下城NYニュース、04-'24(シカゴの人気グルメ店閉店)

ニューヨークは日本より遅れてちょうど4年前にコロナが発生して、今では世界中でほぼ完全に終了したかに見えますが、色々な状況変化があって影響を残しています。

実際には未だにコロナに罹患する人も多くいます、脅威ではなくなったという事ですね。

その最中に発生した大きな変化は日米ともに品切れ頻発からその後はインフレで、生活物資や食品が大きく値上がり、それにも関連しますが我々の買い物の仕方が変わりました。


小売業の側でも大きく変化し、未知のハプニングでもあり政府からの制限や指示にも対応し、苦慮しました。

レストランの多くは一時店内を閉鎖してテイクアウトにての対応に迫られた時期もありましたが、エッセンシャルという我々の生活に必要な食品店、マーケット、コンビニ店、ドラッグ店等は対応しながら継続する事になりました。

今週のショッキングなニュースは、そのコロナであったから好評で売上げも伸ばしたシカゴの2つのチェーンが会社更生法を申請し、残念ながら即日閉店した事でした。

会社を構成する場合に閉店しない選択、要するに負債などを整理しながら営業を継続して短期間で構成するケースも多く見られる事から、この全店閉店は大いに意外でした。


一つはDOM's というグルメマーケットで、グルメストアとレストランの料理を惣菜としてテイクアウトで販売する、コロナ中に絶対的にウケた新しい業態の店です。

もう一つはFoxtrotという進化系のコンビニ店で、コンビニエンスでありながらバリスタが居て夕方からはバーテンダーが居る、朝昼夜用のお弁当がありシェフ監修の高グレード商品です。 最大の特徴はコロナ前からですがアプリで発注しお客自身がピックアップしたり、エリア限定ですがそれらを短時間でデリバリーする事でした。

こちらはフォクスロットの首都ワシントンの店で、立地はおしゃれなエリアで東京でいえば表参道、ニューヨークでいえばそー日に当たる様な店です。

どちらもシカゴから始まって、チェーン展開をしています。

コロナで存在価値が大きく上がって業績を伸ばした二社で、

この二社は昨年(23年)末に合併した事で、これからの動きを注視していました。

その二社が合併して新会社 ”Outfox Hospitality"が設立され、フォスロット社の社長が新会社の社長に就きました。  

23年11月に新会社の社長に就任したリズ・ウィリアムズさんですが、数か月後の今年の2月には早々と退任、即日、大手チキンファーストフードチェーンの社長として迎え入れられました。

私が「あれっ?」と思ったのはその時でしたが、今週のニュースはやっぱりという事になったのでした。


ドムズがどんなに素晴らしいマーケットであったかというと、

詳しくは21年7月発行のSNYニュースにありますが、

シカゴだけでなく全米レベルで見ても最高クラスのスーパーと言われたマリアーノスの創始者が引退して、現役時代の同業界のエキスパートと組んで始めたチェーンです。

富裕層を狙ったコンセプトで、日々の食事にレストランへ行く人にも十分対応出来るレベルの惣菜を用意し、外出せずに自宅で簡単に楽しめる惣菜をセットにしました。

店内にはオープンキッチンのコーナーがあり、その一部はカウンターでシェフと話をしながらの酒食を楽しめるものでした。

グルメ店なので店舗サイズは通常のスーパーの半分以下、しかし扱い商品はスーパーの生活必需品ではなく世界中から集める珍しいものや高級食材が基本で、店内で調理する惣菜のほとんどは店内の在庫食材で作られていくという、ロスを出さない仕組みになっていました。

売り場面積の半分以上が惣菜やテイクアウト食品で、食材の売り場(物販)のエリアは少ないという異例の売り場構成です。 その理由は当然利益率が高い惣菜を主として、利益が少なく競合もある物販は重点を置かないとなっているわけです。 この場合は、物販商品がある意味惣菜調理の在庫でもあります。

朝から夜までの食事にスナックにお酒、日本食に中華食にベーベキュー、リカーもビールからワイン、ハードリカーまでが扱われました。

週末の朝ご飯を食べに集まる近隣のお客も多く、エスプレッソバーやインストアのベーカリーには列が見られました。

上の写真で分かる通り、AMはコーヒーや紅茶などのドリンクと朝食用ドーナツやマフィン、PMになるとそのカウンターでお酒やカクテルを販売します。

店内と店舗の外、数カ所に分けてイートインコーナーがあります。

コロナ初期には店内飲食の制限もあったので、まさにコロナが始まった時に求められたそのものでもあります。


フォクスロットはその直後の21年8月に特集しています。

今思えば、コロナで一気にその存在価値を上げた事で、期せずして相前後でその2チェーンを特集した事になります。

アメリカ発の7−イレブンは日本で大いに成功し、実際に非常に便利な存在で日々の生活に無くてはならないものとなっているはずです。

本家のアメリカではセブンを含むコンビニ店とは、多くは給油所の一角にあるものなので使われ方が違います。

フォクスロットの狙いは、出店している地域のオフィスワーカーや中級収入層以上の住民をターゲットとして、安さでは無くコンビニエンスを求める客層を対象とします。

コロナで働き方も変わり、広くて快適なイートイン席を作り朝の淹れたてコーヒーと朝食を買いついでに朝の仕事をこなしたい人も多いはず、そんな使い方にもぴったりです。 

リモートワークで仕事中のランチにはグレードの高いテイクアウトの食事をオーダーし、短時間でデリバリーを受け取る事が出来ます。

夕方からは、キャッシャー兼コーヒーバーにバリスタに加えてバーテンダーも居る、仕事帰りかリモートワークで家から出て、レストランではなく酒食も出来るのがこのチェーンの特徴です。

この2つのチェーンの内部事情は分かりませんが、会社更生法が掛かった今(負債が整理され)でも十分にメリットがあるビジネスで投資家が目につけている事と想像出来ます。

このニュースから分かる事は、二社は共に今までの概念にとらわれない新しいアイデア、フォーマット、イノベーションを持ち込んで挑戦した企業でした。

ドムズは単にグルメ店というだけでなく、グロサリー業界のレジェンドが集まって食品販売と同時にフードサービスのステーションを作り、デモ・キッチン兼カウンター前で調理を見せて食事が楽しめる様な、多様性を駆使してお客を集める事に成功しました。

フォクスロットも単にコンビニ店ではなく、カフェであり、食事も出来お酒も飲める、ご近所さんの集会場所であって、それらをひっくるめた新業態でした。

という事は、コロナを乗り切ったこの二社の集合体のどこに問題があって今の結果に至ったかなど、私だけでなく小売業界、外食業界の多くの人が興味を持っている事ではなかと想像出来ます。


ニューヨークではアマゾンが大きなニュースになっていて、スーパーマーケット型店で採用していたウォークアウト式の清算方法を、ダッシュカートというスマートカート式に切り替えるというニュースです。  

コンビニのアマゾンGOでは引続きウォークアウト式を採用、通常はまとめ買いが多いマーケット型でのウォークアウト式清算は、ミスや不便な要素が多かったものと想像します。


間もなくニューヨークでアマゾンダッシュカートの入ったアマゾンフレッシュ店舗の視察ができる事になります。

さらにその分野では競合するケイパー社のスマートカートも複数店に入っていて、実際に大変しながらの店舗視察をアレンジ出来ます。


下城NYニュースでは、今回の内容に沿った視察研究が出来る様、ニューヨークと接続するフィラデルフィア、ワシントン、ボストンなどを組み込んだ研修や視察プログラムを用意しております。

昨年来次々と開店した首都ワシントンのウェグマンズ、デラウエア州のウェグマンズと立て続けに小型の店を開店し、コロナ後に起きた作戦変更の様子が見られ、更には23年10月にはウェグマンズのマンハッタン街中店が開店しました。  これ実はまだ完成に至っておらず、店内飲食のスペースや手洗いも完備していませんが、次々と新しい事を仕掛けているのも事実です。

コロナや戦争その他で起きたインフレの影響もあって、この2−3年間で一番出店している食品店チェーンがディスカウント系のチェーンです。

ニューヨークの郊外で、アルディ、リドル、グロサリー・アウトレット等その店舗を一気に視察する事ができます。

滞在期間や日程はご相談に応じます。

詳細は下城までお問い合わせ下さい。

By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■ 4/27/’24

https://ny-news.amebaownd.com/

#下城ニューヨーク

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