下城NYニュース、11-'25(ホールフーズ/Amazon MFC)

ホールフーズの親会社であるAmazonが、ホールフーズの店内で展開するアメリカで初の新しいシステムを紹介します。

これはニューヨークの南側に当たるフィラデルフィアの郊外にある店舗です。

この店舗の外観を見ても、入り口から入ったメイン部分の雰囲気も全く普通のホールフーズで、店内スクリーンでホールフーズや扱い商品に加えてAmazonの宣伝も混ざって見えるのは、最近のホールフーズの常でもあります。

ただし、ホールフーズの店内でアマゾン・フレッシュの商品が35%オフですとは、これまでのホールフーズの店内宣伝(In-store Retail Media)では無かった事です。


その新しいシステムとは:

結論を先に言いますと、ホールフーズの買い物の場合に大きな弱点である同社で扱っていないナショナルブランド(NB)商品を買いたいお客に対して、それを求める為に他のスーパーへ廻る必要が無い大きな改革、追加をしています。

このホールフーズ店舗のお客は他のスーパーへ行く事なく、その場で手元のアマゾンアプリや店内設置の専用タブレットを使う事でAmazonでNB商品等ホールフーズで扱わない商品をオーダーして、宅配ではなく数分後にその店内でオーダーを受取れるというシステムを組込みました。

しかもアマゾンの商品扱い点数は12,000skuを超える品揃えで、小型の食品スーパーマーケットの扱い品目数並みいう事になります。(トレーダージョーズは平均的に5~6000sku)

店内のAmazon Grocery のピックアップデスク(Order Pickup)と、店内売り場に付けられた専用タブレットです。

見難いのでタブレットとその売り場の棚を拡大してみました。

一例ですが、ホールフーズPB(365)のクラッカーは$4.99で売っていますが、アマゾンのPB商品は$1.84で売られています。

ナビスコの商品は$3.49とその中間の価格で、お客はこれまでの選択肢に加えて安い商品とホールフーズのPB商品、そしてNBを選ぶ事が出来る様になっています。 この場合365の商品は売れなくなりますがお客が他のスーパーへ廻る事を避けられるという事も言えます。


このコーナーはアマゾンのサービスデスクの形になっていて、店内でオーダーした商品の他にも通常のアマゾンオーダーの商品受け取りと返品「Amazon Returns」が出来る様になっています。

返品の列が混んでいる場合には、その横にセルフで返品出来るキオスクも並んでいます。

日本でも同様かと思いますがアマゾンで購入する最大のメリットは、扱い商品の品揃えと共に殆どの商品が無料で返品出来る事でもあります。

アメリカの買い物全体における商品返品率は10%を超えると言われ、特にアマゾンでは更に返品率が高く、その返品率の高さは理由不問であったりサイズや色や品質が気に入らない場合や使ってみた上で返品出来る事にもあり、買い物客側にとって大きな購買理由になります。

アマゾン通販の場合一部の返品(郵便局経由等)では有料ですが、アマゾンとホールフーズの自社店舗やUPS(宅配網)へ持ち込む場合は無料返金でクレジット返金(アマゾンのアカウント宛)の場合はほぼ同時に返金となります。

アマゾンとしては自社の店舗への返品の場合は直接輸送コストが掛からないので、そこを充実させる事で最終的な運営コストを下げる事になります。


今回、私は自身のアマゾンアプリを使ってこの店内で数品をオーダーしてみました。

店内のLANに入ってアプリを開くと、同店で受取るセッティングで買い物が始められ、SMの定番商品でホールフーズでは扱わないであろう商品6品をオーダーしてみました。

それにしてもホールフーズに比べて商品がぐっと安くて、パスタ一箱がこちら感覚で48円、

オーダーを入れた段階で「13分で用意出来る予定」との表示されています。

実際には1:35pmのオーダーから10分後の1:45pmに「Ready for Pickup」という知らせが来ました。

ホールフーズでの平均的な買い物時間は、コーヒーや飲食も出来るタイプの店なのでその場合は長めになりますが通常の買い物だけであれば15−20分かも知れません。

しかしここでAmazonが導入したその場で受取れるシステムにはロボット式のMFC(=Micro Fulfillment Center)が店内に組み込まれていて、通常のオーダーは7−8分で用意出来るというものです。  このMFCのサイズは約1,000平米と発表されています。

私も実際にやってみたところ、6品目のオーダーが10分でReady to Pick Upとなりました。

土曜日の午後で混んでいる時間帯でこれなら通常の買い物の際にも十分だと思います。

Pickupのカウンターに列はなく、1−2分で受取る事が出来ました。

カウンター内はこんなで、受取った商品はこんなパッケージ「Instore Rush Pickup」です。

残念ながらロボット組込みのMFCは我々の目に見える部分にはありませんでした。

その代わりにアマゾンが発表したこのロボットシステムの動画をご覧にいれます。

https://youtu.be/sxBwdBUV2mE

今回このシステムはロボットを組込んだM.F.C.をホールフーズの既存の店内に後付けで組み込んでいるわけですが、このシステムはそのスペースがある店舗でのみ追加が可能となります。

今後の新店舗ではこのシステムを最初から組込んだ店舗を作るという可能性もあります。


またこのシステムの前段階として、ホールフーズ店舗の横に隣接してアマゾンの小型ショップであるAmazon Groceryを設置したパイロット店もあり、可能性を探っている様です。

写真が見難いですがシカゴのホールフーズ店にはAmazonのショップが隣接しています。

アマゾンとホールフーズの新しい取り組みの一つに街中の大型店の中間や隙間の商圏を狙った小型店、デイリーショップを出していて、ニューヨークの中心であるマンハッタンでの展開に加えて近郊や首都ワシントン等の展開を始めています。

以前にも触れた通り、アマゾンは事前の情報や通告等を出さずに新しい動きをする場合があるので全く目を離せない状態です。


アマゾン・ホールフーズ以外でも既存のウォルマートやスーパーマーケットに併設してロボット組込みのMFCを付けて、宅配デリバリーをしているケースがあります。

その一部では店舗内ではなくその追加部分で商品受取り(Pick-Up)が出来るケースはあ従来からあります。


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全米のスーパーで最高と評される幾つかの見どころを用意し、

ウェグマンズはフルサイズ店とコロナ後に展開している街中の中型店、

*フロリダ発のパブリックス

ザ・フレッシュマーケットは2年連続で アメリカのベストマーケットに選ばれたカロライナ発のグルメストアチェーン、

*アマゾン・フレッシュ、

*全米最大のスーパーマーケットチェーンであるクローガー、

*コロナとインフレに起因して大いに業績と店舗数を伸ばしているドイツ発のボックスストアのアルディとリドル、それに競合するグロサリー・アウトレット

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shimojony@gmail.com (直通メイル)

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By Charlie Chikao Shimojo @NPPA

チャーリー下城NYC■ 11/25/’25

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