下城NYニュース 3-'18
下城NY・ニュース、2018年3月
先回のニュースレターでは、昨年ドイツから食品小売業界に参入した「LIDL(リドル)」ついて触れさせて頂きました。
それに関する質問が沢山届きましたのでもう少々説明させて頂きます。
当地ではこの約10年間、同じくドイツ発祥のディスカウンター/ボックスストアであるアルディが大きな話題になりましたが、本国でも競合しているリドルのアメリカ進出は、アルディだけでなく食品小売業界全体への影響があるはずです。
アルディは本国ドイツで1961年に創業し、アメリカへの進出は1976年でシカゴ地域から始まりました。
本社はシカゴの北郊バタビア市にあります。
筆者は1980年代の後半からシカゴの小売業にも目を向けており、その当時のアルディの視察にはある種の恐怖感を含む嫌悪感があった様に記憶します。
というのも、その当時のシカゴの治安が劣悪であった事に加えてアルディが出店する地域は基本的に低所得者層が住む郊外のエリアであった為、私自身が買い物に立ち入る事さえも大きな不安を抱える地域がほとんどでした。
腕時計や車内のかばんと貴重品をシートの下に隠して、思い切って入店した事を記憶しています。
80年代にはニューヨーク郊外に進出していましたが、我々の目には留まらない種類の興味の湧かない店でした。
トレーダージョーズとは兄弟関係にあるこのチェーンも、扱い商品の80~90%以上がPB商品となっています。
しかしアルディはその後大きく変革し、現在はカリフォルニアにも進出、2017年だけでも150店舗を開店し総店舗数1750店以上のチェーンとして全米の広い地域に展開、2022年には2500店舗を目標にしています。
販売管理比率は業界最小とも言われ、スタッフに対しては非常に手厚いケアーが出来ているとも言われますが、なるほどその秘密が店内各所にはっきりと見られます。
そしてリドルですが、本国ドイツを中心にヨーロッパ各国で1万店舗以上の展開をしており、競合アルディのアメリカでの成功に影響を受けた様で、アメリカ版アルディの限定的な商品構成に対抗する為に本国のリドルに近い店舗サイズと商品構成で展開を始めました。
リドルの本社はニューヨークの南側に当たる首都ワシントン郊外にあります。
最初の店舗展開も本社があるアーリントン VA.の南側、バージニア州~南北のカロライナ州一帯で2017年の後半だけでも50店舗以上開店しています。
広い店内にはインストアのベーカリーやフルーツ野菜のプロデュースコーナーも広く取り、試食コーナーもあります。
アルディが初期に展開した低所得層をターゲットとした超低価格商品を扱うコンセプトではなく、日用雑貨品の扱いも多くその上の層をターゲットとして買い物をしやすい広くて明るい(写真上の様フリースタンディングの)店が作られています。 ただし、昨年からの業界トレンドとしては大型スーパーも小さい店を出す方向にシフトしており、リドルも同様の考えを持っている様でサイズはエリアによってフレキシブルになってくると予想されます。
店舗展開は既にニューヨークに向かって北上し、現在ではニュージャージー州までリドルの出店が進んでいます。
そして次にニューヨーク商圏に参入する食品店チェーンのスプラウツ(又はスプローツ)Farmers Marketは、南部アリゾナ州が発祥で現在まで主にアメリカの南部方面と西部方面で展開しています。
同じくテキサス州から発祥したホールフーズにも共通する面があり、ヘルス志向でオーガニック商品や自然食品、アレルギー対策商品、ビタミン・サプリなどを中心に商品が構成されています。
ホールフーズやトレーダージョーズと実際に顧客ターゲットも重複しています。
2002年に創業した若い企業ですが、既に南部~西部を中心に約285店舗のチェーン展開となっており、間もなくワシントンからニューヨークの間にも、東海岸中部の1店舗目が出店、我々の視察範囲に入って来ます。
ご覧の通り、店内はホールーフーズやトレーダージョーズに一脈通じるものがあり、彩りのきれいさや見易さ、グルテンフリー商品の表示が大きく見易く作られています。
写真右下のトマトをご覧頂くと外見がいびつなのが分かりますか?
Heirloom(Hは発音せずにエアルーム)トマトという多くの場合オーガニックで作られる食べて美味しいフルーツの様なトマトと言われます。
アメリカでは多くのスーパーで扱われ価格も一番高い種類の人気トマトですがスプラウツでもこれが扱われています。
この春、これらの最新店を含めてすべて廻る、ワシントン~ニューヨークの視察勉強会を計画しています。
ワシントン~ニューヨーク視察研修 2018年5月
4月28日(1日目)、ワシントン・ダラス空港に集合
ワシントン・ダラスに2泊し、ワシントン商圏の最新小売業を視察
29日(2日目) ワシントン商圏視察
30日(3日目) ワシントンからNYへ移動しながら視察、ワシントン商圏にない小売業視察+体験
中間地点のキッチン付ホテルに宿泊し、マーケットの惣菜・食材を使った食事を試食体験
5月01日(4日目) ニュージャージーを視察しながら午後ニューヨークへ入り視察、ニューヨーク郊外に2泊
02日(5日目) ニューヨーク商圏視察
03日(6日目) 午後までニューヨーク視察後、夕方の東京行き便にて帰国
(希望者はマンハッタンへ移りマンハッタンのホテルに宿泊自由視察日とする)
日程はこれから作りますので、開始日と視察内容の調整は可能でご希望をお選び頂けます。
ご興味のある方は下城までご連絡下さい。
併せてFacebook の写真などもご参照下さい。
https://www.facebook.com/Shimojo-New-York-News-140504233288804/
チャーリー下城NYC■
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