下城NYニュース、11-'24(会員型で業務用の仕入れ倉庫)

日本からお越しの流通業界向けのアメリカ小売業に関わる企業研修や視察をアレンジ催行する中で、よく希望に上がるのはスーパーや食品店が実際に仕入れる生鮮品市場の見学の可否ですが、これは不可能ではないもののグループでは困難があります。

そんな折に非常に興味を持たれるのは、プロ用の仕入れ倉庫訪問・見学です。

レストランやコンビニ・デリカテッセン店などを経営する店が仕入れルートの一部として使う、以前は「キャッシュ&キャリー」と言われた会員制業務用倉庫という業態です。

日本にも以前にはプロ用の仕入れ倉庫「メトロ」があり撤退しましたが、それに匹敵する市場の代わりに使えるプロ用の仕入れの場です。

この業態では「レストラン・ディポ(Restaurant Depot)」と「ジェトロ(JETRO)」という2社が全米でメジャーでしたが、この2社は1994年に合併した事で現在はレストランディポとして全米150店舗以上で展開しています。

入店(と最後の支払い時)には会員証の提示が必要で、入会するにはレストラン又は食品店を運営しているプロである事が条件で入会申請後に審査があります。

(下城はレストランを経営していた時に入会し現在も会員を保持しており入店出来ます)


感覚は市場に近く、業務スーパーやコストコという一般客が対象になったスーパーや会員制倉庫とは全く別物で、倉庫内はどちらかといえば商品(ワーカー)優先という感じです。

店頭にショッピングカートは無く、こちらでU-Boatという台車を使っての仕入れです。

レジの前や倉庫内、駐車場はこれで溢れています。

入り口から入ると、そこはもう食品倉庫であり市場です。

野菜・果物は基本的に小分け袋は無く箱入りかサック(網袋)等に入った形で売られます。

扱い商品は野菜・果物等のプロデュース商品、精肉・鮮魚、ハム・ソーセージ・チーズ等のデイリー商品、全てのスパイスやソース類、粉食材全て、液体食材全て、ビバレージ(飲料)各種、米を含む穀物類も日本産米を含む相当の商品があります。

冷凍素材に冷凍加工商品、よく見るとパン粉まで付けられたチキンかつ、ピザ店用の冷凍生地、ソース、シュレッドチーズにトッピング、これだけでもうピザが作れちゃうほどです。

フレンチフライのポテトも各種の違ったサイズとカットが冷凍で売られます。

殆ど全てのレストランで人気商品になる様な定番商品は、下拵えが済んだ状態で冷凍になって販売されています。

レストランの運営で必要になる食品以外の全ての物も、例えば食器やキッチン道具全般、包材全般、洗剤を含む清掃用品、会計時に使うノートやロール紙、機材など全ての商品は小分けされたものではなく家庭では使えないサイズです。

ショッキングなのはM.S.G.(味の素等のアミノ酸調味料)の中国版、このサイズで仕入れたらそりゃ使い過ぎちゃう気がします。(赤い缶の前に置いた500ccの缶詰のサイズを比較にして下さい)

アメリカでは「反・味の素消費者」というのが一定数ありました。

おそらく70年代、中華料理のテイクアウト等が一気に広まった頃に、調理知識が無い料理人があまりにも多くM.S.G.を使った中華料理店があった様で、「一振りで美味しくなる」使い方ではなく「使えば使う程美味しくなる」と思い込んだ料理人が、一人前のスープや料理にスプーン一杯使ったりなど、味が変わるほど使ったのかも知れません(あくまでも聞いた事がある一意見です)。


又、コンビニ店や街中のデリー店では食べ切りサイズのスナックやぺストリーが売られますが、それは大箱に小売サイズが入っていてそのまま店頭に並べられる様に販売されます。

大手コンビニチェーンが非常に少ないニューヨーク市では、パパ・ママ・ストアのコンビニ店も多く、彼らの仕入れ手段の多くはデリバリーのコストが掛からない自前の仕入れで、こういう会員制倉庫を使う事で利益を確保出来るのです。


圧巻はミートのコーナーで、ボックス単位以外でもパッカーから来た状態の5−10キロ単位のパックでも売られています。

これを見るとアメリカはやはり肉の国なのだという事を実際に確認させられます。

キッチン用品等は小さいキッチンユースのユーテンシルやサーブに必要な物から、店内家具全般、設備に当たる冷蔵庫や食洗機、ボイラーなども扱われ一部商品は店舗(又は現場)へ直送をアレンジ出来ます。

これでも十分でない視察チームの方には、ニューヨーク市のブロンクス地区にあるハンツポイント・マーケットになりますが、これには事前の特別なアレンジが必要です。

間もなく師走に入りますが、小売業はブラックフライデーのセールを皮切りに年末商戦と競合を打ち負かす戦略を持って展開を進めています。

ハイテクはAmazonなどAIカメラやスマートカート等の外見だけでなく、非常に深いシステムを作っています。

更に、巨大企業や大手SMには太刀打ちしない、価格競争ではない素晴らしい店作り、日本でいうデパ地下並みの惣菜売り場をを売り物にするスーパー等、ニューヨーク周辺を含む各地に見られます。

ニューヨークの郊外ではまさしくコロナ後を見据えた業態であるアルディ、リドル、グロサリー・アウトレット等その店舗を一気に視察する事ができます。

滞在期間や日程はご相談に応じます。

詳細は下城までお問い合わせ下さい。

By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■ 11/28/’24

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