェグマンズと並んで全米最高のスーパーマーケットチェーンと評価されています。
スーパーマーケットは生活必需品を扱うビジネスでありコロナ騒動中も全て開業なので、以下写真の様に、この間にもグランドオープンする店が出てきています。
ただほとんどの場合、通常行われる開店記念の式典やセールは人を集めてしまうのでそれは避け、又場合によっては先に書いたデリバリーとピックアップだけ先行してサービスを開始する場合もあります。
こんな折です、どんな新らしいアイデアやサービスを作ったかも楽しみです。
ニューヨーク周辺でも新店舗が出来ておりますので、次のニュースで紹介出来ればと考えております。
今回は引き続き皆様に二つのオファーとお願いがございます。
一つは、「20-3ワシントンサプライズ」を継続してやっております。
経費別の視察研修参加料は、お一人当たり$2,000.の特別料金で、最低催行人数は2人です。
このワシントン〜NYの日程は、先回のニュースでリストしたマーケットを中心にその時の最新小売業や話題に店を加えてお作りします。 コロナ問題が終了次第にいつでも開催いたします。
参加者様のご希望によってはワシントンの南側の郊外へ回って、全米有数のトップクラスのマーケットに加えて、全米最大のスーパーマーケットチェーンであるクローガーなどを視察するルートがあります。
2020年も引続き新店舗の開店予定があり、新しいアプリを使った売り方や実験店が予定されていて我々も大変楽しみにしております。
視察店舗に関しては過去の下城NYニュースの中に沢山の小売業が網羅されていて、それらを加えて変化に富んだ視察内容になります。
■□この特別プログラムは、今お申し込み頂き申込金だけを頂戴して、実際の研修日程は2020年内のご都合を後日お聞きして相談させて頂き調整致します。□■
過去には小売業経営者様の後継の方の、夏期旅行にお使い頂くなどございました。
毎年9月〜11月はピークになりますので、その間のご希望は早い時期にお決めお願い致します。
二つ目は今後の視察アレンジにお使い頂ける「特別割引ギフト券」を用意いたしました。
ご使用期限は無く、いつでもお支払いに使って頂けますが、経費にはご使用になれません。
視察研修のアテンド料とアレンジの部分でお使い頂けます。
$1,000、分を半額の$500、で販売致しております。
今回これは日本払い(5月06日現在$1、=110円換算)も可能です。
領収書はニューヨーク発行となり、その金額はインボイス上はフルプライス(割引額でなく)とする事が出来ます。
この企業様に対しては、私どもをサポートして頂けるという事で今後とも特別のサービスをさせて頂きます。
今年も状況が可能になりましたら複数回の日本訪問を予定しておりますので、視察のご相談に関しても、私の日本出張中のタイミングが合う限り日本でのミーティング、オリエンテーション、説明会を開催する事とします。
早めに日程を立てて頂く事で調整させて頂けますのでご相談下さい。
是非この視察研修プログラムで最新情報をキャッチして、アメリカの優良企業を目の当たりに接し、愛社精神と人間力を培いこの業界をリードするトップになって頂ける事、又、参加されるスタッフさんの感動を引出す事は間違いありません。
ご興味のある方は下城までご連絡下さい。
チャーリー下城NYC■ 5/10/20
**毎日の様に新しい動きがあったり情報が入ったりします、ニューヨークの小売業と外食産業の動くを頻繁にアップ致します。
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